広島県と市が折半してつくる広島高速道路公社は、市の東部で広島高速5号線の整備を進めています。
高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品JCT」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路です。
広島高速1号を介して広島駅と山陽自動車道が専用道路で繋がることで、
空港リムジンバスをはじめ、広域アクセスの利便性が大きく向上することが期待されています。
1.8kmがトンネル区間となっており、中山地区側から0.4kmは山岳トンネルでは一般的な「NATM工法」、広島駅側から1.4kmはトンネル直上への住宅の地盤沈下を防ぐため、「シールド工法」が用いられます。
しかしながら、シールドマシンが破損するトラブルが相次いでおり、2027年度上期の開通見通しとなっています。
前回の広島高速5号線レポートです。
広島高速5号線の概要
【広島高速道路公社】:
▼広島高速5号線(東部線)の概要
| 区間(本線部) | 広島市東区温品町~東区二葉の里三丁目 |
| 延長 | 約4.0km ※うち二葉山トンネル 1.8km(シールド:1.4km、NATM:0.4km) |
| 規格 | 第2種第2級(自動車専用道路) |
| 設計速度 | 60km/時 |
| 標準幅員 | 17.5m(暫定2車線時10.5m) |
| 車線数 | 全区間暫定2車線(対面通行 片側1車線) |
| 事業費 | 約1,439億円 |
広島高速5号線については、二葉山トンネルの工法変更やその後の工事トラブルも重なり、
事業費および事業期間の見直しが重ねられてきました。
そのような中、東広島バイパスの全線開通や広島呉道路の4車線化、広島駅周辺の開発の進展などの状況を踏まえ、
見送っていた広島高速2号線と5号線の連絡路の整備を2020年に決定しており、
現在5号線の整備と並行して工事が行われています。
高速5号線の二葉山トンネルは2025年4月に掘削が完了しており、2027年度上期に開通する見通しとなっています。
2号線と5号線の連絡路については、2028年度中の完成見込みです。
【広島市】:広島高速5号線(整備中)について
【中国新聞】:広島高速5号開通 2027年度上期に前倒し 従来は「28年上期」 事業費は150億円増額へ
今回は2号線と5号線の接続点となる、広島市東区温品の「温品JCT」へ向かいました。
一部橋桁が架設された上り線側連絡路
現地の看板に掲示されていた、2号線と5号線の連絡路の完成イメージです。
黄色が高速5号線の本線で、左が広島駅方面になります。
赤色が2号線と5号線の連絡路です。上下両方向に設けられ右下の仁保JCT、宇品・呉・海田方面とを結びます。
10月21日、交差点を通行止めにして連絡路の上り線の橋桁を架設する工事が行われました。
「送り出し架設」により桁本体の本設の位置への移動は完了したものの、問題が発生しました。
【広島高速道路公社】:橋梁架設工事に係る市道通行止めの延期について
【広島ホームテレビ】:広島高速架橋工事を事故で延期 高速5号と2号の連結路 広島
【中国新聞】:広島市東区で4トンの装置が8メートル下に落下 広島高速5号・2号間の架橋工事中 作業員1人けが
送り出し装置の一部である台車を撤去する際に車輪が落下する事故が発生しました。
橋桁ごと落下するような事故には至らなかったものの、作業員の方が指の骨を折る怪我をされたそうです。
なお、工事は現在ストップしているとのこと。
リカバリーは大変でしょうが、原因究明と再発防止の徹底をお願いしたいです。
温品JCTです。
高速1号線と2号線を繋ぐ連絡路の真下から、南の仁保JCT方面を見ています。
横断歩道上から振り返りました。
2号線側から見て、右側にカーブする1号線への連絡路に対し、
左側へカーブする連絡路となる橋桁が架けられています。
これが当該の橋桁ですね。
中山方面への市道の上空に架けられました。
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桁は奥の高速2号線本線に伸びていきます。
反対の高速5号線側。
橋脚も見えていますが、そこまでの線形とは少しずれて仮足場が設けられています。
橋桁はここから送り出されました。
台車が落下する事故が発生したのはこちら側の模様です。
架設した桁の先、高速5号線と合流するポイントです。
雄大で青空とのマッチングが美しい!
以前までは高速5号線の本線を支える橋脚しか無かったはずですが、
2号線との連絡路が接続するための橋脚が追加施工されました。
橋脚には既に橋桁が架設されています。
まだ幅に余裕があるのは、将来的にこのジャンクションから北西の中筋方面とを結ぶ都市計画道路「中筋温品線」との連絡路が想定されているためと思われます。
中筋側から徐々に整備が始まっていますが、ここまで繋がるのにはまだまだ年数が掛かりそうではあります。。
高速5号線本線は、商業施設「フォレオ広島東」の南側をかすめ、二葉山方面に伸びていきます。
既存の高架橋をオーバーパスする下り線側連絡路
続いて、高速5号線から2号線に至る、下り方向の状況です。
高速5号線本線と並行して、複数の橋脚が姿を現しています。
ジャンクション北西側から、下り線連絡路を確認します。
右に進路を変える連絡路は、高速5号線本線をオーバーパスするため登り勾配となります。橋脚の高さが徐々に上がっていくのが分かりますね。
なお、その橋脚に埋もれるように建っている建物が、広島高速道路公社の社屋です。
建設中の橋脚など。
右奥の方向に向かって、高速5号線本線と、1号線・2号線の連絡路をオーバーパスします。
ジャンクションの中央付近から。
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下り線側はまだ下部工の施工がメインの段階でした。
様々な方向に道路が交差する比較的複雑なジャンクションとなりそうです。
高速2号線。
連絡路が接続するポイントです。
橋脚を改修して連絡路が取り付けます。こちら側の変化も見ものですね。
温品JCTと広島駅北口を結ぶ広島高速5号線は、2027年度上期の開通予定、
2号線と5号線の連絡路については、2028年度中の完成見込みです。























