2025年3月24日に広島駅の新しい駅ビル「minamoa（ミナモア）」が開業したのに続き、広島駅から稲荷町電停の間を短絡する路面電車「駅前大橋ルート」と新しい広島駅のりばが、2025年8月3日に開業しました。
広島駅南口は、広島市とJR西日本、広島電鉄の3者が一体となり再整備が進められてきました。
駅ビルオープンと駅前大橋ルートの開業で大きな節目を迎えしたが、事業としてはまだ続いていきます。
広島電鉄は的場町交差点の旧本線と比治山線の一部を活用し、
紙屋町・八丁堀地区と皆実町、広電本社前を経由する循環ルートの運行を予定しており、軌道や電停の改良を行っています。
2026年春の完成予定です。
事業概要と今後の整備
【広島電鉄】：広島駅「駅前大橋ルート」
【広島市】： 広島駅南口広場の再整備等
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駅前大橋線計画図（上記HPより）
駅前大橋ルート切り替えによる『廃線』区間
旧猿猴橋町電停付近です。
正面奥に広島駅ビル「ミナモア」が見えています。
8月に駅前大橋ルートが開業し廃線となったルートです。
電停の設備は撤去されましたが、軌道敷はまだそのまま残っていました。
旧軌道は右にカーブし、荒神橋へ。
猿猴川を渡ります。
従来よりこの荒神橋は幅員が足りておらず、1.5車線のような運用となり
安全面で課題がありました。
現状は軌道の敷石はやレールは一部撤去されており、紙屋町方面の車道には左折専用レーンが追加されすでに使用が始まっていました。
猿猴川の護岸から見える駅前大橋。
的場町付近で進む『循環ルート』開業に向けた準備
荒神橋が接続する的場町交差点です。
かつてはここから直進方向（右奥）に本線、左折方向（左奥）に比治山線が分岐していました。
広島駅方面の路線が廃止された現在、2026年春の開業を目指し、循環ルートの整備が進んでいます。
紙屋町と皆実町などを経由する循環ルートで、的場町交差点に従来なかった
本線と比治山線を往来する渡り線が新設されます。
また、運用上の都合で電停の位置が、進行方向に対して交差点を過ぎた場所に変更します。
本線側の的場町電停。電停の延長は、30m旧の連節車が停まれる長さはありそうです。
これまでは画像右側、信号の手前に電停がありました。これに伴って若干線路の線形も変わるのか、200mほど向こうまでレールが撤去されています。
電停の上屋も設置が進んでいます。
電停上屋のデザインは、駅前大橋ルートに新設された中間電停、松川町と同じ形状となっています。
背板は完全なガラス張りとなりそうですね。
本線側から。
これまで直進して荒神橋を渡っていたわけですが、交差点内の軌道はすでに撤去され、
右にカーブする循環ルートの起動ブロックに置き換えられています。
交差点から、循環ルート皆実町方面ホームを。
こちらの電停の形状は、もちろん先程の紙屋町方面と同じものです。
比治山線側から振り返ります。
これまでとは反対方向となる左方向への軌道が登場した的場町交差点。
循環ルートについては、ルート切り替えにより従来の路線が通らなくなる的場町および段原一丁目電停の沿線利用者の利便性を維持する側面が強く、
個人的には路線全体にとって本当に必要なのか疑問が残ります。現状でもすでに線路容量はいっぱいで、増やせば増やすほど定時運行や速達性確保には阻害要因となります。
広島駅を経由しないので、運行本数等は限定的になるかと思います。
モニタリングや継続的な改善は必須です。
開業後の運用も含めて、注目しておきたいです。
▼今後のスケジュール
| 2025年3月 | ・広島駅新駅ビル開業 ・広島JPビルディング接続デッキ、Cブロック接続デッキ供用開始 |
| 2025年8月 | ・路面電車駅前大橋ルート営業運転開始 |
| 2026年春 | ・路面電車循環ルート営業運転開始 ・Aブロック接続デッキ供用開始 |
| 2028年春 | ・2階にぎわい広場供用開始 |
| 2029年春 | ・南口交通広場（バスエリア・マイカーエリア）の供用開始 （利用可能なエリアから順次オープン） ・Bブロック接続デッキ供用開始 |
（広島市『広島駅南口広場の再整備等 事業概要』（https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/doro-kotsu-kasen/1021408/1005978/1016970.html）より加工して使用）
