アストラム延伸検討状況― 「急勾配がネック」らしい

今朝の中国新聞に久々にアストラム延伸の話題が出ました。
(hiroshima cityさん、タミーさん、ありがとうございます。)
 
広島市は広島高速交通アストラムラインの広域公園前駅より先の延伸に関して、
西広島駅、商工センター(新井口駅)、五日市(駅)の3つが現在の検討で候補になっていることを明らかにしました。
いずれの候補地でも直線的なルートにすれば勾配が急になり現在市が性能などについて問い合わせも行なっているとのことです。
 
【中国新聞】:アストラム延伸は軌道急勾配 (以下転載)

 広島市は、アストラムライン延伸計画の検討状況を21日の市議会定例会の一般質問で説明した。広域公園前駅(安佐南区)からの延伸構想ではJR西広島駅(西区)に延ばす西風新都線など3案とも途中に尾根などがあり、ポイントは軌道の勾配。向井隆一道路交通局長は車両メーカーに技術的な問い合わせをしていることを明らかにした。
 
 広域公園前駅から延ばす先はJR西広島駅を軸に商工センター(西区)、五日市(佐伯区)が候補となっている。道路交通局によると、いずれも直線的なルートにすると勾配が急になり、蛇行すればその分だけ距離が延びて事業費は膨らむという。
 
 向井局長は答弁で「急勾配を採用できるかは、ルート選定や事業費に大きな影響を及ぼす」と述べた。
 
 道路交通局によると、現行のアストラムラインでは伴―長楽寺間(安佐南区)など2カ所の勾配4・5%(100メートル進むと4・5メートル上下する)が最もきつい。全国の新交通システムでは埼玉県内に5・9%の例がある。広島市は、これよりきつい勾配を上るパワーやブレーキ性能が可能か、車両メーカーの意見を聴いている。
 
 向井局長は「できる限り早い時期に基本方針を決定したいが、安全性の面から慎重な検討が必要」と述べた。

(ここまで)
 
まず主張は抜きにしてこの記事について考えてみると、
当初計画の延伸先である西広島以外に、商工センター、五日市がすでに検討されていることに驚きました。
住民が招致活動(というと大げさですが)を行なっていたのは把握していました。
特に五日市のコイン通りなどでは「アストラムを佐伯区へ」という感じのバナーが掲げられていたのはよく覚えています…。
勾配に関してはやはり標高117mもある広域公園前駅から平野に下ろすのですから勾配は急になりますね。(参考
アストラムラインが走る軌道で最も急な勾配は記事にもある通り4.5%(45‰)。
2ヶ所とありますが、伴~長楽寺間ともう一つは城北~白島間の地下-高架遷移区間だったと記憶してます。
 
astram-hakushima.jpg
 
ちなみに広電の駅前大橋線高架乗り入れで検討される勾配も4.5%ですね。
 
仮に現状運行可能な4.5%勾配で収まったとしても、広域公園から平地までそれが何キロも続けば話は別でしょうね。
そもそも2007年に延伸計画が一度凍結されるまである程度の検討はしてきたと思われたのですが、
今頃になって勾配が問題になるとは思いませんでした…。
 
 
さて、ここから主張も合わせて考えると、
私は以前から申し上げている通り西風新都線延伸には反対、延伸は本通以南をと考えております。
 
これに関しては旧球場跡地と同様様々な意見があるのは過去頂いたコメントでも承知しております。
ですがやはり費用対効果、予算を使う優先順位の面で西風新都線には納得出来ません。
ましてや急勾配を避けるため蛇行するルートを取れば路線も長くなり建設費もさらに上がってくる状況。
挙げ句の果てには、巨大イオンモールができる石内東団地(広電による造成)を経由させることでより多くの利用者を見込むという始末…。
前提が間違ってはしませんか?と。
イオンモールや広電のために延伸するなら建設費はイオンと広電が出して下さい。
 
「他の団地にも恩恵はあるじゃないか」というご意見も確かに分かるのですが、以前書いた通り恩恵をうけるのはアストラム沿線のごく一部の範囲だけで、セントラルシティこころを始めとする大型住宅団地からは徒歩30分以上かかります。
アストラム延伸提案、中心部優先を
 
白島新駅も開業することによって本通以南の延伸はさらに必要な物になったのではないかと思います。
今回この勾配の件がどのように進展するのかは分かりませんが、いずれにせよもう一度考えていただきたいものです。
 

>>続き
アストラム”都心部延伸”で、空洞化食い止めを。

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