広島電鉄が進めていた広電宮島口の移設工事が完了し、2022年7月2日の午後から供用を開始しました。
宮島口地区一帯ではより快適でバリアフリーな港を実現するため、
2013年から「厳島港宮島口地区港湾整備事業」として地区の再整備を行ってきました。
2020年2月、新たにみやげ物販売や飲食を提供する新旅客ターミナル「etto(エット)」がオープン。
その後は、従来みやげ物販売を担っていた商業施設「もみじ本陣」(広電宮島ガーデン運営)の跡地を活用して、新しい駅舎を整備していました。
駅舎の移転により市道の踏切を解消し、宮島街道に渋滞が波及するのを防ぐ狙いがあります。
開業日当日の7月2日、ライトアップの様子を見るために日没後に訪れていました。
もっと早く、昼間の様子も紹介するつもりだったのですが、少し時間が経っていまいました。
この記事は実質、竣工レポートの<昼間編>として見ていただければと思います。
夜間ライトアップ編はこちら。
計画の概要
【広島県】:厳島港宮島口地区港湾整備事業について
昼間見る開放的な駅構内
早いもので開業から3ヶ月経った、広電宮島口駅の新駅舎です。
この大きな屋根は改めて見ても存在感があります。
駅名標の下にはLCDの発車案内が設置されていますが、明るい昼間でも視認性には全く問題ないです。
電車が待つホームの状況。
トラムであることを活かし、フェリーを降りてから電車に乗り込むまで一切段差がありません。
ホーム上の発車標。
こちらも正面の案内同様、LCDが用いられています。
ご覧の通り見やすいです。
大きな屋根を支える柱に目を向けてみましょう。
6本の鉄骨のアーチが上屋を支える構造です。
力強いRCの柱には、木目が出た型枠が使用されていて、このように和の雰囲気を演出します。
最も海側にあたるAホーム。
将来的には周辺も駅前広場として整備され、電車を降りて直接フェリーターミナルの方に出られるようになります。
同じ場所をフェリーターミナル側から見てみました。
現在は、ロータリーを経由して松大汽船に乗船する乗用車が通る車道が横切っています。
はっきりした資料が無いのでなんとも言えないのですが、せっかくの電車降車客の導線を活かすなら、車道は無い方が良いですよね。
(後述しますが、移設されて無くなりそうです)
旧駅舎はすでに跡形なく解体
さて、6月まで使用されていた旧駅舎の状況を見てみます。
驚いたことに、一気にすでに跡形もなく姿を消していました。
移設後すぐに解体工事に入っていたのですね。
一部は市道の用地になりそうですが、残る部分の跡地が何になるのか気になるところですね。
駅の移設によって解消された踏切。
市道と交わる前にカーブして沖側に移設したので、旧駅舎とともに踏切も撤去されました。
宮島街道から、現在建設中の自走式立体駐車場に至るための市道が拡幅整備されます。
ただし、以前からお伝えしているように、旧踏切に近い新しい本線上に、
まだ使用されていない踏切が完成しています。
ふと、下記の最新の広島県のパンフレットを眺めていると、
東側にカーフェリー用桟橋が統合されることになっていることに今頃気が付きました。
となるとこれはカーフェリー利用者用の踏切かもしれないですね。
JRフェリーと松大汽船のカーフェリー桟橋が統合されてこの踏切を使用するようになれば、
先程触れた広電宮島口のAホーム側にある車道を廃止することができます。
イメージ図を見ても、あの場所に車道が残るようには描かれていません。
(広島県『平成31年1月更新 パンフレット(厳島港港湾整備事業 宮島口地区) (PDFファイル)(29.05MB)』より)
宮島ボートレース 臨時停車場から。
この駅を過ぎてから旧駅舎と新駅舎のルートが分かれていました。
駅を出てすぐの踏切はコンクリート舗装にリニューアルされています。
新線と旧線が分岐していた場所。
旧駅舎と同様に、旧線に関連したものはほとんどが姿を消していますね。
かつての留置線があった場所には、角度を変えて新しい留置線が設置されており、すでに使用されています。
ということで、新駅舎は完成しましたが、
周辺の整備も含めて今後まだ変化が続きそうな宮島口の状況でした。
このブログでも引き続き取り上げていきます。