広島県と市が折半してつくる広島高速道路公社は、市の東部で広島高速5号線の整備を進めています。
高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品ジャンクション」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路です。
広島高速1号を介して広島駅と山陽自動車道が専用道路で繋がることで、
空港リムジンバスをはじめ、広域アクセスの利便性が大きく向上することが期待されています。
1.8kmがトンネル区間となっており、中山地区側から0.4kmは山岳トンネルでは一般的な「NATM工法」、広島駅側から1.4kmはトンネル直上への住宅の地盤沈下を防ぐため、「シールド工法」が用いられます。
しかしながら、シールドマシンが破損するトラブルが相次いでおり、2022年度としていた開通時期が延期となりました。
現時点での新たな開通時期は示されていません。
前回の広島高速5号線レポートです。
【広島市公式ホームページ】:広島高速5号線事業について
【広島高速道路公社】:広島高速5号線及び関連道路路線図
上記の令和4年9月19日時点の進捗状況を見ると、前回のリンクに載せていた4月時点に比べ若干前進したように見えます。
芸備線をアンダーパスする空間を確認
中山小学校前の様子から。
水路の横が大きくアスファルト舗装されたのは前回4月の更新時に確認しました。
奥から踏切方面に向かう県道は直進して画像右側の方に抜け、高架下で地下に潜り芸備線をアンダーパスします。
以前撮影した模型の画像を載せておきます。(右上あたり)
芸備線の現在の踏切の方向です。
門型の橋脚の間に、芸備線をアンダーパスする県道が整備中です。
踏切の横に当たる芸備線の線路を見てみます。
芸備線の線路はアンダーパス工事のため橋梁構造に昨年付け替えられました。
こうしてみると、前後の区間が開削されて大きな空洞になってきているのがハッキリと確認できるようになりましたね。
まだ土留壁を支保工が支えている状態なので、これから擁壁工事が進むとアンダーパスの全貌が分かるようになってきます。
中山ICに繋がる新交差点予定地
先程のアンダーパスからトンネル方向に歩みを進めます。
離れかけた高速本線とを再び近づけるアクセス道路が形になりつつあります。
トンネルの手前に設けられる中間IC、「中山IC」に繋がる交差点の予定地に至ります。
車道の縁石が敷設され、ランプウェイの形が徐々に見えてきましたね。
交差点予定地から踏切方面。
こちらも車道を形作る縁石が配置され、輪郭が見えてきました。
先程のアンダーパスを抜け、地上に上がってきた県道が、
高速本線と同じ向きで交差点に繋がります。
先程紹介したように、直進方向は高速中山ICです。
これまでのように一般道で広島駅に向かう交通は、この交差点を左折することになります。
広島駅北口が終端となる当面の間は、この間のみ高速を利用するにはコスパが悪く、
ほとんどの車はこの交差点を左折するような流動になると思われます。
事故等で通行止めになった場合の代替路としては有用なのですが、
本領が発揮されるのは「東部線(5号線)Ⅱ期」と呼ぶ、”広島駅北口~高速4号中広IC間”、さらには”高速4号中広IC~高速3号接続”の整備が実現してからでしょう。
アンダーパスを抜けた車が左折した方向。広島駅方面(大内越峠)です。
画像左方向にカーブしている県道に繋がります。
今回の更新は以上です。
外からは見えないトンネル工事、しかも難航しているということで、
今は中山踏切の立体化やIC周辺の整備状況が中心の内容となります。
機械トラブルによる開通延期は非常に残念ですが、仕方ありません。
しばらく止まったままだったトンネルが少しでも前進したのを確認できただけでも少し嬉しくなりました。
今後も安全で確実な工事の進行を願いたいです。