広島市は、中区の「広島市中央図書館」を広島駅南口の商業施設「エールエールA館」に移転させる方針であることが分かりました。
広島市の中央公園の再編の一環で、中央図書館とともに隣接している「映像文化ライブラリー」とこども文化科学館の中に入る「こども図書館」がエールエールA館に集約されることになります。
従来から施設の老朽化を受けて集約や移転が検討されており、JR広島駅周辺エリアも候補地の一つとして検討が行われていました。
現在の広さを維持したままの移転となれば、3フロア以上が必要となります。
核テナントの福屋は誘致に賛同しており、移転検討もエールエールA館側から要望したと報じられています。
中央図書館の『エールエールA館』への移転方針が固まる
【中国新聞】:広島市中央図書館、広島駅前のエールエールに移転へ
”広島市は、中央図書館(中区)をJR広島駅前にある商業施設「エールエールA館」(南区)に2025年度にも移転させる方針を固めた。”
”A館を管理運営する第三セクターの広島駅南口開発(南区)が市に図書館の移転検討を要望していた。”
”福屋も誘致に賛同しているという。”
(上記中国新聞HPより抜粋)
競争激化する広島駅周辺への文化施設は新たな選択肢
そうきましたか・・・。
広島駅周辺エリアで図書館を誘致できるような市有地もしくは市が関与できる土地は無いと思いこんでいましたが、ありましたねここが。
エールエールA館を運営する広島駅南口開発株式会社は広島市の第三セクターです。
中央図書館の集約移転とその候補地に広島駅周辺も検討していることが報じられたのが、今年の9月でした。
今回の記事を読む限り、移転はすでに決定したようです。
このスピードなので、9月の時点で水面下ではほぼ決定していた可能性もありますね。
【公式】:広島駅南口開発株式会社
(上記公式サイトより)
広島駅周辺エリアへの文化施設の誘致。これ自体はいいのですが、
移転先となるエールエールA館、その核テナントとして入る百貨店の福屋は店舗面積を大幅に減らすことになります。
現在と同等の床面積を確保しようとすると3フロア以上必要になるとも報じられています。
”中央図書館と同じ建物内にある映像文化ライブラリーと、近くのこども図書館とともに移す計画で、3施設の延べ床面積の合計は約1万平方メートル。A館は地下2階、地上12階建てで、1フロアの面積は約3500平方メートル。今の広さを維持したまま移転すれば、3フロア以上が必要となる。”
(上記中国新聞HPより抜粋)
福屋自身は誘致に賛同しているとのことなので、近い将来、広すぎる床面積を持て余すようになるよりは、年間約39万人という「集客力」がある中央図書館にはむしろ期待しているのかもしれません。
2025年春には新しい駅ビルが開業し、広島駅エリア内での競争は激しくなることが予想されますが、商業施設としての機能が薄める図書館の移転は少し複雑に思います。
個人的には、ひろしま美術館と隣接するエリアは「文化エリア」として、中央公園敷地内での再整備が望ましいのではないかと思っていました。利用者が普段使わない蔵書スペースを土地の狭い広島駅エリアに設けることが単純にもったいないという理由もありました。
しかし、広島駅エリアに公共の文化施設が少なかったのも事実です。
2025年春の新駅ビル開業により、都心の商業施設の競争はさらに激化することが予想されます。
核テナントも賛同し運営会社が要望しているとのことなら受け入れる他ないですね。
利用者にとっては広島市の玄関口である広島駅から雨に濡れずに来ることができるので、
利便性は非常に高まります。
また、以前報道にあったように、中央図書館が移転した跡地には、”音楽ホールなどの文化芸術施設を検討”する事になっており、その実現の可能性も少し高まったことになります。
将来的に広島市にとってプラスになる判断であることを願いたいですね。
以前の報道によると、2022年2月頃には具体的な案が示されるとのことなので、それを待ちたいですね。