広島都心で今後3,000室超!ホテル建設ラッシュで広がる『旅の受け皿』

開業1年を迎えた広島電鉄路面電車の「駅前大橋ルート」。
経路にあたる駅前通りを経て、紙屋町方面へ向け相生通りを進むと、沿線のあちこちでホテルの建設現場が目に入ります。
広島駅周辺から八丁堀・紙屋町地区にかけて広島都心では、ここ数年で明らかにホテルへの投資が活発になっています。

今回は、個人的にも気になったので、近年開業したホテルと今後予定されているプロジェクトを整理しました。

 

 

 

広島市のホテル客室数は10年で3割増

昨今、新たに開業した広島市内のホテルとして代表的なものに「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」や「東急ステイ メルキュール広島」などが挙げられます。

今後も開業の勢いは加速する予定で、ドミナント戦略を取るアパホテルを筆頭に、外資系も含む幅広いレンジで3,000室を超える供給が見込まれています。

今ご覧になっている記事の末尾に、概要を把握しているプロジェクトの一覧を整理したので参考にご覧ください。

 

直近ではなく過去の推移はどうか。
国の統計から宿泊施設の客室数を整理し、同じ地方中枢都市である札仙広福で比較しました。

(管理人作成)

【厚生労働省】:衛生行政報告例

広島市は2015年度頃の約1万3,600室から、2024年度には約1万8,000室まで増加しました。
コロナ禍で観光需要が大きく落ち込んだ時期を挟みながらも、客室ストックはこの10年間で約3割増えています。

他都市と比較すると、広島は仙台とほぼ同じ規模まで増え、2025年度以降は広島市が仙台市を上回る可能性もありそうです。仙台市のストックがほとんど増えていないのは意外でした。
一方で札幌市・福岡市は常に広島の2倍程度の客室。特に福岡市の伸びが凄いですね。

現在のホテル建設ラッシュを見て、「広島はホテルだらけになっている」というよりむしろ、”これまでが少なすぎた”と捉える事もできそうです。
広島の宿泊市場にはまだ拡大の余地があると考える事業者がいても不思議ではありません。

 

インバウンド拡大とホテル市場の変化

広島市のホテル市場にとって一つの大きな追い風となっているのがインバウンドでしょう。

 

全国の訪日外国人旅行者数は2016年の2,404万人から2019年には3,188万人へ増加。コロナ禍を経て、2025年には4,268万人と過去最高を大きく更新しました。

【観光庁】:令和8年版観光白書(概要版)

 

広島でも2016年のオバマ米大統領訪問、2023年のG7広島サミットなど、世界から注目を集める機会が相次ぎました。
市を訪れるインバウンドも増加し、2025年には256万人と過去最高を記録しています。

【広島市】:令和7年(2025年)広島市入込観光客数

広島市入込観光客数の推移

 

旅行スタイルとホテル市場にも変化があるようです。
訪日旅行は従来の東京・京都・大阪を巡る「ゴールデンルート」だけでなく、地方へ足を延ばし、その地域ならではの文化・自然・食を体験したいというニーズが広がっています。

【JNTO】:

 

こうした変化を背景に、市内ではアンダーズ、voco、コートヤード・バイ・マリオットなど国際的なブランドの進出が相次ぎ、廿日市市の宮島口でも2026年7月に星野リゾート「界 宮島」が開業。2028年にはヒルトンの「Umiuta Hiroshima, LXR Hotels & Resorts」も予定されています。

国内リゾートホテルチェーンの星野リゾートは、温泉旅館ブランド「界」を広島県内に開業させることを明らかにしました。 施設名称は「界 宮島」。56室の宿泊施設です。 宮島の対岸で厳
米ホテルチェーン大手のヒルトンは、厳島神社の対岸である宮島口地区に、 最上級の「LXRホテルズ&リゾーツ」ブランドのホテルを計画しています。 7月6日、関係者らで起工式

 

 

