ついに本格運用へ!グリーンムーバーLEXに限り全扉乗降が可能に

広島電鉄は、広島市内の路面電車について、
ICカード利用者は1000型「グリーンムーバーLEX」限定で、すべての扉から降車ができるサービスを始める事を明らかにしました!
5月10日(木)からの開始予定で、これまでのように降車のために車内の前側に移動する必要が無くなり、
利便性向上と乗降時間の短縮を図ります。

いわゆる「信用乗車方式」です。何年も前から検討され、実証実験も数回行われてきました。
限定的ではありますが、いよいよ本格的にサービスが開始されます。

【広島電鉄】:グリーンムーバーLEX(1000形)限定 ICカード全扉降車サービスの開始について


(上記公式HPより)

【中国新聞】:広電、定時運行へ「全扉降車」OK

 

ようやく本格運用が始まることに感激しています。

ICカード利用者に限るのは、降車用の運賃箱にコストも場所も必要なので、妥当な判断かと思います。
先月から全国交通系ICカード「10カード」(Suica、PASMOなど)も利用可能になりましたし、
何より広島は10%の割引があるPASPYの利用率が非常に高いので、これに関して大きな混乱は起きないのではないかと思います。

中国新聞によると、路面電車のICカード利用率は、約8割となっているそうです。

広島県内の交通系ICカード「PASPY」エリアでの、全国相互利用ICカードの利用が 3月17日(土)から開始されることが正式に公表されました。 JR東日本が発行する「Sui

 

車両は市内線を走る超低床車両「グリーンムーバーLEX」限定とのこと。
個人的には、一度ですべての車両で始めた方がインパクトがあるため認知度も上がり、むしろ混乱も起きにくいのではないかと思いました。

安全面や無賃乗車などの問題がなければ、全車両への拡大も検討しているとのことです。

 

 

 

 

一気に導入できないこと、今に至るまで実現に時間がかかった背景には、
民間企業ゆえ、運賃収入が企業の収支に直結するため、
無賃乗車が横行すれば企業経営に大きな影響を及ぼすために他なりません。

利用者を「信用」して提供されるサービスです。
欧州の公共交通機関では信用乗車が当たり前です。
これはモラルだけでなく、違反(無賃乗車)した際の罰金の制度が日本と異なることも関係しています。

日本の法律では不正乗車に対する罰金は、通常運賃の3倍までしか請求することができません。
180円の3倍ですから、せいぜい5~600円。抑止力としては弱すぎるのです。

まずは市内線のグリーンムーバーLEX限定で信用乗車サービスが始まろうとしています。
あまり思いたくはないですが、もし無賃乗車が横行するような事態になれば、
国に対してこの制度の抜本的な見直しの働きかけ、もしくは自治体独自で反則金が徴収できるような制度を創設すべきだと思います。

広電が単体でどうにかできる問題ではありません。

 

そこまでしてでも、信用乗車方式は路面電車の速達化のためにできる大きな策の一つです。
1998年の古い資料ですが、運行時間のうち乗降時間が占める割合は約12%となっています。

(国土交通省中国運輸局―路面電車のLRT化を中心とした公共交通体系の再構築の検討調査報告書[平成17年3月])

 

少しでも早く、すべての車両で信用乗車方式が開始されることを望みます。

 

guest
17 Comments
古い順
新しい順 高評価順
Inline Feedbacks
View all comments