広島市が目指していた紙屋町・八丁堀地区に対する都市再生緊急整備地域の指定について、
早ければ今年9月にも認定される見通しとなり、内閣府は25日、整備地域の区域案などを公表しました。
都市再生緊急整備地域に指定されれば、建物の容積率の緩和や税制の支援・優遇などが受けられ、
低未利用地の都市開発が促進することが期待されます。
2003年には広島駅周辺地域が緊急整備地域に指定され、
広島市の都心活性化方針とも重なり、マツダスタジアムを始め広島駅の南北で今に至るまで大規模な開発が進められています。
なかなか直接的なソースが見つからないのですが、パブリックコメント募集ページに関連資料がありました。
【電子政府総合窓口e-Gov】:都市再生緊急整備地域(案)及び特定都市再生緊急整備地域(案)並びに地域整備方針(案)に関する意見募集について
紙屋町・八丁堀地区 都市再生緊急整備地域(案)(上記資料より)
【内閣府】:都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域の一覧
ちなみにこちらは広島駅周辺で指定されている区域図です。
無事指定される運びとなりそうです。
区域図は画像にして上に貼り付けましたが、地域整備方針(案)も興味があればご覧になってみてください。
示された区域案は「紙屋町・八丁堀地区」とはいえど、面積は約161haあり、
東は駅前大橋、西(北西)は広島市中央公園、南は平和大通りまでが対象となります。
ヒルトングループがホテル整備に合意した中区富士見町一帯に加え、中央公園・旧広島市民球場跡地、広島県庁など、
今後整備が見込まれる地域、都市整備が期待される(求められる)地域も対象となっています。
こうした地域に対し、建物の更新時期に合わせ敷地の共同化、業務・商業・文化・宿泊などの都市機能の強化・充実を図り、
国際平和文化都市に相応しい賑わいやビジネス機会を生み出す都市空間を形成することを目標にします。
必要とされる都市機能として、高規格オフィス、国内外から多くの人を惹き付けるMICE(大規模展示・会議施設)・宿泊施設、都心居住機能などが盛り込まれ、
個別には、
○地域の活性化に資する広島商工会議所ビルの移転・建替に係る検討
○サッカースタジアムの整備場所を踏まえた旧市民球場跡地の活用による地域の活性化
○オープンカフェの設置やイベントの開催などによる平和大通りを活用したにぎわいの創出
○原爆ドームのバッファーゾーン等の建築物については、広島市景観計画に基づく世界遺産の周辺にふさわしい形態意匠にするとともに、要綱に定める高さ基準を遵守した都市開発事業を誘導
といった項目が挙げられました。
都心再生の足がかりに
整備方針は、これまで広島都心部に不足していたものを補う将来を見据えた、非常に明るい内容のものになっていると思います。
中四国地方の経済を牽引すべく、不足する高規格オフィス建設をバックアップしてほしいですし、
そのためには、広島駅等の交通結節点からの軌道系公共交通アクセス改善に力を注いでもらいたいです。
サッカースタジアム建設候補地もそろそろ決めて、現状一番残念な使われ方をしている旧広島市民球場跡地の早期方針決定を願います。
都市再生緊急整備地域の指定はあくまで手段の一つです。
行政はこれを足がかりとして、一番重要なリーダーシップをとりまちづくりを行ってほしいです。