JR広島駅南口再整備 2025.12(Vol.108)<路面電車編> 2026年循環ルート開通!的場町電停の整備進む

2025年3月24日に広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業したのに続き、広島駅から稲荷町電停の間を短絡する路面電車「駅前大橋ルート」と新しい広島駅のりばが、2025年8月3日に開業しました。

広島駅南口は、広島市とJR西日本、広島電鉄の3者が一体となり再整備が進められてきました。
駅ビルオープンと駅前大橋ルートの開業で大きな節目を迎えしたが、事業としてはまだ続いていきます。

広島電鉄は的場町交差点の旧本線と比治山線の一部を活用し、
紙屋町・八丁堀地区と皆実町、広電本社前を経由する循環ルートの運行を予定しており、軌道や電停の改良を行っています。
2026年春の完成予定です。

 

前回の状況です。

2025年3月24日に広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業したのに続き、広島駅から稲荷町電停の間を短絡する路面電車「駅前大橋ルート」と新しい広島駅のりばが、20

 

 

事業概要と今後の整備

【広島電鉄】:広島駅「駅前大橋ルート」

【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等

駅前大橋線計画図(上記HPより)

 

上屋の仕上げが続く的場町電停

的場町交差点から、比治山下方面を望みます。

 

循環ルート外回り用の停留所となります。

 

前回よりお伝えしているように、従来の電停配置を変更し交差点を通過した後に停留場が設けられる様になりました。

かつては右側に電停がありました。

 

外回りの新電停。
以前は部材の素地が剥き出しでしたが、他の電停と同様にブラックに塗装されました。

 

発車案内装置も設けられています。小型のLCDタイプかと思いましたが、
よく見ると「電車がきます」という接近情報のみお知らせするタイプのようです。

今のところ、これ以外に設置する器具などは見当たりません。
未知数の新ルートですから、需要を見ながらスタートさせるということでしょうかね。

 

こちらは内回り・紙屋町方面ホーム。

 

こちらも黒に塗装されました。
この場所は荒神橋に向けて比較的急な勾配がついています。
それに対して電停の上屋は水平で設置されているため、足元の勾配がどれくらいついているのかが視覚的に分かりますね。

 

内回りホームから外回りホームを。

駅前大橋ルート開業前は左奥の広島駅方面に向けて、こちら側の本線と奥に見える比治山線が合流していく軌道でしたが、
廃止に伴う循環ルートの設定で本線(旧)と比治山方面を行き来する軌道に置き換えられました。

 

内回りホームから。

奥が紙屋町方面。
こちらも、かつて向かい側に広島駅方面の停留場がありました。

 

的場町電停から紙屋町方面や約300m。
稲荷町電停の循環ルート専用の運用となるホームです。

こちらはまだ土台が更新された段階で上屋の設置は進んでいませんでした。
先程の的場町新電停や稲荷町の比治山線側電停と同じ仕様となると思われます。

 

 

ミナモアから、廃止された猿猴橋電停付近を眺めました。

南口広場内ではペデストリアンデッキの整備が大胆に進む一方、
廃線となった猿猴橋町付近は電停の上屋が撤去された程度でまだ従来の軌道などはそのまま残されています。
軌道敷を撤去し歩道を拡張する計画がありますが、本格的な撤去工事や整備は来年度以降となりそうですね。

 

2025年は、広島駅の新しい駅ビル「ミナモア」の誕生、そして悲願の路面電車駅前大橋ルートの開業という歴史に残る一年となりました。
ミナモアの中心に設けられたアトリウム空間は、様々な目的を持って訪れる人々が各種交通モードで広がり、また集まってくる「結節点」を象徴する場所かと思います。

ただ、ハード面がこうして大きく進歩した一方で、
PASPYの廃止を発端とした、広電が推進した新乗車券システムの迷走という大きな課題も残しました。

来年度には、モビリーデイズの読み取り機でのICOCA利用が開始されることが決まっていますが、
PASPY時代のように事業者間を意識せず利便性の高いサービスを提供できるかどうかは、引き続き検討や調整が必要です。

昨今、世の中では大都市から地方まで、公共交通機関におけるクレジットカードのタッチ機能を用いた直接決済が一気に普及しました。
決済システムの維持にかかるコストが莫大でありここの改善が急務であることは理解しますが、
自社の押し付けばかりでは利用者に見放されてしまうことにもなりかねません。

2026年は今回取り上げた循環ルートが供用開始し、南口広場再整備の検討の中で計画された路線が全て開業します。
モニタリングと改善を続けながら、利用者目線でもっと理想の状態に近づくことを期待したいです。

 

▼今後のスケジュール

2025年3月 ・広島駅新駅ビル開業
・広島JPビルディング接続デッキ、Cブロック接続デッキ供用開始
2025年8月 ・路面電車駅前大橋ルート営業運転開始
2026年春 ・路面電車循環ルート営業運転開始
・Aブロック接続デッキ供用開始
2028年春 ・2階にぎわい広場供用開始
2029年春 ・南口交通広場(バスエリア・マイカーエリア)の供用開始
(利用可能なエリアから順次オープン)
・Bブロック接続デッキ供用開始

 

(広島市『広島駅南口広場の再整備等 事業概要』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/doro-kotsu-kasen/1021408/1005978/1016970.html)より加工して使用)

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