広島市H30年度予算案が公表 西広島駅の関連事業に注力

2月8日、広島市の平成30年度当初予算案が公表されました。
予算は1年間の街づくりの展望を見通す上で、欠かすことのできない資料です。広島市の街づくりを追いかける者として見過ごすわけにはいかないものであります。

特に今年度から来年度にかけては、広島駅南北自由通路の整備という非常に大きな事業が完了し、予算の振り分けがどう変化するか、という点についても非常に興味深いものです。

 

今回はごく一部ですが、都市開発・街づくりに直接関わる「建設関係」に絞って、概要を簡単にまとめてみたいと思います。

【広島市】:平成30年度当初予算(案)(概要・主要事業等)

この内、「建設関係」に絞り、このブログの趣旨と関連するものを一部列挙しました。

 

・広島西飛行場跡地の活用―6億125万円
県と連携して、広島西飛行場跡地利用計画に基づく取り組みを実施

幹線道路の整備や陸揚げスロープの整備に億単位の予算がついており、30年度から本格的な始めるそうです。
跡地利用計画については以下を参照。
【広島市】:広島西飛行場跡地利用計画(1830KB)(PDF文書)

 

・西広島駅北口地区のまちづくりの推進―1億4,238万円
西広島駅北口土地区画整理事業に係る基本設計、換地設計等

再来年度から実施設計に入り、32年度以降に工事を始めるスケジュールのようです。

 

・西広島駅周辺地区交通結節点整備―2億8,526万円
南北自由通路の実施設計費用

 

・比治山公園「平和の丘」にかかる環境整備―4,660万円
遠路環境改善を目的に、樹木の剪定や伐採を実施

 

・広島市総合交通戦略の改定―4,093万円
交通ビジョン推進プログラムの計画期間が満了することに伴う新たな交通ビジョンを含む総合交通戦略の改定に着手

30年度に交通実態調査を実施し、戦略の骨子案の作成等を行うそうです。現行の交通戦略はこちら。
【広島市】: – 広島市総合交通戦略について

 

・公共交通の機能強化と利用促進―7億9,118万円
路面電車の高架乗り入れなどを含む広島駅南口広場の再整備に係る環境影響評価費用(4,550万円)
JR下祇園駅自由通路の基本設計費用(2,265万円)
路面電車のLRT化の推進として車両購入補助費(7,462万円)
バス活性化の推進(1,746万円)
交通施設バリアフリー化として、JR下深川駅、安芸矢口駅のバリアフリー化の補助費(1億5,596億円)
ほか

広島駅南口広場の再整備は、いよいよ環境アセスメントが始まるようです。
路面電車の車両購入補助について、昨年3月の運賃値上げに関する報道の際に、
”19年度までに宮島線で6編成、市内線で4編成導入する”と明らかにしており、
導入補助負担者に廿日市市も入っていることも考えると、
30年度に導入される車両は5連接の宮島線仕様になると思われます。

すでに報じられ、またコメントでも議論頂いているとおりですが、 広島電鉄は、路面電車のサービス向上計画の概要とともに、運賃を値上げする意向であることを公表しました。 電車運賃の値

 

・広島高速道路の整備―46億2,720万円
広島高速5号線トンネル工事(16億7,500万円)
関連公共事業(29億5,220万円)

 

・街路整備―23億2,200万円
広島市内の各種街路の整備

国道2号から段原を通りマツダスタジアムのある大州近辺へ抜ける「東雲大州線」や「比治山東雲線」の用地取得や工事に予算がついています。

 

・東部連続立体交差事業―1億7,900万円
鉄道概略設計及び関連道路用地取得費

先般、船越地区を含めすべての区間を高架化する再見直し案について、県・市・府中町・海田町が合意しました。来年度以降着工に向けて進んできそうです。これについては改めて記事にしたいです。

 

・道路・橋りょう整備―178億4,683万円
平和大橋歩道橋の橋りょう上部工事(4億1,975万円円)
JR安芸中野駅自由通路の実施設計等(1億5,300万円)
広島市民球場への歩行者用道路・ペデストリアンデッキ整備工事(1億円)
ほか

 

 

広島駅自由通路に関わる予算がなくなり、代わりに西広島駅の区画整理や自由通路整備の設計、
広島西飛行場跡地の活用に関する工事が29年度に対して大きく増額となっています。

とはいえ、駅ビルの建て替えや路面電車駅前大橋ルートと高架乗り入れを含む「広島駅南口広場の再整備」に引き続きまとまった予算が取られているので、このままスケジュール通り事業が進む事を願いたいです。
環境影響評価(環境アセスメント)を30年度始めるようなので、新しい資料やプレスが出てくる事を楽しみにしたいです。

 

広島西飛行場跡地もまずは幹線道路の4車線化などから工事が始まるようですね。
利用計画については過去にブログでまとめています。
カープ球団からの寄付金を利用してアマチュアが使える野球場を建設したり、マリンレジャーや職業体験パビリオンなどが想定されています。

広島県と広島市が検討を進めてきた、西区観音の広島西飛行場跡地の活用策について、 昨年12月、跡地利用計画(案)が公表されました。 2013年に策定した「広島西飛行場跡地活用

 

今年夏頃から掘削工事を始める広島高速5号線に関しても、29年度以上の予算がついています。
ところで、高速4号線「沼田」ランプと山陽自動車道を繋ぐ構想に関して、これといった項目が見当たりませんが
あれからどうなったのでしょうか。。

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■訂正(2018年2月17日)

見落としておりました。140ページに下記の記載があります。
コメントでご指摘をいただきました。教えてくださった方、ありがとうございます。

・広域連携を支える新たな道路整備の検討―701万円
広域的な連携や都心のアクセス向上に向け、山陽自動車道と接続するための広島高速4号線の延伸、高陽地区へのスマートインターチェンジの設置について、その実現可能性を検討する。

今年度も同じような内容で予算が計上されていました。しばらく検討期間が続きそうです。

 

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