いよいよ駅前大橋ルート開業 役目を終える地上のりば最後の日

2025年8月3日、JR広島駅の駅ビル2階に路面電車が乗り入れる「駅前大橋ルート」が開業します。
2025年3月24日に駅ビル内の商業施設「minamoa(ミナモア)」が開業した後も、
アトリウム空間ののりばや軌道部分の工事が進められてきました。

この新ルートへの切り替えに伴い、現行の地上にある広島駅電停と猿猴橋町電停は廃止されることになっています。
執筆時点で既に最終電車はすでに出発しており、開業以来113年の営業の歴史に幕を下ろしました。

長年夢描いたこの駅前大橋線が現実になるのを前に、これまで数多くの利用者が行き交った地上電停の様子を取材しました。

 

 

市内の買い物、ビジネス、観光の出発点だった『広島駅』地上電停

2階デッキから。

新旧の路線が立体交差する光景。これもまもなく見納めです。

 

地上のりばです。

 

このあたりも新駅ビルの整備に伴い配置や動線がかなり変化しました。
完成後、このあたりはマイカーの乗降スペースとなります。
それらが完成したときにまた見上げてみたいですね。

 

広島駅駅名標。

 

「ありがとう 広島駅・猿猴橋町電停」の横断幕が掲げられています。

 

従来の広島駅電停ののりばは2つ。
中央に近い場所が5号線広島港行きののりばです。

 

先端は高架橋の下部と重なっており、この過渡期しか味わえない独特な雰囲気となっていました。

 

こちらは本線となる八丁堀・紙屋町方面の列車のりば。

 

ひっきりなしにやってくる列車が次々と上手に折り返す様子は名物でもありましたね。
広島市民の買い物やお出かけ、来訪者の観光など、様々なトリップの出発点でした。

改めて見ると狭いですね。先端の方に列車が停車するので、分散乗車がしにくいのも課題でした。

 

広島駅を出発する列車。

2階の新のりばに停車する車両も確認できます。
それらの車両と、多くのギャラリーに見送られて、発車していきました。
最終日のこの日は、やはり多くのファンや一般の方も足を止めて写真を撮る人が多かったです。

 

広島市内とは反対の東の方向に向けて滑り出していきます。

 

ここからぐるっと迂回するように紙屋町方面へ進んでいくのが従来のルートです。

 

狭隘区間を多数の列車が行き交う猿猴橋町

広島駅を出発すると片側1車線と軌道の狭い路地に入っていきます。

 

 

 

出発から1分も経たず猿猴橋町電停へ。

 

広島駅とのあまりの近さに、駅周辺の施設を利用する人が乗降するケースも多く、広島駅の利用者の分散にも実は繋がっていました。
(その分所要時間は伸びます)

電停の背景に、巨大な新しい駅ビルができてくる光景は印象的でしたね。

 

猿猴橋町電停を行き交う電車たち。

 

 

 

終点の手前なので本数は本線上で一番多い区間です。
広島駅のホームが空くのを待ち、電車渋滞がしばしば発生していました。

 

広島駅から猿猴橋電停を過ぎ、荒神橋へ向かいます。

 

 

猿猴川を渡る荒神橋です。
この河川を境に、南区から中区に入ります。(河川を渡った的場町はまだ南区でした。訂正いたします。

 

 

規制上は片側1車線ですが、2車線で通行するのが常態化しており
非常に狭く危険な箇所の一つでした。
廃線後、軌道は撤去され4車線化する工事が行われるとのこと。

 

的場町交差点から、中心部方向を望む。

本線の車両がここを走るのは今日が最後ですが、
左手の比治山方面から奥の中心部方面への渡線をこれから新設し、循環ルートが設定されます。
来年春の運行開始予定です。

 

 

いよいよ芽吹き!明日駅前大橋ルートで営業開始!

冒頭に書いた通り、記事の公開時点で最終電車は出発しており、
長い歴史に幕を下ろしました。

明日から路面電車はミナモアの2階へ。長らく夢描いた駅前大橋を通るルートに切り替わります。

2階の新しい路面電車のりばでは、開業を待つ車両の姿がありました。

 

原爆を絶えた被爆電車、最新鋭の5200形グリーンムーバーApex、JR西日本とコラボしたレッドウィングラッピングの5100形グリーンムーバーmaxが揃い踏み。

ここまで長かった…。
でも計画が決まってからは怒涛のように毎日景色が変わっていきました。

2025年8月3日、広島の都市交通を取り巻く環境が大きく変わります。

 

この横断歩道も2日で廃止。
3日からは路面電車のりば周辺一帯は撤去工事のため入れなくなります。

 

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