大竹市の玄関口であり広島県内で最も西に位置する駅であるJR大竹駅で、
2023年2月19日に自由通路及び橋上駅舎が供用開始しました。
大竹駅は1日あたり6,000人以上の乗降がある駅ながら、
駅舎のバリアフリー化が行われておらず、国道2号のある西側には駅舎が設けられていないなど利便性は低い状態にありました。
事態の改善を図るため、大竹市は駅舎の橋上化と自由通路の整備を計画。
JR西日本と共同で2020年7月から整備工事を続けていました。
今後は暫定状態にある東口広場の本設整備を行うとともに、
既存の西口広場の再整備を2024年度末の完成を目指し整備を進めていきます。
着工前の状況です。
事業概要
【大竹市】:大竹駅周辺整備事業について
【JR西日本】:大竹駅自由通路・橋上駅舎及び店舗の開業について
施設配置図(上記大竹市HPより)
事業名 | 大竹駅周辺整備事業 |
自由通路等の概要 | ・延長:約127m ・幅員:4.0m ・エレベーター(橋上駅舎):2基(東口・西口広場側に各1基) ・エレベーター(自由通路):2基(各ホーム1基) |
着工 | 2020年7月 |
開業予定 | 自由通路及び橋上駅舎開業:2023年2月19日(日) 東口広場完成:2023年度末 西口広場完成:2024年度末 |
事業費 | 約59億円 |
生まれ変わった大竹駅外観と自由通路の様子
大竹駅西口駅舎の外観は、地元へのアンケートの結果、市の特産品である和紙の”鯉のぼり”をモチーフとしたものになりました。
窓ガラスの目玉は期間限定で設けられているものではありますが、
鯉のぼりの柄の部分となるエレベーターや、鱗をルーバーで表現した鯉の胴体など、
あくまでデフォルメした自然な表現が秀逸です!
中に入っていきます。
1階にはセブンイレブンが入ります。
入口は小さいですが、内部は通常のコンビニです。
2階に上がった様子です。
この目玉は3月上旬には剥がされているようなので、現在はもう見ることができません。
【中国新聞デジタル】:大竹駅の新駅舎は巨大な「こいのぼり」 市が目玉シール貼り付け
振り返り、東に伸びる自由通路を
長さ約127mの自由通路です。
構造は近年橋上化された廿日市駅や大野浦駅と同様のオーソドックスなものです。
待合スペースがあるのが嬉しいですね。
改札口付近と自由通路内部の状況です。
窓が大きくたくさん設けられているおかげで、内部は非常に明るいです。
また、壁面には市の伝統工芸や名産をPRするコーナーが設けられています。
かつて旧駅舎内に大竹市特産品展示コーナーが設けられていましたが、それが継承された形ですね。
(2019年9月、大竹駅旧駅舎内で撮影)
さて、いよいよ新設された東口へ。
国道2号が通る東口にあっという間に行くことができるようになりました。
格段に利便性が増しましたね。
冒頭に書いたように、東口は暫定供用の状態で、ロータリーも仮設のものとなっています。
本設の東口広場は、2023年度末の供用開始を目指して整備が進められます。
国道2号から見る大竹駅。
再び西口に戻ります。
旧駅舎と横並びで新駅舎が整備されました。
旧駅舎は今後解体され、ロータリーが拡大される形で再整備される予定です。
こちらは2024年度末の供用開始を目指します。
改札内、ホーム場から見る新旧の跨線橋
さて改札内に入りました。
一つの人工地盤に自由通路と改札内コンコースが設けられるシンプルな構造です。
ホームへの階段。
西広島駅にはエスカレーターも設けられましたが、こちらは階段とエレベーターのみ。
明り取りのため、天井がクリアになっているものが使われています。
橋上駅舎をホーム場から。
これまで使われていた跨線橋は、今年12月までに解体されます。
(大竹市『大竹駅周辺整備事業全体計画平面図(PDF:1.1MB) (PDFファイル: 1.1MB)』)
跨線橋はホーム上ではなく、直接西口旧駅舎につながる構造が特徴的でしたね。
悲願だった東西の回遊性確保と駅のバリアフリー化が完了しました。
大竹市では、建築家の坂茂氏が設計した下瀬美術館がこの春開館しました。
(位置関係としては大竹駅より玖波駅の方が近いですが)
この機会に、大竹市を訪れてみてはいかがでしょうか。
私も美術館は近いうちに行きたいと思っています。
【公式】:下瀬美術館