サカスタ協議会が初会合。もう一度スタジアムを考える。

遅れましたがサッカースタジアムの話題です。今持っている考えを全て書いていたら時間がかかってしまいました。
今回は、たくさんのコメントを頂いたこちらの記事↓の返信がまだできておりませんので、
頂いたコメントに対する私の考えなども合わせながら書いていこうと思います。
サッカースタジアム、来月から協議入り。サンフレ・県サッカー協会は球場跡地で推進へ。
 
まずはこちらの動画をご覧ください。
サンフレッチェ広島が作成し6月6日に公開したサッカースタジアムをアピールするための新しい動画です。
 

 
 
同じ日の6月6日、広島市役所でサッカースタジアム建設に向けて議論する「サッカースタジアム検討協議会」の初会合が開かれました。
 
【中国新聞】:サッカー場検討協が初会合 (以下転載)

 広島市中心部へのサッカー専用スタジアム建設に向けて官民が設置した「サッカースタジアム検討協議会」の初会合が6日、市役所であった。会長に、広島修道大人間環境学部の三浦浩之教授(環境デザイン)を選出。建設地や規模などを議論し、来年秋に最終報告をまとめる。
 
 協議会は市、広島県、広島商工会議所、県サッカー協会の4者が合同で設置。スポーツやまちづくりに詳しい大学教授や競技団体の代表者たち11人が委員を務める。初会合には10人が出席した。
 
 設置4者を代表し、松井一実市長はあいさつで「どの規模でどんな機能を持たせ、どこで整備するのか。広島全体の活性化につながる議論を」と要請。委員の互選で選ばれた三浦会長は「都市の在りようについて、いろんな計画に関わってきた。公平な立場で関わっていく」と述べた。
 
 議論の進め方について、委員から「広島の将来にサッカーをどう位置付けるか考える必要がある」「具体的な図面や収支を検討するには行政の協力が不可欠」との意見が出た。
 
 協議会は月1回のペースで開き、建設地や規模、運営主体などを話し合う。来年3月までに中間とりまとめをし、来年秋に最終報告を市や県、広島商議所などに提出する。
 
 建設地をめぐっては県サッカー協会やJ1サンフレッチェ広島は旧市民球場跡地(中区)を主張する。跡地は市が既に「文化芸術」「緑地広場」を軸に活用する方針を決定しており、協議会が跡地に絞った場合、市は活用方針を再考する。

(ここまで)
 
6日夕方の地元ニュース番組なども見ておりましたが、
やはり旧広島市民球場跡地への建設云々の話は少なくなかったようです。
中でも気になったのが、広島県サッカー協会名誉会長の野村尊敬氏
「旧球場跡地に造るという前提で協議会を進めないとできない」という発言です。
私は以前から中央公園広場への建設を主張し、昨年は松井市長自ら、そしてエディオン会長の久保允誉氏も候補地となると発言しています。(久保会長も中央公園に言及していることをコメントで教えていただきました。ありがとうございます。)
この協議会はどこに建設するかというのは大きな議題の一つであり、野村氏の発言は適切であるとは思えません。
 
サンフレッチェ広島など3者は先日の記事や上の動画の通り、建設地を旧球場跡地ただひとつに限定してしまいました。
 
サッカースタジアムを建設するにあたり避けて通れないのが稼働率や年間集客数の問題です。
サンフレ作成の動画では巨大ショッピングセンターをスタジアムの地下に建設したり、ホテルや高齢者住宅を併設させた例を紹介していますが、
“旧球場跡地ではこういった手法をとれない”ということを忘れてはなりません。
都市公園法の縛りを受けるためです。
都市公園法を受ける区域では、
広場、噴水、遊具、競技場他運動施設、野外劇場、売店、駐車場などなど。
これら以外の施設は基本的に建てることができません。
都市公園法第2条参照
サッカースタジアムそのものなら建築面積で微妙な面もありますが、数年前まで実際に野球場があったわけですから建てられるでしょう。
しかしサンフレ自ら示すような商業施設や宿泊施設は盛り込むことができません。
つまり試合日以外の集客・収入の見込みが不十分であるということです。
都市公園法は今更な話題ではありますが、動画を見てそういう部分が認識できているのかどうにも疑問だったので改めて書いてみました。
 
そしてこれは旧球場跡地に限った話ではなく、私が主張する中央公園も同じく適用を受けます。
旧球場跡地は都市公園法の制約に加えて、地上25m以内という高さ制限(相生通りに面する部分は20m以内)や音量制限等の制約を受ける上、商工会議所や護国神社、PL、青少年センターすべての移転建て替えが前提となります。
(高さ制限に関しては個人的には緩和しても良いのではと思うのですが、原爆ドームが世界遺産であるが故、その可能性は低い…。
音量制限は中央公園も受ける可能性が無いとは言えないが、そういう所を協議会で議論・検討して欲しい。少なくとも旧球場跡地ではこの制限の実績があるということで。)

 
球場跡地にはこういった制約が存在することを念頭に置いた上で、建設地に関しては旧球場ありきではなく広く検討していただきたいなと思います。(球場跡地反対と言ってる訳ではないんです。)
商工センターのサンプラザホール周辺(私の第2希望)や、宇品・出島地区(アクセスの面で賛成しかねますが)など様々あります。
 
 
考え方の転換も必要ではないでしょうか。
秋葉前市長が掲げた年間150万人集客という目標。
これはサカスタにしろイベント広場にしろ文化施設にしろ、何を造っても達成は難しいです。
確かにスタジアムサッカースタジアムの年間で見た集客数は特に少なく20~30万人程度
集客数を飛躍的に伸ばす施設を併設させることも旧球場跡地・中央公園では難しい。
だからこそ中央公園広場と旧球場跡地広場の役割交換なのです。
イベント広場を基本とする球場跡地と、臨場感を全身で感じることのできるスポーツ施設(サッカー専用スタジアム)。
この両輪で中心部に大きな賑わいを創出するという考え方です。
結果的に市中心部に年間150万人もしくはそれに近い集客ができれば成功とは言えないでしょうか?
 
