広島駅に大鳥居! 完成後の大屋根ライトアップで『おもてなし』演出、2028年度

広島駅南口では、2025年3月24日に広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業したのに続き、広島駅から稲荷町電停の間を短絡する路面電車「駅前大橋ルート」と新しい広島駅のりばが、2025年8月3日に開業しました。

大きな節目を迎えた一方で、歩行者デッキや1階の交通広場など、事業全体の完成は今後も工事が続けられます 。
事業開始から一定期間が経過したことを受け、広島市でこの事業の再評価が行われました 。
着工後の計画変更に伴う事業費の増加もありましたが、事業の妥当性は改めて確認され、「事業継続」の方針が示されています 。

今回は、この再評価の結果を簡単に紹介しつつ、
事業全体が完了した後の広島駅の最終的な姿、特に「おもてなし」を象徴する景観について紹介します。

 

2025年9月の状況はこちら。

広島駅南口では、広島市とJR西日本、広島電鉄の3者が一体となり、南口広場の再整備が進められています。 2025年3月24日に広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開

 

 

事業再評価で示された投資効果

広島駅南口では、広島市とJR西日本、広島電鉄の3者が一体となり、
広域的な交通結節点としての機能強化駅前広場の再整備が進められています。
JR西日本は自社の老朽化した駅ビルを自社で建て替え、ホテルや商業施設「ミナモア」等で構成される新しい駅ビルを完成させました。

これに合わせる形で、広島市、広島電鉄は、紙屋町・八丁堀方面を短絡する「駅前大橋ルート」を整備し、電車のりばを駅ビル2階に移設。大幅な乗り換え利便性の向上を果たしました。
市は引き続き、1階にバス、タクシー、マイカーの乗降場を集約・再配置し、2階に歩行者用の広場や各商業施設を結ぶ接続デッキを整備することで、交通機能の円滑化と歩行者の安全性・快適性を両立させる計画です 。

(2025年8月撮影)

 

これらの再整備に係る事業費(駅ビル除く)は、当初130億円とされていましたが、
2度の事業費増加(大屋根や歩行者の賑わい空間等の整備の追加、資材高騰)により520億円に変わっています。

【広島市】:広島駅南口広場の再整備等の完成イメージと事業費の見直し

広島市とJR西日本、広島電鉄の3者が進める広島駅南口広場の再整備について、 近頃の物価高騰や工法の変更などの影響を受け、 総事業費が160億円増のおよそ520億円となることが分

 

事業再評価では当然これらの事業費アップも考慮し、事業が妥当であるかどうか算出し評価が行われました。

広島市】:広島駅南口広場の再整備等の整備効果について

評価の結果、本事業の費用便益比(B/C)は、事業全体で「1.2」となり、投資額を上回る便益が見込まれることが改めて確認されました 。
JRから路面電車やバスへの乗り換え時間短縮による便益や、歩行者空間の拡充による快適性や交流機会の増大による便益などを定量的に評価したものです 。

多くの関係者や学識経験者と協議・調整した結果が現計画であり、現時点で他の代替案はないことに加え、
広島市が目指す「楕円形の都心づくり」において広島駅周辺地区が「東の都心の核」であり、結節点としての機能性や安全性等を確保しながら世界に誇れる広島の顔となることを目指す必要があるとから、
「事業継続」と結論づけ、計画通り令和10年度の全体完成を目指すこととしています。

 

 

「世界に誇れる『まち』広島」としての演出

再評価の視点の一つで定量的なB/Cに表れない”定性的”な効果として、
賑わい空間の創出や、「まち」としての演出が挙げられています 。

世界に誇れる『まち』広島としての演出は、新しい駅ビルの外観を飾るライトアップです。

(2025年4月撮影)

駅ビル本体については今年春の完成から既に稼働しており、120万都市の玄関口に相応しい重厚感のある姿を見せてくれています。

詳しくはこちら。

JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました。 新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が202

 

こちらは、資料中のライトアップされた駅ビルのイメージパースです。

駅ビルに加えて、現在建設中のペデストリアンデッキや、今後整備が予定される大屋根のライトアップも表現されています。
大屋根は、光の演出によってその優美な曲線が際立ち、訪れる人々を優しく迎え入れる象徴的なデザインとなっています 。

 

また、よく見ると路面電車の高架橋にも意匠照明が仕込まれているようです。
高架橋には9月、側面に折り鶴をモチーフにしたイラストがデザインされました。

(2025年9月撮影)

2025年3月24日に広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業したのに続き、広島駅から稲荷町電停の間を短絡する路面電車「駅前大橋ルート」と新しい広島駅のりばが、20

エールエールA館およびビッグフロントひろしまへのペデストリアンデッキからは、歩行者と同じ目線となる部分だけに、
昼も夜も魅せ方がこだわられているのは良いですね。

 

照明設備は細かく色を調整できるようになっており、別バージョンのイメージも掲載されています。

厳島神社の鳥居を彷彿とさせる赤色のライトアップ。凄すぎる!
ビルの壁面は瀬戸内海を連想させるブルーに彩られ、その中心で赤くライトアップされた大屋根が鳥居のように人々や電車を迎え入れます。

単に大屋根を設けるだけでなく、こうした演出も思い描いた思想があったのですね。
未来的・近代的でありながらほとんどの人に「あれだ!」と想像させる演出が素晴らしいです。
見る人に強烈な印象を与えるのではないでしょうか。

 

南口広場再整備の中心となる新しい駅ビルが開業し、路面電車駅前大橋ルートも開業しました。
大きな節目は迎えたものの事業全体で見通すとまだ道半ばです。
完成したミナモアに立つと、生まれ変わった広島の玄関口の姿に未だに感激しますが、
周辺への賑わいの波及や演出面で本領が発揮されるのはそれからです。

これからも完成まで見届けていきたいと思います。

ミナモア開業後も変わる広島駅南口 今後の整備内容とスケジュールまとめ

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