2023年8月末に営業を終了した、そごう広島店新館跡の活用について、
建物を所有・管理するNTT都市開発より新たな商業施設のコンセプトが明らかにされました。
旧そごう新館跡と既存の「パセーラ」を含めた一帯を新生「パセーラ」として統合し、遊びや飲食等の”コト消費”の提供を目指したエンターテイメント性のあるテナントや、ライフスタイル提案型テナントを組み合わせます。
また、既存のパセーラの屋上庭園「スカイパティオ」についても、大型モニターや親水空間を新設するなどのリニューアルを行います。
2025年度以降に順次オープンさせる計画です。
【NTT都市開発】:基町クレド(そごう広島店新館跡)が新しく生まれ変わります!~広島市都心部「紙屋町・基町エリア」に新生『パセーラ』が誕生~
(上記資料より)
旧そごう新館は、NTTクレド基町の商業棟にあたります。(宿泊棟の運営をリーガロイヤルホテルが担う)
営業を続けるそごう本館と連絡通路で繋がる6階をベースとし、高層ゾーンには遊びや飲食等の”コト消費”の提供を目指したエンターテイメント性のあるテナントを誘致、
低層ゾーンには日常・非日常を彩るライフスタイル提案型テナントの集積を目指すとのこと。
旧そごう広島店新館(2018年11月撮影)
具体的なテナントの発表はまだ無かったものの、基本的な活用方針が示されました。
注目は6階以上のフロアを構成する体験型エンターテイメント性のあるテナント。
単なる買い物ではなく、ここで時間を過ごすことの価値を生み出すことは、ネットで何でも手に入る今の時代、大きな求心力になります。いわゆる「コト消費」です。
特に紙屋町で、そうした屋内施設は不足していました。
屋外に広げると、同じくNTT都市開発が手掛けた旧広島市民球場跡地「ひろしまゲートパーク」が該当するかと思います。
イベントの有無に関わらず一定の人が訪れ散歩や飲食をしている”成功事例”です。
屋内型コト消費で思いつくものとしては、西風新都の「THE OUTLETS HIROSHIMA(ジ・アウトレット広島)」の1階にあるスケートリンクやVR体験施設が近年では人気です。
ラウンドワンのような施設も考えられます。
期待を込めたものでは、子供向けの職業体験アミューズメント「キッザニア」をも挙げる意見もありますが、
東京・大阪・福岡の3都市のみの展開に留まり、ましてや大阪・福岡という比較的近い都市にあることを考えると、
広島へのオープンのハードルはかなり高いと思われます。
トレンドに左右されそうなものではありそうですが、どのような仕掛けをしてくるか非常に楽しみです。
パセーラ屋上庭園「スカイパティオ」のリニューアルは嬉しいですね。
現状でも開放されており、広場に面する飲食店のテラススペースになっていたりしますが、
いまいち影の薄い存在でした。
広島城やひろしま美術館、中央公園の一部が見渡せます。
7月下旬に「Night View Beer」というイベントを3日間限定で行っ、ていましたが、このための布石だったのですね。
幅広くイベントに開放できる空間となり、夜はパブリックビューイングなどルーフトップバーのような使い方ができる空間になれば面白いです。
施設を手掛けるNTT都市開発は、近年広島市中心部への関与を強めています。
Park-PFI制度における民間事業者として、旧広島市民球場跡地「ひろしまゲートパーク」、サッカースタジアム東側の中央公園東側の整備、広島城三の丸整備等事業を手掛ける他、
広島県庁の駐車場を転用・活用した賑わい創出を行う「広島県庁舎敷地有効活用事業」の事業者に選定、
広島八丁堀3・7地区市街地再開発事業の事業協力者にも加わりました。
いずれも相生通りの北側に集中しています。
バスセンターも隣接する基町クレドはその中心として、東西南北に賑わいを波及させる存在として、令和のアップデートに期待がかかります。