 
ここまで書いたことを踏まえた上で前回頂いたコメントに対する考えも含めながら、私の考えを書いてみると
スタジアム自体は2万5000人収容。(多くても3万人)
マツダスタジアムを全面的に見習い、設備の簡素化、座席種類の多様化。
スタンド下などにレストランや会議室。(場合によっては商工会議所などの受け皿に)
 
建設費を抑えるため何でもかんでも盛り込んで複合化する必要はないと思います。(上記の都市公園法の規制もありますし)
建設地よりも何よりも最終的に一番ネックになるのが費用ですからね。
収容人数に関しても同様で、コメントにはビッグアーチ以上(5万以上)を求めるご意見もありましたが、
現在一試合1万人弱が平均ですし、利便性が良くなって観客数増加が期待できるとはいえ最大でも3万人くらいが妥当ではないかと思います。
(訂正:2013年6月現在、開幕浦和戦(約3万人)を除いて、1万1000~2000人が平均のようです。失礼しました。)
 
災害時、防災機能としての中央公園の機能が削がれてしまうというご意見もありました。
これはマツダスタジアムも同様ですが、こういった競技場はほとんどが広域避難場所として指定されています。
【広島市】:広域避難場所一覧表
↑確かに中央公園も指定されていますね。
広域避難場所の基準を満たすようスタジアムを建設すれば問題ないと思います。
スタンド下の空間を食料備蓄倉庫として使うこともできそうです。
 
紙屋町やシャレオとの一体感を創出し波及させるためにも球場跡地がベストであるというご意見に対して。
確かにその通りです。特に周辺のパセーラやそごうなどは文字通り一体の施設として賑わいは期待できるのですが、
残念ながら年間の集客数ではサッカーはイベント広場や文化施設に勝てそうにありません。
もちろんそのイベントの中身、文化施設の実力にもよりますが
サッカースタジアムではどうしても恒常的な賑わいをつくるのは難しいです。
中央公園までのアプローチは跡地東端に文化施設を建設すると共に南北に伸びる「サンフレロード」を設けて、
基本的な導線とすることはどうでしょうか。
沿道には都市公園でできる限りの売店や飲食施設、休憩施設を集中させると。
もちろんサッカーのない日も公園としての役割を果たすでしょう。
ここは完全に勝手な考えですが体育館脇の辺りから2階レベルに移行し城北通りを渡りスタジアムへ直結、というようなことを考えております。
 
完全に全て答えられたわけではありませんが、このような感じですね。
今度はきちんと返信したいと思います。
 
 
後半になりましたが、こちらの記事も紹介しておきます。
【毎日.jp】広島市にスタジアムを 「将来像」見据え議論 検討協が会合、来秋にも最終報告 (一部転載)

 また現在サッカー場として使用しているエディオンスタジアム広島(安佐南区)についても事務局から報告があった。陸上大会よりサンフレッチェの試合を優先しているとの批判がある▽ピッチとスタンドの距離が遠く臨場感に欠ける▽設備が日本サッカー協会のスタジアム標準を完全には満たしていない▽駐車場の設備が不十分−−とした課題が挙げられた。市スポーツ協会会長の山根恒弘委員は、11年度の同スタジアムの収入1億870万円のうち、6510億円がサンフレッチェ関連であることも明らかにした。

(ここまで)
挙げられている問題はJ1で上位を争うチームにもかかわらず深刻なものです。
サッカースタジアム建設はどうか実現してほしいものですが、後半にあるように移転後エディオンスタジアム(ビッグアーチ)をどう活用していくかも重要な問題です。
2011年度のビッグアーチの収入1億870万円の内6510″万”円(誤字だと思われます)が、サンフレッチェ関連だったそうです。
約6割ですね。
ちなみにこの年の8月に、ミスターチルドレンのスタジアムコンサートがあったようです。(参考
おそらく5万人程度は集客しているものと思われますが、
それでいてサンフレ関連の収入が6割というのは少し厳しい数字ですね。
しかし、「陸上大会よりサンフレッチェの試合を優先しているとの批判がある」との報告や、
サンフレの日程や芝の管理の面で他のアーティストによるビッグアーチでのコンサートが断念されるなどのパターンもあった可能性もあります。
このへんはまた詳しく調べてみたいです。
詳しい方いらっしゃいましたら教えていただけるとありがたいです。
 
 
最後に、こちらの記事。
【中国新聞】:都心の未来 熱い思い WEB de アンケート「旧広島市民球場跡地利用計画」
跡地の活用策で最も多かった意見がサッカースタジアムだったそうです。
少し前の記事ですが、はっきりとしたソースがこちらしか見つけられなかったのでこの記事を紹介しました。
直近のアンケート(eタウンなど)でもサッカースタジアム建設は最も支持された活用策だったと記憶しています。
署名の数にしてもそうですし本当に多くの県民市民の声でもあると思うんですね。
実際の所、造るという結論が出ても財政的にまだまだ道のりは長いでしょう。
だからこそ冷静に、球場跡地かそもそも造らないかという極端な議論ではなく
もっと柔軟な意見が交わされる協議会となっていただきたいものですね。
 
大変長くなりました。以上です。
 
 
 
【続き】:議論の入口
コメントはこちら↑にどうぞ。


 

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