広島駅リニューアル工事 2019.03 地下通路の美装化完了! 今後も続く改良

広島市、JR西日本、UR都市機構は共同で、JR広島駅の大規模改良工事を進めてきました。
①南北自由通路の整備、②橋上駅舎・線路上空店舗の建設、③駅北口ペデストリアンデッキの整備、④北口広場の再整備etc.
これらを一気に整備する”50年に一度”と言っても過言ではない大型プロジェクトでした。

現在はエキナカ商業施設「ekie」の店舗開発が主に進められており、
2018年9月6日には第3期エリアとして、主に新幹線高架下のエリアにおみやげや軽飲食をメインとした48のお店がオープンしました。
最終期となる第4期エリア(旧新幹線名店街)は、2019年秋のオープンに向け、改装中となっています。

前回の状況です。

広島市は、JR西日本とUR都市機構と共同で、JR広島駅の大規模改良工事を進めてきました。 ①南北自由通路の整備、②橋上駅舎・線路上空店舗の建設、③駅北口ペデストリアンデッキの整備

まずはちょっとしたご紹介から。

この広島駅自由通路・橋上化プロジェクトが、一般社団法人 鉄道建築協会が定める
2018年度の「鉄道建築協会賞」の特別賞に選ばれました。

【一般社団法人 鉄道建築協会】:特別賞:広島駅自由通路・橋上化プロジェクト


(上記HPより)

 

鉄道建築に与えられる賞の中でも最高位に当たる賞のようで、非常に名誉なことですね。
広島市が専門家を集めデザイン会議まで開いた結果、そしてそれを日々の運行に影響を与えないよう工程を工夫して実現させた関係各位の賜物です!

それにしても、誰も人が歩いていない状態で、すべての照明が点灯した広島駅の姿が美しいです。
普段は「利用してもらう」方の建築物が、主役になる風景は大好きです。

 

ところで、上記のページによると、このプロジェクトの工期は
平成24年4月~平成30年6月
(2012年4月~2018年6月、約6年に及ぶ工事)
と記載されています。

この賞に応募したのは、
”西日本旅客鉄道(株)大阪工事事務所 広島市 独立行政法人都市再生機構”
工事の実施主体です。

これまで我々外部から分かり得る工期が曖昧で、個人的にekie第4期のオープンまでを一連の工事の区切りに位置づけていましたが、この工期を正式なものと捉えることとします。
これに伴い、広島駅リニューアルに関する当連載記事のタイトルから、「広島橋上駅新築工事」の正式名称を外すことにしました。
これまで108回の更新(工期内では104回の更新)にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

さて、自由通路建設と橋上駅化工事が終わったあとも続く、広島駅ナカのリニューアル工事、及びその他変化をこれからも紹介していきます。

まずは昨年から行われていた在来線改札内地下通路のリニューアル工事です。

 

 

薄暗く、壁面も老朽化していた地下通路を美装化する工事で、昨年11月から通路の半分が通行可能になっていましたが、
予定通り、2018年度内に全てのリニューアルが完了しました。
メイン動線は自由通路のある2階に移り、人通りは少ないことを考えると、十分すぎるくらいの内容です。

北口改札へ上がる階段付近はそのままですが、ここに取り掛かるのはまだ先でいいでしょう。

 

その北口改札付近の状況です。

 

 

改札を出て左手の、旧「新幹線名店街」のエリアは、「ekie(エキエ)第4期」エリアとなっており、
2019年秋のオープンに向けて工事が続いています。
第4期エリアは、通勤・通学客や、出張で訪れた人などが広く利用できる、食料品ニーズに対応した店になる予定です。

 

変わって在来線ホームに移動しました。
線路内に目につくのがこちら。

 

これまで見られなかった、列車制御用のボックスや地上子が確認できます。
広島地区で運用を予定する新保安システム「D-TAS」用のものと思われます。

本来、この春(2019年春)から山陽線広島地区全線で運用を始める予定でしたが、
昨年7月の豪雨災害により2020年春に延期されています。
詳細はこちら。

【JR西日本】:山陽線 白市~西広島間の「D-TAS」使用開始時期の延期

来春の本格運用に備え、昨年できなかったテストがこれから始まっていくと思われます。

 

広島駅といえば、先月我々が待ち望んだJR駅ビルの建て替えに関する公式発表がありました。

広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、15日共同で会見を開き、 検討を進めてきたJR広島駅南口広場再整備事業に関し、建て替えられる新しい広島駅ビルの概要とイメージパースを公開しま

シネコンを含む大型商業施設や、地上20階・高さ100mのホテル、そして2階に高架で乗り入れる路面電車など、
一連の広島駅リニューアルの総仕上げ、最終章にあたる内容です。

この発表を受け、改めて現在完成している橋上駅舎を収めてきました。

1番のりばから見上げる橋上駅舎。
駅ビルの建て替えを見据え、ホーム上を覆うのは2番のりば上空までとなっており、
その躯体には将来駅ビルとの直結にも対応できるよう、鉄骨が張り出しています。

 

1番のりばの自由通路の真下付近。

 

 

以前は南口改札があった付近です。
他ののりばと比べ、明らかに目隠しや美装化が最低限のレベルに抑えられており、
これも将来駅ビルと一体化するためであると予想できます。

見上げて、この2階のすぐ近くまで路面電車が乗り入れてくることの壮大さには、改めて驚きです。

 

1番のりばの岩国方から、橋上駅舎を振り返ります。

こちらも、鉄骨が張り出す箇所があります。
方角でいうと西側に当たりますが、イメージ図によると、こちら側に20階・400室の「ホテルヴィスキオ」が予定されており、その付近に接続されるエリアになると思われます。

造ったばかりの躯体をどこまで利用するのか、あくまで別棟のような形態になるのか、まだ想像できません。

一段落ついたかに見える広島駅の開発、まだまだ変わりますね。

 

先程紹介した、在来線改札内地下通路の、南口駅ビル接続部。

駅ビルが建て替えられるわけですから、ここもまるっきり新しく生まれ変わるでしょうね。

 

新広島駅ビルの建て替え計画は、以下のようなスケジュールになっています。

 

2020年3月末:現駅ビル閉館
2020年4月:現駅ビル解体着手
2025年春:新駅ビル開業予定

 

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