アストラム西風新都線延伸、異例の勾配8%で検討。

広島市は本日開かれた市議会の特別委員会において、アストラムライン西風新都線延伸の大きな課題となる建設費を削減するため
単線構造とすることや軌道交通としては異例の急勾配となる8%(80‰)での建設を検討していることを明らかにしました。
若林議員のウェブサイトです。
【若林新三WEBサイト】:アストラム延伸、急勾配、単線も検討
 
記事の中にもある通り現状基準となっているアストラムラインの最大勾配は4.5%(45‰)。
伴~長楽寺間、城北~白島間が当てはまります。
 
astram-hakushima.jpg
 
 
8%というとこれの倍近い傾斜となります。いくらゴムタイヤとは言え物凄い勾配です。
現代の車両ですから登坂性能自体は問題ないと思います。
下りや車両故障で立ち往生してしまった場合など、安全に電車を減速して止められるかが一番の課題でしょうね。
車両メーカーに8%勾配にも対応する車両(もしくは機器)を発注するとなれば、そこでまた必要以上にお金がかかりそうです。
 
単線構造での建設というのは妥当だと思います。
54号沿線ほど混みあうこともないでしょうし、実現可能な方法を探るならやむを得ません。
 
6月に西広島の他、新井口、五日市の3つが候補として上がっているという記事が出ていました。
今回このようにして急勾配の話が出てきているということは延伸先としては西広島でほぼ固まっているということですかね。
アストラム延伸検討状況― 「急勾配がネック」らしい
 
 
そもそも私は以前にも書いている通り西風新都線自体に反対です。
アストラム”都心部延伸”で、空洞化食い止めを。
 
消費税増税議論が頻繁に取り沙汰されています。増税を決行して税収が下がれば政府はどのようにして責任を取ってくれるのでしょうか。(ちなみに私は来年の増税には反対です。デフレの状態で増税してもいいことはありません!)
これと同じで西風新都線を整備して想定した様な利用者数が無かったら誰がどうやって責任をとるのでしょうか。
市長も任期が決まっていますし実質責任なんて取りようがないでしょう。(=取る必要はない)
 
消費税増税では税収が上がったか下がったかで、わりと評価はしやすいと思いますが、
交通インフラの場合は、その整備によって新たな人の流れが生まれ人口や商業活動、雇用などを創出していく面があるのでその評価が難しいのも事実です。
完成後の評価期間によっても違ってくるでしょう。
だからこそ長い目で見た場合の本通駅以降の延伸も同じように検討すべきであると思います。
 
高度経済成長時に造成された住宅団地は時が経ち、団地住民の高齢化が全国で問題となっています。
人口が増える保証がないのに今から郊外に住宅団地を拡張していくのは建設費以上にリスクが高すぎるのではないでしょうか。
まだ人口の伸びがある今のうちに”住みやすい平地”に磨きをかけていくべきだと思うのですがね。


 

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