旧広島市民球場跡地の整備事業者に『NTT都市開発』を選定!Park-PFIを活用し飲食・物販施設など整備

広島市は旧広島市民球場跡地に関して、計画しているイベント広場について、
整備等を行う事業者を「NTT都市開発」を代表とする企業グループを特定しました。

合わせて、公募結果として提案概要をHPに掲載し、
待ちに待った球場跡地の青写真がようやく公開される事となりました!

跡地活用についてはPark-PFIと指定管理者制度を活用し、整備と管理運営を選定された民間事業者が行います。
緑あふれる広場の中には公園と一体的に利用できる木造の店舗群を整備するほか、
フレキシブルに大小のイベントを開催できるイベント広場で年間を通じた賑わい創出を目指します。

ハードの整備は2022年3月の開業を予定します。

 

計画の概要

広島市の資料から一部抜粋しながら、計画の概要を紹介していきます。

【広島市公式ホームページ】:旧広島市民球場跡地整備等事業に関する事業者の公募結果(令和3年8月3日)

 

グループ名 NEW HIROSHIMA GATEPARK
代表法人 エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社
構成法人 大成建設株式会社中国支店

株式会社中国新聞社

株式会社広島バスセンター

広島電鉄株式会社

NTTアーバンバリューサポート株式会社

株式会社NTTファシリティーズ

株式会社シーケィ・テック

株式会社NSP設計

 

 

提案内容はこちら。

(以下の画像は本PDF資料より)


コンセプトイメージ

平和の軸線とともに、紙屋町とサッカースタジアムを結ぶ導線や美術館などの文化ゾーンからの導線も意識。

 


ピースプロムナード

桜並木とし、足元には被爆敷石を用いる。

 


木造店舗

軒下空間を活用し”ハコ”の内外を繋ぐことで、公園内の並木と調和した一体的な開放感を演出。

 

施設配置

回遊を促す8つの木造店舗を新設。屋外環境で滞在型を目指したコンテンツを選定する。

 


跡地全景

公園内には2重の円のように物理的な区切り(ユニバーサルリボン)を設け、イベントの規模に応じてフレキシブルに公園を使い分ける。

 

広島の都市型イベントスペースの聖地に

球場移転から今年で13年目、長かった跡地利用検討の結果が、
事業予定者を伴ってようやく具体的な形になりました。
当初の基本構想通り、「Park-PFI」を活用し民間が公園で事業を行うことで、公園の維持管理をしていく手法が取られます。

 

「Park-PFI」(=公募設置管理制度)は、一言でいうと、民間資本を活用した公園の設置・管理運営制度です。2017年に新設された新しい概念になります。
公募で選定した民間事業者が、自らの資金で公園内に飲食店や売店などの施設を建設し、
自らで管理運営を行います。

公園を民に開放することで、行政にとっては低いリスクで公園の憩い・賑わい空間の創出と、
その維持管理、美化を行うことが可能になります。

 

旧広島市民球場跡地を担う事業者は、隣接する基町クレドを手掛けたNTT都市開発(株)を中心とするグループが選定されました。

NTTグループは従来から(株)そごうや(株)バスセンターらと、「基町・紙屋町エリア将来像研究会」を発足し、独自で同エリアのまちづくりに関するビジョンの検討を続けてきていました。

【広島市】:基町・紙屋町エリア まちづくりビジョン [提言](基町・紙屋町エリア将来像研究会) (PDF)

(上記資料より)

今回、旧広島市民球場跡地開発の事業者に選定されたわけですが、
同じくPark-PFIを活用して整備されるサッカースタジアムに隣接する中央公園「広場エリア」の事業者にも、NTT都市開発を代表企業とするグループが選定されています。

都心の空洞化、求心力の低下が大変危惧される中、
地方都市にこれほど可能性を見出していただいていることは本当に感謝すべきですね。

 

グループは、”1000人以上の集客イベントを年間90日以上開催すること”を提案しています。
年間休日日数が120日として、75%に当たる90日は1000人以上の人を集めることが必要です。
今の公園の姿からすると高いハードルに思えますが、今後はPark-PFIの適用により、規定を守りつつ「商業」が公にできるようになるわけですから、これまでとは全くこの場所の概念が変わります。

まるで不可能なプランとは思いませんし、サッカースタジアム隣接の「広場エリア」にも名乗りを挙げ、基町・紙屋町エリアの復活を描く彼らを応援したいです。
中国新聞の商圏調査でも中心部の求心力の低下は明らかです。何もしないよりはまず実行することが必要だと思います。

 

直近5カ年の計画は次のようになっています。

(上記資料より)

 

球場跡地を担う事業者グループには、広島センタービルに入る(株)広島バスセンターもメンバーに入っています。
「紙屋町」の将来に期待が膨らみます。(株)広島バスセンターは、そごうが入る広島センタービル全体の運営を担っています。

建て替えが実現する際には、クレド・そごうから道路を渡らず直接広場にアクセスできるアプローチも検討をお願いしたいですね。

 

 

なお、広島県内では福山市がいち早くPark-PFI制度を活用し、福山市中央公園が2021年5月にリニューアルされました。
中四国地方で初めてでもあります。

 

飲食店が入る建物のほか、休憩できるあずまやなどが整備されました。
休日の昼間に覗いて見てみると、飲食店はほぼ満席で賑わっていました。

 

 

現状の球場跡地です。

 

バスセンター側が、「アーバンアクティビティサイト」と名付けられた、アーバンスポーツが楽しめるエリアになるようです。
アーバンスポーツのワールドカップ「FISE」でも活用されるのは間違いないですね。

 

地下街シャレオのエントランス。

 

どんな景色になっているんでしょう。

 

跡地の西側に隣接する広島商工会議所。

2027年度の竣工を目指す基町相生通地区再開発ビルに移転することが決まっています。

広島市中区の相生通り沿いで計画されている「(仮称)広島市基町相生通地区第1種市街地再開発事業」について、 広島商工会議所は、現在の会議所ビルと開発地区内の市営基町駐車場の財産交換
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