JR西日本の真鍋社長「広島駅ビルの建て替えは、まだ時間が必要。」

もうご存じの方も多いと思われますが、21日の中国新聞朝刊にJR西日本の真鍋精志社長の単独インタビュー記事が掲載されました。
この中で今後注目される広島駅ビルの建て替えについては、
”現時点で何も決まっていない。新線を敷設することが難しい現在、既にあるネットワークをどう繋ぐかが大切で、ビルの建て替えは次の段階だ。
この問題は10年くらいの時間が必要だろう。”

と述べました。
 
【中国新聞】:JR西日本の真鍋精志社長に聞く
 
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(2013年7月21日付 中国新聞朝刊紙面より)
 
 
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高架案イメージ(広島市HP検討委員会資料より)
 
 
ここ最近の広島駅周辺の再開発が余りにも勢いがあっただけに10年という期間は少し残念ですね。
しかし冷静に見ればJRとしてはこれから広島への投資が集中しますし、駅前大橋線そのものの開業時期もはっきりと明らかになっていません。
現実的と言えば現実的でしょう。
 
“逆に”このことによって駅前大は戦線のスケジュールはどう影響するかというのは非常に気がかりです。
広島駅南口広場再整備に係る検討委員会では先月、
駅ビル敷地を活用した路面電車高架案
が最も望ましいという判断を下しました。
広電駅前線、検討委員会が高架案でとりまとめ!
 
JR西日本の前広島支社長の杉木氏は、
「既存のビルのまま壁をくりぬき、路面電車のターミナルを整備するのは強度面で対応できない」
という発言をしており、事実上駅前大橋線と駅ビル建て替えはセットとなっていました。
「10年」が完成まで含めて10年なのか、事業着手に10年なのかにもよりますが(おそらく後者か)
駅前大橋線の開業も伸びてしまう可能性も否定できませんね。
 
私は以前より、“少し時間はかかってもJR、市、広電が協力して、全てが一体的な結節点を造るべき”
と主張してきましたが、さすがに今後10年(+建設期間)駅前線が実現しないとなれば話は別です。
 
駅前線も先日の高架方針決定からようやく地元への説明が始まろうとしています。
駅ビルを全く考慮しないとすれば、まだ開業には5年程度はかかるでしょう。
もし路面電車だけ先行整備し、駅ビルの完成までは仮設ターミナルで対応するとなればそれでいいのですが、
それが物理的に可能かどうか…。
 
先ほど書いた通りJRとしては広島地区に対して、
新型車両と新保安システム導入、それに広島駅改良、白島駅新設、鉄道病院建て替えなどが立て込みます。
あまり「あれもこれも」とは言えないのが現状です。
駅前線の件は今後広島市の動向も含めて注目していきたいです。
 
 
 
“順序として、まず駅北側のビジョンがほしい”
これまで駅前線に関して書いてきましたが、この言葉のようにJR側としては
広島支社ビルのある北口二葉の里地区の整備を優先させたいようにも捉えることができますね。
 
201303futabanosato-1.jpg
JR西日本広島支社(二葉の里地区)
 
こんな発言もありました。
JR支社長、二葉の里地区の広島支社ビルは「建て替えが前提」
 
 
広島鉄道病院の建て替えを決定したのもそうした思惑があってのことだったのではないかと思えてきます。
二葉の里地区は先日、イケアを含む1~3街区の売却が決まりましたが、
以前区画整理中の4,5街区の売却先が決まるのはまだ1年ほど先になります。
ここももちろんですが、これらも含めた北口全体の方向性を広島市が示していくのも必要でしょうね。
 
北口はイケアの進出によりこれまでにあり得なかった二葉の里方面への新たな人の流れが生まれます。
それを取り込む形で5街区に新たな商業施設や文化施設が必要だと個人的には思います。もちろんオフィスも。


 

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