JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました。
新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2020年から建て替えを進めてきました。
地下1階から9階に、カフェやコスメ・雑貨、中四国最大の飲食店街やシネマコンプレックスなど、およそ220テナントが集積する商業施設です。
9~20階を占める「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」も同時開業しています。
中央アトリウム空間に乗り入れる路面電車は引き続き工事が行われており、
2025年8月3日に開業する予定です。
前回の状況です。
目次
事業の概要
【広島電鉄】:広島駅「駅前大橋ルート」
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
駅前大橋線計画図(上記HPより)
駅前大橋を一部架け替えた高架橋部分が完成!
6月1日、本駅前大橋ルートの高架橋部分が報道陣に公開され、広島市、広島電鉄、JR西日本広島支社のトップが「渡り初め」を行いました。
駅前大橋から広島駅に至るまでの高架橋部分は、”5月に完成した”と伝えられています。
【HOME広島ホームテレビ)】:広電「駅前大橋ルート」広島駅に乗り入れる高架部分を公開 広島
【毎日新聞】:路面電車が駅ビル2階に乗り入れへ 変わる広島駅 高架部を報道公開
【Yahooニュース】:広島駅2階に乗り入れ 路面電車の高架部分が完成 新ルート「駅前大橋線」8月3日開業(テレビ新広島)
橋梁区間は広電の中でも最も急こう配となる4%となることや、地下広場に影響を与えないよう盛土部分には発泡スチロールを用いた「EPS工法」を採用したことなどが伝えられています。
城北通りを横断する高架橋の高欄の内側は、広島駅と同様に折り鶴の「折り」をイメージしているとのこと。
今後、高欄の外側がどのように仕上げられるか楽しみです。
大屋根はどうなる?床面など仕上げはほぼ完成したのりば付近
駅ビル2階「アトリウム空間」です。
案内装置や床面の仕上げはほとんど完成しているように見えます。
空間の中央から駅前通りを望みます。
水面のきらめきを表現した天井は、やはり何度見ても印象的です。
真新しい真っ白な軌道が市街地の方向に続いていきます。
のりばの先端です。
大屋根を支える柱が、白い塗装で仕上げられました。
支柱は早い段階で設置され、そのままのりば部分だけ屋根を掛けるのかと思われましたが、
試運転が始まろうかとする現在になっても設置される様子はありません。
全体の工期は2029年春まであるので、それまでの間で屋根の設置を行っていくようですね。
信号機や門型架線柱が完成した盛土区間
広島駅を出た橋梁、盛土区間です。
駅ビルの意匠と共通性を持たせた門型の架線柱が並びます。
集電するための架線は、駅部分は棒状の剛体架線が採用されていましたが、
城北通りより先の区間は一般的なワイヤー状のトロリー架線が用いられます。
広島駅に進入するための信号機も確認しました。
駅前大橋区間です。
中央分離帯の橋桁を撤去し、路面電車の軌道の橋桁に架け替えられた区間です。
この部分も門型架線柱が並びます。
勾配4%の区間です。
架線が張られた駅前大橋南詰交差点
駅前通りと城南通りが交わる駅前大橋南詰交差点です。
交差点なので、歩道の支柱からワイヤーで架線を支持しています。
上空の架線や支持線が「蜘蛛の巣」と表現されますが、ここについては分岐ではない直線部分の交差点ということもあり、ほとんど目立ちませんでした。
交差点から広島駅方面です。
このあたりの勾配は駅前大橋部分よりもさらに急な4.8%の勾配となっています。
広島駅に向けて坂道を登る軌道です。
自動車が誤って侵入しないよう「進入禁止」のサインが取り付けられました。
その奥、ガラス張りの広島駅ビルに向けて門型の架線柱がゲートのように並ぶ風景が近未来すぎる…
駅前大橋側の横断歩道から。
軌道面には歩行者・自転車も乗り入れ禁止であることを示す標示が設けられていました。
こうした標示を見ると、いよいよ開業するのかと強く実感しますね。
また、この画像でよく分かりますが、レールは振動や騒音を低減するため樹脂で固定されています。
レールそのものはドイツから取り寄せた通常よりも薄型のものが使用されています。
【Yahooニュース】:新駅ビル2階への路面電車乗り入れルート披露…高架区間は約260メートル、近く試運転へ(読売新聞オンライン)
稲荷町交差点方面を振り返ります。
広島駅ののりばで作業していた軌陸車はここに置かれていました。
今回のレポートは以上です。
路面電車駅前大橋ルートは、2025年8月3日に開業する予定です。