JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました。
新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2020年から建て替えを進めてきました。
地下1階から9階に、カフェやコスメ・雑貨、中四国最大の飲食店街やシネマコンプレックスなど、およそ220テナントが集積する商業施設です。
9~20階を占める「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」も同時開業しています。
中央アトリウム空間に乗り入れる路面電車は引き続き工事が行われており、
2025年8月3日に開業する予定です。
<駅ビル編>はこちら。
前回の状況です。
事業の概要
【広島電鉄】:広島駅「駅前大橋ルート」
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
駅前大橋線計画図(上記HPより)
地上と高架 時代が交差する広島駅周辺
既存ルートが伸びていく駅ビル南東側から。
廃止される猿猴橋方面から、JR西日本の227系車両「レッドウィング」のラッピングをまとった連接車両が入っていきました。
広島駅南口の再整備を盛り上げるべく、広島市とJR、広電で企画された、ラッピング交換車両です。
こちらは2階の新しい高架路面電車のりば。
宮島線等で使用される3800形「ぐりーんらいなー」が停車しています。
この日は休業日で動くことはありませんでしたが、
連日駅前大橋ルートで試運転が行われており新のりばに停車する車両も頻繁に入れ替わっています。
南口は供用する既存の地上のりばと、完成した高架橋が交わる過渡期です。
猿猴橋町方面に車両が走っていく光景も、あと1ヶ月足らずで見られなくなりますね。
屋上広場から、まっすぐに伸びる駅前通りを。
幅員の広い整然とした町並みに、真新しい軌道が貫きます。誇れる都市景観です。
奥に見える稲荷町交差点。
新設電停に試運転車両が停まっています。既存ルートを紙屋町方面に進む連接車が横切っており、時代の移り変わる時期ならではの光景です。
ただ、既存ルートは的場町を経由して皆実町方面とを結ぶ循環ルートとして活かされる予定で、
駅前大橋ルートの開業後も車両はいくらか通行する予定です。
試運転が続けられる駅前大橋ルート
屋上から見下ろした稲荷町方面に向けて進みます。
駅前大橋上で地上に降りる路面電車の軌道。従来の道路橋は下り勾配になっていることもあり、軌道橋の勾配をかなり感じますね。
早く自分の目でここを車両が通行している光景を見たいものです。
駅前大橋南詰交差点。
稲荷町方面です。
下り電停のスペースを確保するため、上下線が右側にシフトします。
約66mの長大な本線下り稲荷町電停は、5000形「グリーンムーバー」が留め置かれていました。
やはりこの日は動かずでしたが、ここに車両が止まっている光景はまだまだ新鮮ですね。
電停入口。
いやーカッコいい…
大きな窓ガラスとフレームのみのシンプルで近代的な電停に、シックなデザインのグリーンムーバーはよく似合います。
5連接車両が丸ごともう1本入る電停の長さもお分かりいただけますでしょうか。
電停の入口には、開業日を知らせる張り紙もありました。
幅は従来の電停と同じかと思いますが、これまでにない開放的です。
ダイヤモンドクロッシング 比治山線と循環ルートが交差する稲荷町交差点
稲荷町交差点です。
広島駅方面からは、本線の紙屋町方面と比治山方面が分岐します。
比治山線は来年春運行開始を予定する循環ルートと線路同士が交差しており、広電唯一のダイヤモンドクロッシングとなります。
南側から広島駅方面を振り返ります。
複雑な配線で線路の数自体も多いので、上空が蜘蛛の巣のようになるのは避けられませんでしたね。
広島駅からこの稲荷町電停までは約500m。紙屋町までの約1.5kmの内、1/3程度を占めます。
信号交差点はこの500mの間に2か所ありますが、ようやく実現できた新設の短絡線なのですから、信号その他要因に阻害されること無くスムーズに運行できるような発車タイミングの調整、信号制御になることに期待します。
1分程度で結んでほしいのが理想です。表定速度は30km/hですね。
現状、ライブカメラやSNS、動画サイト等の走行動画を見る限り、まだそこまでスピードは出していないようです。
運用が定着するまで少し時間はかかるかもしれませんが、最終的には確実に時間短縮となるよう期待をしておきたいです。
今回のレポートは以上です。
路面電車駅前大橋ルートは、2025年8月3日に開業する予定です。