商工センター『広島サンプラザ』にコンベンション施設を。地元が提案

胸が高鳴るニュースです。

広島市西区の商工センター地区の卸業者らでつくる「広島総合卸センター」が、
多目的ホール、結婚式場・宿泊施設などを備える「広島サンプラザ」
大きなイベントや会議が開ける西日本最大級の展示施設に再開発すべきだとする提案書を広島市に提出しました。

【中国新聞】:サンプラザ一帯再開発を


(2017年2月2日付 中国新聞朝刊紙面より)

 

対象とするのは、大きく分けて2箇所で、
一つは現在の広島サンプラザと隣接する西部埋立第五公園がある街区。
公園まで一体的に整備するものとし約1万1,000平方メートルの展示場や、体育館、ホテル、立体駐車場が盛り込まれます。

もう一つはそこから南東に立地する「広島市中小企業会館」。
こちらも隣接する西部埋立第六公園との一体的な整備とし、屋外イベントも開催可能なテニスコートや平面駐車場にするとしています。

屋外も含めて展示場として使用できる全施設の面積は2万5,000平方メートルで、西日本最大級という内容です。
事業費は数百億円を見込みます。

 

国際的に高い知名度を誇り、政令指定都市になって40年経とうかという広島市にずっと不足していたものが、
こういったメッセ・コンベンション施設です。
かつてバブル期に宇品の出島地区に計画されたものの、バブル崩壊とともに凍結状態となりました。

現状広島市内には、提案書に取り上げられている広島市中小企業会館や、
南区国道2号線沿いの広島県立広島産業会館などがありますが、
いずれも規模としては大きいものではなく老朽化も進んでいます。

県立総合体育館「グリーンアリーナ」でも、先日の輸入車ショーを始めとしイベントやコンサートは行われています。

これは2015年の輸入車ショーの様子ですが、この通り車と人がひしめき合ってギュウギュウです。
台数が多いことは嬉しいですが、すでにキャパが足りてないように思います。

加えて、今年初めの記事で、この様な問題も浮き彫りとなりました。

【中国新聞】:コンサート日数の制限緩めて

コンサートとイベントは少し違うかもしれませんが、
グリーンアリーナを管理する広島県教育事業団はあくまでスポーツ施設である同施設に対して
入場料を取る有料の興行日数を指定管理期間の5年を通じて「10%以下」という基準を設定しています。
施設の一部だけを使う利用を含め、グリーンアリーナの稼働率は94%と非常に高い状態となっており、
これにより有名アーティストのコンサートなどの開催が限られて、
全国主要都市ツアーで広島が含まれない、いわゆる「広島飛ばし」が起きています。

新しいハコが誕生すれば分散効果もあり、開催機会も増えると思いますし、
大展示場を利用した屋内フェスのようなものも新たに生まれるかもしれません。

 

いわば広島に新たな求心力を生み出す器。
大量輸送機関のJR駅とも直接つながり、市内中心部では実現できない広さを持つ本格メッセコンベンション施設の整備には大いに賛成です。

今回、広島総合卸センターが広島市に対し、この様な施設の”提案”を行いました。
松井市長は「まちづくりの参考にしたい」と述べていますが、現在のところ広島市にはこうしたコンベンション施設の整備は、検討すらされていません。
広島駅周辺の再開発が進行中で、アストラムラインの延伸、膨大な既存道路設備の維持管理、
サッカースタジアム問題も新たに加わる中、新しいハコの整備は後回しになるのは理解できます。
収益性、持続性を慎重に検討する必要はありますが、
サンプラザや中小企業会館も間もなく更新しなければならない時が来るのも事実です。
新たな求心力を生み出す今回の提案を、広島市は是非前向きに検討してほしいです。

 

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