『カミハチ』に回復傾向 広島の魅力とは。

中国新聞社による今年の「広島市広域商圏調査」が公表されました。
買い物で利用する地域として、八丁堀地区と紙屋町地区を選ぶ割合ががそれぞれ昨年より上昇したそうです。
 
【中国新聞】:「八丁堀」「紙屋町」に回帰
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(2014年11月13日付 中国新聞朝刊紙面より)
 
 
八丁堀周辺:18.2%(前年比0.1%増)
紙屋町周辺:16.0%(前年比2.7%増)
広島駅周辺: 3.9%
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都心部合計:38.1%

 
 
府中町周辺:16.3%
商工センター:14.0%
宇品・皆実:11.9%
祇園    :6.4%
八木・緑井:5.3%
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SCがある郊外5地区合計:53.9%

 
 
都心部での百貨店による海外ブランドの強化やカジュアル専門店の相次ぐオープンが好影響を及ぼしたとの見方を示しています。
H&M広島」や「広島ZERO GATE」が昨年秋に開業しましたね。
 
 
前年より持ち直した事自体は良しとしたいですが、紙屋町地区は前の年が過去最低だったようですね。
良くなってもらわないと困ります。
 
来年春にはアストラムラインとJRの結節点となる「新白島駅」が開業します。
山陽本線の沿線住民が紙屋町周辺へ移動する足としてはもちろん、
安佐南区アストラムライン沿線住民にとってみても新駅を利用して広島駅へのアクセスがスムーズになる効果も期待できます。
広島駅周辺では今後数年で大規模な再開発が相次いで行われます。
広島駅を含めた都心部にとって新白島駅は大きな追い風となりそうです。
 
 
 
とはいえ、これだけ郊外に大型SCが乱立しても八丁堀・紙屋町(と広島駅)で4割近いシェアをキープしていることをどう見るかですね。
来年には現在造成中の西風新都石内東団地に巨大イオンモールが開業するようですが、今更都心部のシェアが大きく変わるかと問われれば微妙だと思います。
(SC乱立を肯定するわけではありませんが。)
郊外SC同士でのお客の獲得競争の面が強いのではないでしょうか。
 
ファミリー層を中心にして気軽に買い物が楽しめるSCと、中四国最大の繁華街ならではの賑わいを感じながら流行の最先端を手に取ることができる都心部、
このような構図になりかけているのではないかと思います。
 
 
都心部が生き残るためにはその“繁華街ならでは”の部分の魅力を向上しなければなりません。
それが例えば、広島(中国地方)でもここにしか無いブランドショップであったり、
水辺のオープンカフェであったり、
プロスポーツチームの本拠地(カープ・サンフレ)であったり、
文化・芸術に触れられる場所であったり、
6本の河川を利用した優れた景観であったり。
 
実はこれらは他の都市から人を呼びこむためのポイントとも重なります。
交流人口を増やし都市間競争を勝ち抜くためには、郊外の大型SCもそこそこに都心部の諸問題を手を止めることなく取り組んでいく必要があるはずです。
その代表例は旧広島市民球場跡地の活用法ですよね。
協議会によるサッカースタジアム建設候補地の選定が今月中にも最終報告として行われます。
やはりサンフレの本拠地は上のような理由から中心部に建設するのが望ましいと思います。
広島市の未来を左右するであろう最終報告に注目しています。


 

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