明治安田生命広島ビル 2019.10 鯉城通りの老舗高層ビル <Foveon>

新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いています。
このブログでは三密を避けた最小限の取材に加え、
過去の未公開ストックを引っ張り出して活用して、読者の皆様に新しい発見をお届けしています。

今回は中区袋町、鯉城通り沿いに立つ「明治安田生命広島ビル」です。
1972年に竣工した歴史あるビルです。
当時としては高い、高さ62m、17階のビルで、
アルミのルーバーとガラスのコンビネーションが美しい、個人的にも好きなビルの一つなのでご紹介します。

 

また、今回からいくつか、ちょっとしたシリーズ記事を更新することにしました。
タイトルに「#Foveon」と書いてあるとおり、Foveonセンサーを搭載したシグマ社の「dp0 Quattro」というカメラで撮影した画像達がたくさん眠っているので、開放していきます。

といっても所有しているわけではなく、昨年カメラ選びの途中でお借りしたものになります。
1週間くらい使いました。
最終的にこのカメラは買わずに、オーソドックスに超広角レンズを導入する事になったのですが、
解像性能と歪みのなさが素晴らしいのは間違いないので、ご紹介します。

いつもご覧いただきありがとうございます。 2019年もあっという間に年末です。 今年もたくさん写真を撮ってきたわけですが、先日メインの取材用カメラを買い替えました!!

【株式会社シグマ グローバルサイト】:プロダクト | dp0 Quattro

焦点距離:14mm(単焦点)
撮像素子:APS-C
Foveon X3 SENSOR Quattro(3,900万画素相当)
ISO:100~6400

非常に独特な形をしたカメラです。
イメージセンサーには、一般的なデジタルカメラに搭載されるセンサー構造(ベイヤーセンサー)とは異なる「Foveon(フォビオン)センサー」が用いられています。
詳しいことは説明できませんが(笑)、1画素あたりの情報量が多く非常に繊細な解像感を得ることができるのが大きな特徴です。
弱点は露光感度が低く暗い場所での撮影が苦手であること。

 

広島都心の南北の目抜き通り、鯉城通りです。

 

通りから見て、左手に「シシンヨービル」(地上13階・地下1階)、
右手に「明治安田生命広島ビル」(地上17階・地下4階、高さ約62m)
が並ぶ光景は、この通りのランドマークですね。

 

南側に立つのが「明治安田生命広島ビル」。

 

本当にガラス張りのビルも美しいですが、アルミのルーバーが等間隔で配されたこういったビルも美しいですよね。
歪みのないレンズ性能がそれをまた際立たせます。

 

【フジタの100年(旧フジタ情報)/フジタのある街】:明治安田生命広島ビル

現在広島市内には超高層ビルが数多くありますが、当社が初めて施工した超高層ビルは鯉城通りに面した袋町の広島明治生命ビル(現:明治安田生命広島ビル)で、1972年に竣工しました。

太田川下流の三角州に立地する広島は砂地盤で、それまで地下2階以上の構造物を造ることは不可能とされていました。そこで当社が開発した、高剛性の連続地中壁を作るアースウォール工法を駆使して地下4階に挑戦しました。
土圧・水圧対策を万全にとって作業を進めましたが、被圧地下水の威力は予想以上で、アースウォール工法の地下壁を突き破りました。激しく湧き出る地下水止水には、水分を含むと膨張する大豆を使う、とてつもないアイデアを実行に移して難局を乗り切り、地上17階、高さ62mの超高層ビルが完成しました。今から約40年前の出来事です。

その後長らく広島市内で最も高いビルとして市民に親しまれてきました。現在では界隈に高いビルがありますが、アルミとガラスのファサードが光に映える明治安田生命広島ビルは、超高層ビルの草分けとしての存在感を示しているようです。

(上記サイトより)

施工を担当したフジタ(現在は大和ハウス工業グループ)によると、
建てられた1972年当時、三角州で地盤に多くの水分を含む広島で地下4階の構造物を造ることがいかに困難だったかが伺えます。
最終手段として大豆を使って解決したというエピソードも面白いですね。
文字通り、広島の高層ビルの草分け的な存在です。

 

南区のNTT広島仁保ビルが1979年竣工なので、明治安田生命広島ビルの方が歴史があるんですね。

広島の元祖高層建築 『NTT広島仁保ビル』

 

参考までに、近くに立つ広島三井ビルディングが1977年竣工。

鯉城通りに建つレンガ外観の大型オフィス『広島三井ビルディング』

 

 

ビル前です。

 

 

フジタのサイトによると、歩行者へ圧迫感を与えないようにルーバーが斜めにカットされているそうですね。
確かにそうだ。

1階にはクロネコヤマトやキンコーズが、地下には喫茶店などのテナントも入っていましたが、
昨年後半あたりから移転して入れないようになっています。

 

路地から見上げてみます。

美しいです。紙屋町・八丁堀地区の中でも個人的にかなり好きなビルですね。

写りもどうでしょう。コントラストを高めているのもありますが、ガラスの光沢感とアルミの金属らしい少しザラッとした質感がよく表現されていると思います。

 

歩道橋から追加で撮ってみました。

 

暗所に弱いのは諦めが付くくらい、解像感が素晴らしいのが印象的でした。
最終的に、意外に大きくてバッグに収まらなかったのと、RAW現像にLightroomが使えず扱いづらかったため、購入は見送りました。将来、めぐり合わせが良ければまた使ってみたいです。

最後になりましたが、明治安田生命広島ビルの今後、気になりますよね。

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