自由通路など整備へ JR可部線『下祇園駅』改良工事 2021.12

JR可部線の下祇園駅では、広島市とJR西日本による駅の改良工事が行われています。

混雑対策として島式1面2線の構造から、上下線それぞれのホームを新設し、相対式2面2線に変更します。
合わせて、これまで東口にしかなかった出入口を西側にも設けるとともに、東西自由通路と西口駅前広場を整備することで、安全性と利便性双方の向上を図るのが目的です。

JR可部線は先日の調査で全国4位の混雑率となっている路線で、
中でも下祇園駅は可部線内での最多利用者の駅で、コロナ前の1日の乗降客数は11,000人を超えており、朝ピークを中心に混雑が安全上の課題となっていました。

【中国新聞】:可部線の混雑率132%全国4位 悩むJR

 

コメントで情報を教えていただいており、ようやく行くことができたのでご紹介します。

 

島式から相対ホームに。駅改良工事の概要

広島市のHPに、これという分かりやすい説明資料が無いので、市議会議員さんのサイトをご紹介。

【広島市議会議員むくぎ太一オフィシャルウェブサイト】:JR下祗園駅の自由通路等整備について

 

渦中の元国会議員さんも。

資料(PDF, 約6.4MB)

 

改良工事の目玉は、ホームの上下分離と西口の新設、そして自由通路の整備です。
自由通路と言っても、敷地の都合上、山陽線の駅とは異なり橋上駅舎の整備は行いません。
延伸と同様に改良された「可部駅」と同様に、駅舎は地上に残したまま歩行者が24時間通行できる自由通路(跨線橋)を新設します。

可部線廃止区間が電化開業!現地の様子<可部駅編>

 

新設される『西口』周辺では開発が進む

現在の唯一の出入口である下祇園駅東口です。

駅舎は改良工事により、画像右奥、新設ホームの先端に移設される予定です。

 

路地を進み北側の踏切方面へ。

画像の奥にイオンモール広島祇園や、広島経済大学が見えます。
出入口は東側のみであるにもかかわらず、駅利用者の80%が西側を発着地としており、地域住民より西口の設置が要望されていたようです。

この路地が細く、自動車交通量も多いため、取材した休日の午後ですら危険に感じる場面がありました。

 

踏切から見る駅構内。

構内は後ほどご紹介します。

 

踏切を渡った先です。

椋木議員のイメージ図と同じ方角から見ています。
目の前の土地を今後整備し、西口ロータリーを新設します。

 

踏切に隣接して、広島経済大学へアクセスする専用のバスターミナルがあります。

西口整備後は、ロータリー内で乗降するようになるかもしれませんね。

 

駅の西側一帯では住宅開発が旺盛に進みます。

 

駅の西側一帯の約3haは、従来コベルコ建機の祇園工場がありましたが、
2014年に跡地が積水ハウスおよび穴吹工務店に売却され、住宅開発が始まりました。

 

ホームのすぐ真横です。

市有地の歩道が準備されています。
駅舎から西口広場に繋がる歩道がこの左奥に整備されます。

 

 

新設ホームも姿を現した駅構内

改札内に入りました。構内踏切を渡ります。

 

現在の駅舎と線路の間、カラーコーンが置いてある場所に、上り専用ホームが今後設けられます。

現状は島式ホームであるため、こうして改札の外に出るには必ず構内踏切を渡る必要があり、事故のリスクが高い状態です。
相対ホームとすることで、構内踏切を経由せず直接ホームに行くことができるようになります。

 

こちらは下り専用ホーム。

 

 

方面別ホームとする手法は、2017年に改良した可部線『安芸長束駅』でも採用されました。
ただし、安芸長束駅は既存の島式ホームを上り専用に転用したのに対し、
下祇園は既存島式ホームを廃止。完全な相対ホームとすることで、構内踏切を解消します。

 

安芸長束駅改良工事 2017.03 改良工事完了

 

広島側の先端に目を向けてみます。

 

真新しい分岐器が取り付けられています。
ホーム先端は少し拡幅されており線形改良も行われたようですね。
この先の分岐器を高番化する(カーブを緩くする)ことで、制限速度を緩和し少しでも列車交換の時間を短縮し、運転間隔の短縮を図ります。

 

駅南側の踏切より。

 

下祇園駅の改良工事は、2023年度の完了開始予定です。

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