イオンの西風新都新店舗は『アウトレット』と『アミューズメント』で滞在型の新業態

すでにご存知の方も多いかと思われますが、先日の中国新聞に
西風新都に計画されるイオンの新しい大型商業施設の詳細が報じられました。

映画館などを備えた滞在型で「新業態」であることは以前から報じられていましたが、
スケートリンクやVR(仮想現実)体験施設、ボウリング場など滞在型施設の他、
高級ブランドを多く扱う本格的なアウトレット施設となることが分かりました。

【中国新聞】:レジャー施設とアウトレット軸 来春開業のイオン大型施設

(2017年9月26日付 中国新聞朝刊紙面より)

 

【日本経済新聞】:イオン、アウトレット主体の新型SC

 イオンはアウトレットを主体とする新型ショッピングセンター(SC)を出店する。複合映画館(シネコン)やスケートリンクといった体験型施設も多く取り入れ、地元の観光資源を生かした売り場づくりを進める。

新SCの名称は「THE OUTLETS(ジ・アウトレット)」とする。これまでグループで使ってきた「イオンモール」は使わない。来年春に広島市で開業する施設が1号店となる見通し。

地元との連携も強化する。広島市の新施設では、野球やサッカーなどの地元プロチームと提携し、ゲーム感覚でスポーツを楽しめる施設の導入を検討する。アウトレット以外のテナントのうち役4分の1を地元企業とし、地域産品や名産品などの販売拠点にする。

商圏は車で2時間程度の範囲と、通常のモールの2~4倍を想定する。敷地面積は約27万平方メートルと最大級で、駐車場を広く取り広域からの来店に備える。

(上記サイトより一部転載)

 


建設予定地
(2017年1月撮影)

 

【THE OUTLETS(ジ・アウトレット)】

  • 敷地面積:約26万8,000平方メートル
  • 施設全体をアウトレット主体にしたイオンの新業態(全国1号店)
  • 高級ブランド品などを低価格で販売するアウトレット施設。100店以上のテナントを誘致
  • 映画館(シネコン)
  • スケートリンク
  • VR(仮想現実)施設
  • ボウリング場
  • 野球やサッカーなどの地元プロチームと提携し、ゲーム感覚でスポーツを楽しめる施設の導入を検討

 

イオンモールが公式に発表したものではありませんが、広島都市圏には数多くの大型SCが乱立している中、
レジャー施設と一体化させ他の店舗との差別化させることは当然必須と考えられているようです。

アウトレットモールの売上は一般的な商業施設と比較しても全国的に好調のようで、旧来型の施設だけでは成長余地が少ないことも考慮し、広域的な集客力を持つ観光拠点と位置づけ、旅行者も需要を取り込むとのこと。

特に広島においては中心市街地を取り囲むように幾つもの大型店が出店しています。
今年は同じ市西部エリアにゆめタウンの新業態「LECT」が開業しました。
イオンがここまで力を入れるのには、郊外型モールvs中心市街地と言うより、
郊外型モール同士の競争がかなり激しくなっている背景がありそうです。

 

近年プレステやスマートフォンでも体験できるようになってきたVR=バーチャルリアリティ。これを手軽に体験できる施設というのは興味深いです。
期間限定でスマホメーカーがVRの体験イベントを行うのはこれまでもありましたが、
常設で体験できる施設は珍しいのではないでしょうか。

こうした最新の技術に触れることができる企業のイベントラボのような施設は、中心部や広島駅にあればいいなと思っていたもの。
また”アウトレット”としてのマリーナホップの衰退後、広島に本格的なアウトレットモールは存在していませんでした。
皮肉にもこれらが同時に、イオンモールに実現しようとしています。

大型SCが飽和状態の中、「イオンモール」が正直これまであまり関心がありませんでした(笑)
アウトレットとアミューズメント施設を引っさげ、観光的な広域集客も狙うイオンの新業態。
これは純粋に楽しみになってきました。

 

紙屋町・八丁堀、広島駅周辺にとってはまた新たな脅威が誕生することにはなりますが、
先程も書いたようにここまでくれば、「郊外vs郊外」の側面がかなり強くなってきていると思います。
ショッピングモールに行く人は行きますし、中心部に買い物に来る人もそれぞれ。

中心部は、流行に敏感な若者に人気の新しいファッションや、充実した飲食店、
商業集積地ならではの賑わいなど強みを活かした戦略を今後も検討する必要がありますね。

 

 

最後に、広島市のサイトを見ていると、環境条例に関するこのような提出資料を見つけました。

【広島市(広島市地球温暖化対策等の推進に関する条例)】:建築物環境計画書等の概要の公表(平成28年度受付分)


(上記サイト内資料より)

あくまでも申請当時のものですが、イメージ図が載っています。
大きな変更がないとすれば、アウトレットモールらしく屋外型通路で結ばれた施設になる可能性が高そうです。

 

アウトレットとアミューズメント・レジャー施設を含む、西風新都のイオン新業態施設
「THE OUTLET(ジ・アウトレット)」は、2018年3月のオープン予定です。

 

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