旅の受け皿整うも、『滞在の理由』創出は急務

もちろん、広島のホテル需要を支えるのはインバウンドだけではありません。

2025年は国内からの一般観光客も前年比3.4%増の1,188万3千人。入込観光客全体は1,476万人と過去最高を更新し、宿泊客も711万5千人まで増えています。

観光だけでなく、出張や学会、スポーツ観戦、コンサートなどもホテル需要を生み出します。
今後は広島駅北口で構想される新アリーナなど、新たな集客施設も来訪を後押しする要素になりそうです。

JR西日本は、広島駅北口の新アリーナ構想について、 施設整備に係る事業計画の概要を、官民協議会の次回会合で示す方針であることが分かりました。 今月7日に開かれた初会合では、

 

ホテルという「泊まる場所」が次々と増える一方で、「泊まってでも楽しみたい」と思わせるものも同じように増えているのか。個人的にも気になる部分です。

平和記念公園や宮島など、広島を訪れる明確な目的となる観光資源は非常に強い一方、それらを巡った後の夜や翌日の過ごし方まで考えると、まだ伸ばせる部分はありそうです。

コンサートやスポーツなど夜まで楽しめるイベントや、ひろしまゲートパークなどを活用した継続的な飲食イベントの充実。
あわせて、広島を宿泊拠点に呉や西条だけでなく、「200万人広島都市圏構想」を構成する県内外の都市を巡る「2日目」の観光モデルを、経済界や観光関係者が積極的に発信することの重要性が増しますね。

ホテルという受け皿が急速に整う今、その先の「滞在する理由」をどうつくるか、今後、考えていかなければならないテーマだと思います。

 

広島市内のホテル開業・計画一覧

※管理人が把握しているものであり、全てを網羅しているわけではありません。

▼広島市内に2年以内に新規開業したホテルの例

ホテル名称 所在地 室数 開業日
アパホテル〈広島駅前スタジアム口〉 広島市南区荒神町 242室 2024年10月1日
ホテルグランヴィア広島サウスゲート 広島市南区松原町 380室 2025年3月24日
せとうちサイクルステイズ広島宇品 広島市南区宇品海岸 123室 2026年4月1日
東急ステイ メルキュール 広島 広島市中区鉄砲町 182室 2026年5月18日

 

▼広島市内に今後に開業するホテルの例

ホテル名称・計画名 所在地 室数 開業日・完成時期
GRAND HOSTEL LDK 広島 広島市南区荒神町 157室 2026年12月
PIECES HIROSHIMA 広島市中区八丁堀 46室 2027年2~3月開業見込み
アンダーズ広島 広島市中区基町 235室 2027年開業予定
HOTEL平和GRIT 広島市中区三川町 46室 2027年6月30日完成予定
voco広島 広島市南区的場町 301室 2027年10月31日完成予定
アパホテル〈広島駅前通〉 広島市南区的場町 316室 2027年11月開業予定
アパホテル〈広島駅前〉 広島市南区松原町 251室 2027年12月開業予定
コートヤード・バイ・マリオット広島 広島市中区三川町 183室 2028年第1四半期開業予定
アパホテル&リゾート〈広島駅前タワー〉 広島市南区松原町 600室 2028年3月開業予定
リーガグラン広島 広島市中区東平塚町 168室 2028年6月末開業予定
エスペリアホテル広島(仮称) 広島市中区基町 121室 2028年8月1日開業予定
アパホテル〈広島八丁堀駅南〉 広島市中区新天地 218室 2028年秋開業予定
H.I.S.系広島駅前ホテル計画 広島市南区松原町 180室 2028年11月開業予定
(仮称)広島市中区銀山町 HOTEL PROJECT 広島市中区銀山町 286室 2028年12月完成予定
広島駅北口計画・ヴィラフォンテーヌ(仮称) 広島市東区二葉の里 178室 2029年4月13日完成予定
guest
14 Comments
古い順
新しい順 高評価順