広島高速5号線建設工事<広島駅北口> 2018.11 シールドトンネルの現場見学に行ってきました!

広島高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品ジャンクション」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路で、
2021年3月の完成を目指し工事が進められています。
開通すれば、広島高速1,2,5号を介して広島駅と山陽自動車道が専用道路で繋がり
空港リムジンバスをはじめ、広域アクセスの利便性が大きく向上することが期待されています。

1.8kmがトンネル区間となっており、中山地区側から0.4kmは山岳トンネルでは一般的な「NATM工法」が用いられますが、
広島駅側から1.8kmはトンネル直上への住宅の地盤沈下防止のため、都市部などで採用される「シールド工法」が用いられます。

【広島高速道路公社】:広島高速5号線及び関連道路路線図

2018年9月18日からシールドマシンによる掘削工事を始めた広島駅北口(二葉の里)の現場で、
11月3日、トンネル掘削の工事現場見学会が行われました。

トンネル掘削の現場、ましてやシールドマシンを間近で見ることができる貴重な機会です。
誰でも参加可能だったので、期待を膨らませ参加してきたのでレポートします!

前回の状況です。

広島高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品ジャンクション」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路です。 整備されれば広島駅周辺地区と山陽自

 

先日更新した、トンネルの反対側となる中山地区の状況はこちら。

広島高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品ジャンクション」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路で、 2021年3月の完成を目指し工事が進
広島高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品ジャンクション」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路で、 2021年3月の完成を目指し工事が進

受付を済ませ、現場の階段を上り作業ヤードに到着しました!

左手の建屋は土砂や泥水を処理するプラント、左奥がトンネル掘削現場になります。
大きなクローラークレーンはシールドマシンをはじめ関連施設を建設するのに使用されています。

 

まずはパネルなどを使って広島高速やシールドトンネルの規模などの説明を受けました。

トンネルを構築する「セグメント」の現物です。間近で見ることができました。

改めてこの広島高速5号線の二葉山トンネルの掘削で用いられる「(泥水圧式)シールド工法」とは、
円筒形の掘削機が地盤に泥水で圧力をかけながら掘削し、同時に工場で製作したコンクリート製の「セグメント」を組み立ててトンネルを構築す工法です。
自ら構築したセグメントを足がかりに、油圧ジャッキを使って前進します。

従来の発破による掘削を行う「NATM工法」に比べ地下水の流出を防ぎ、地表の地盤沈下を起こしづらいのが大きな特徴です。

 

説明を受け、トンネルの掘削現場に向かいます。

 

ここで見えているのはシールドマシンに付随するもので、発電装置や岩石の破砕装置、運搬装置、運転室などが連結されています。
足元には鉄のレールがあり、トンネルの掘削に合わせて継ぎ足しながら前進していきます。

 

いよいよトンネルの中へ!!

凄い…これは言葉を失いました。

複雑に交差する配管類がここから空中を渡り、正面のシールドマシン本体に繋がっています。
それとは対照的に上下左右の壁面はコンクリートのセグメントによって非常にシンプルな表面で、美しい真円を描いている・・・・・

私にとってはこれは現代の芸術作品に見えました。シールドトンネル大好きです(変態)

 

写真では3割も伝えきれていないと思いますが、ここに立つとトンネルの巨大さに圧倒されます。

階段の大きさと比べていただくと少しでもお分かりいただけるのではないかと思います。
撮影しているのは、直径約13mのトンネルの円のちょうど中心あたり。足元を見ると、約5~6m下にようやく下部のセグメントがあるので、高いところに立っている感覚です。

実際に車が走る道路もこれくらいの高さで、下は避難路になります。

暫定2車線の対面通行で開通するので、簡易の中央分離帯を設置する分、断面は片側2車線よりも大きく取られています。
暫定2車線はとりあえず開通させるだけであれば安く済みますが、将来の4車線化を考えると「効率」は悪い手法です。シールドマシンももう一度発注して建設しなければなりません。

 

頭上にはこのようなクレーンがあります。

先程外で見た「セグメント」はレール上を運搬台車で運ばれ、このクレーンに渡されます。
クレーンから更にシールドマシンに受け渡され、周囲360度はめ込まれていきます。

ちなみに、1日に掘り進められる長さはこのセグメント2リング分だそうです。
セグメント1リングの長さは1.1mなので、1日あたり2.2m伸びていくことになります。

 

シールドマシンをあとにしました。
ヤード内にある防音ハウスの中です。

ここでは掘削した土砂をふるい分ける作業が行われています。
一部は泥水として再処理しシールドマシンに戻り、ほとんどはダンプで搬出されていきます。

トンネル全体で約19万立方メートルの土砂が発生し、2万立方メートル分が再処理され、
残り17万立方メートルは南区出島の埋め立ての他、広島市内の開発工事にも利用されるとのことです。

 

最後に、トンネル出口から見る広島駅方面を。
この先に料金所が設けられ、画像中央左で建設中の「大和ハウス複合棟」脇に降りていくことになります。

貴重なものを見学することができ、ますます高速5号線開通への期待が高まりました。
シールドマシン愛も深まりました(?)

参加者の皆様の関心も高かったようで、たくさん質問されている方もいらっしゃいました。
広島駅と山陽道を直結させる重要な自動車専用道路、「広島高速5号線(東部線)」は、
2020年7月に掘削を終え、2021年3月に開通する予定です。

 


広島高速5号線 広島駅北口インターチェンジ(仮称) 暫定2車線完成予想図(広島高速道路公社HPより)

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