延伸ルート決まるも、開業見込みは13年後?

広島市はアストラムライン西風新都線の延伸ルートとして、
五月ヶ丘団地と造成中の石内東団地を経由し、都市計画道路「己斐中央線」を通り西広島駅へ至るルートに絞り込んだことを先週明らかにしました。
 
【広島市】:公共交通体系づくりについて
201301astram.jpg
(上記ホームページ内「アストラムライン西広島ルートの比較評価について(PDF)」より)
 
JR西広島・新井口・五日市の3駅から延伸先が西広島駅に絞りこまれた今年1月末、
その西広島ルートの中で議論になっていた3ルート案が確定しました。
広島市、アストラム延伸先を西広島に絞込み
 
 
ルートを絞り込んだ上で、事業判断はいつなのかという点など今後の見通しも分かってきました。
 
段階的な延伸も選択肢として整備プログラムを作成し、14年度ないしは15年度の早い時期にも延伸をするか否かの判断を行う予定だとのことです。
なお、事業化を判断した場合でも測量や設計、建設工事で開業までに少なくとも13年かかるという市の見込みも明らかになりました。
先ほどの広島市のサイトにも詳しい資料がアップロードされていますが、今朝の中国新聞の記事からも紹介しておきます。
 
【中国新聞】:「西広島ルート」 15年度中に判断
20140423astram_chugoku-np.jpg
(2014年4月23日付 中国新聞朝刊紙面より)
 
【広島市】:公共交通体系づくりについて(第4回 平成26年4月22日委員会資料参照)
 
↑ここで詳細な資料が新たに更新されていますので興味のある方はどうぞ。
私も全部は読んでいないので、読んだ上で追記するかもしれません…
 
 
さて、西広島駅までのルートは1月の評価通り五月ヶ丘・石内東団地と己斐中央線を通る「ルート1」に決まったようです。順当でしたね。
今回一番驚いたのは、15年度の事業可否判断から開業まで少なくとも13年もかかるということでした。
2028年ですよ!?しかも単線ですよ!?
こんなに先だとは思いませんでした。
広島市は先ほど紹介した資料「アストラムライン西広島ルートの比較評価について(PDF)」の中で平成42年(=2030年)の西風新都線の利用予測を1万5200人と試算しています。
これだけ人口減少が予測される中で本当に13年後の利用予測が信頼できるでしょうか。
特に郊外の団地は現実問題として高齢化や住みづらさが問題となり始めています。
20年前ならまだしも、完全にタイミングを間違えている(逃した)と思います。
 
建設費570億円のうち、国からの補助などを除き広島市の負担は289億円です。
単純計算で建設期間の13年で割ると22億円/年ということで、案外小さくみえますがこれに加えて以前も触れたように
設備更新費を毎年2億2000万円を30年間(計66億円)負担しなければならない上、
今年度から建設時の借入金返済が本格化することから市が広島高速交通に対して財政支援を行なっている現状もあります。
現状維持が精一杯ではないかと思いますね。
市道単独整備とバス路線の設定、そして中心部の交通課題解消に充てた方が、より実りを得られると思います。
 
事業判断は”2015年度の早い時期”とのこと。
ふと思ったのが、次の広島市長選挙は2015年の春でしたね。延伸問題が争点になることも考えられます。
冷静に判断したいものですね。


 

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