地元ベーカリー企業のアンデルセンは、広島の商業の中心軸、中区本通商店街の中で営業を続けていた、
「広島アンデルセン」の建て替え工事を行うことにしています。
今年6月、被爆建築である現在の建物の外壁の一部を残し、新たな店舗ビルのが外壁に使用する方針を明らかにしました。
建物は2020年8月の開業を目指し、7月から解体工事を始めると公表されました。
これまでアンデルセンの写真はほとんど撮影していなかったため、解体工事が本格的に始まる前の、最後の姿を残しに現地に行ってきました。
【アンデルセン・パン生活文化研究所】:広島アンデルセン 2020年8月オープンに向けて建て替え工事着工
イメージ図と同じ角度から、現状の建物外観です。
毎日多くの人が行き交う本通商店街の紙屋町側に近い、「本通り7番交差点」に面しています。
被爆部分は手前側で、左奥は戦後増築された部分です。
店舗ロゴと、広島市のプレートなど。
ご覧の通り、当時「帝国銀行広島支店」として使用されていた建物です。
爆心地側の北西の壁は崩れ落ちたそうですが、爆風を受けた反対側、つまり今回保存され移植される南東側の壁は現在でも形を残す被爆建築となりました。(北東側=商店街面も被爆外壁)
改めて、北東側の外壁です。
西洋風の石造りで非常に重厚な外観となっています。
南東側に移動してみました。
南側は戦後増築された部分であり、商業ビルらしさが出ています。
建て替えるビルには、この南側に200平方メートル開放空間「ポケットパーク」を設け、飲食スペースやイベントなど市民の憩いの広場として使用されることになっています。
ここから本通商店街方面を望みます。
アンデルセンと路地を挟んだ東側には、地主だった多山文具と渡部陶苑が共同で建てたテナントビル「本通ヒルズ」が2007年に完成しています。
元のの2店舗のほか、1,2階には中四国最大規模のアディダス直営ショップ「アディダスパフォーマンスセンター」が店を構えています。
変わってこちらは交差点北側です。
商店街を挟んだアンデルセンの北側には、2012年、老朽化した元の建物に代わる「TamayaBLD」が竣工し、
1~3階まで「タリーズコーヒー広島本通店」がオープンしました。
本通りではここの他にも近年老朽化したビルの建て替えが行われています。
本通りは歴史や文化を継承しつつ、この先も求心力を持った地区であり続けてほしいです。
広島アンデルセンは今後解体を進め、2019年2月着工、
2020年7月竣工、2020年8月オープンの予定です。