JR可部線の下祇園駅では、広島市とJR西日本による駅の改良工事が行われてきました。
JRは混雑対策として島式1面2線の構造から、上下線それぞれのホームを新設し相対式2面2線に変更、
広島市は、東西自由通路となる跨線橋を整備し、これまで無かった西口をJRとともに新設し、
これらが2024年1月に供用を開始しました。
広島市は引き続き、西口駅前広場の整備やアクセス道路の拡幅工事が進め、駅周辺の安全性と利便性のさらなる向上を図ります。
JR可部線は構造上、抜本的な輸送力の拡大は難しく、ピーク時の混雑は全国的に見ても高い部類に入ります。
中でも下祇園駅は可部線内で最も利用者が多い駅で、コロナ前の1日の乗降客数は11,000人を超えており、周辺の宅地開発が進むに連れ朝ピークを中心に混雑が安全上の課題となっていました。
前回の状況です。
事業の概要
【広島市】:下祇園駅自由通路および駅舎改築事業
(広島市『下祇園駅西口広場等整備について』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/1032/337172.html)より)
駅舎を移設した東口
東口の様子です。
(同じ位置から、2023年11月撮影)
かつての駅舎は解体され、新しい駅舎が北側(可部寄り)に新築されました。
新しい東口駅舎です。
小規模ながらオペレーター対応に対応したみどりの券売機プラスや有人窓口も揃った駅です。
右奥に進んだ場所にエレベーターがあり、改札階と自由通路階にそれぞれバリアフリーで移動することができます。
駅名看板。
足元には、旧駅舎の屋根瓦が保存されていました。
駅名看板が垂直でなく微妙にアールが付いているのには何か意図があるのでしょうか。
2017年に電化復活した可部線の延伸区間には、それぞれの駅のエピソードや特徴を模した駅名標が設置されました。
エントランス横の駐輪場です。
駅舎内、改札付近の様子。
橋上駅舎ではないこと以外は立派な設備です。
島式ホームから相対式ホームとなった構内
改札内に入りました。
かつての下祇園駅は島式ホームとなっており、構内踏切を渡る必要がありました。
利用者と車両の距離が近く、安全上の大きな課題となっていましたが、
相対式ホームとすることでこれを解消しました。
かつての島式ホームはすでに解体され、跡形もなくなっています。
この大きなスペースは運行を止めずに作業した名残となりますね。
東口から入る広島方面のホームの先端に、トイレがありました。
西口から入る下り可部方面には設置されていないようです。
新設された西口と駅前広場の整備予定地
東口から階段を登り、自由通路へ。西口を目指します。
東西をつなぐ自由通路は、幅3.0m、延長63mの屋根付き通路です。
エレベーターも設置され、バリアフリー化に対応しています。
西口駅舎の外観です。
自由通路の階段の奥に、可部方面の改札があります。
改札付近は自由通路レベルまで吹き抜けとなっており、開放感に配慮されれています。
これまで、駅の東西を往来する主動線だった祇園踏切。
駅構内にかつて留置線が設けられていたことから、幅の広い架線柱が残ります。
西口広場の整備で姿を消す可能性もあります。
西口一帯に広がる空間。
現在は仮設の駐輪場などとなっていますが、今後は送迎用のロータリーなど本設の駅前広場が整備される予定です。
2枚目の画像から右手方向、「祇園清心幼稚園」までの区間ではアクセス道路の拡幅も行います。
西口駅前広場は2025年度の完成予定、アクセス道路の拡幅工事は2026年度末の完成予定です。