JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました。
新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2020年から建て替えを進めてきました。
地下1階から9階に、カフェやコスメ・雑貨、中四国最大の飲食店街やシネマコンプレックスなど、およそ220テナントが集積する商業施設です。
9~20階を占める「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」も同時開業しています。
大きな節目は迎えたものの、広島駅南口では今後も
公共交通の利便性向上や歩行者ネットワーク強化を目的とした工事が進められます。
前回の状況はこちらです。
事業の概要
【公式】:広島駅ビル ミナモア・エキエ | minamoa・ekie
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
駅全体を憩いの空間に 2階東西通路に40基の植栽・ベンチを設置
広島市、JR西日本、広島電鉄の3者でつくるTOUCH MATCH HIROSHIMA 実行委員会は、
広島駅ビル2階の東西方向の歩行者通路に41基の植栽付きベンチを設置し、
6月25日から利用を開始しました。
これまで北口ペデストリアンデッキや南北自由通路への設置で得られた知見を活かし、
新たに開業した南口の駅ビルでもにぎわいの創出を図ります。
【JR西日本】:広島駅周辺地区の公開空間の利活用について~新たに広島駅南口の東西通路へ憩い空間を創出します~
利用開始した現地の状況です。
座って休憩や談笑する方、テイクアウトしたものを食べている人々の姿もありました。
地上に乗り入れる広電を見下ろすことができます。
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今年8月3日には駅前大橋ルートに切り替わります。
高架橋を広電が走行する町並みもここから楽しめそうです。
外からも利用する人々の姿をうかがい知ることができます。
TOUCH MATCH HIROSHIMA 実行委員会はこれまでに、北口ペデストリアンデッキや南北自由通路への植栽やベンチの設置を行っており、南口にも拡大させた形です。
工事中は座る場所を設けるゆとりもありませんでしたが、ついに立派な駅ビルが供用を開始して賑わいや憩いの場所として利用されるようになったのを見ると感慨深いです。
スイーツ等をテイクアウトしてここで楽しんでいる人の姿も印象的でした。
通路ではありますが、南口一帯を見渡せる特等席です。まさに駅ビルミナモアのキーコンセプト「全館カフェ」を象徴していますね。
自由通路とアトリウム空間を結ぶ通路の整備状況
中央アトリウム空間です。
6月初旬から試運転が進められており、この日も新しいのりばには連接車が止まっていました。動く様子は確認できず…。
新しいのりばが供用を開始すれば人の流れも大きく変わります。
自由通路から駅ビルに至る動線に変化がありました。
1階への階段・エスカレーター付近で仮囲いが一部撤去され、供用範囲が広がりました。
自由通路からガラリと雰囲気が変わるこのあたり。個人的にめちゃくちゃ気に入っています。
階段や自由通路の方向を振り返りました。
手前の階段裏のスペースが、仮囲いがなくなり広がりました。
それとともに、自由通路の入口であることを示す長大な水平の意匠照明が点灯を始めましたね。
壁面の横長の黒い部分は、デジタルサイネージになるLEDビジョンと思われます。こちらの点灯も楽しみですね。
1階への階段の東側のスペースです。
奥に自由通路が伸びています。
もともとは1階への大きな階段だったものを、動線変更に伴い通路化した部分です。
わずか10年足らずでここまで変わるとは…。
頭上のサインも点灯しました。
頭上だけでなく、階段の落下防止柵側にも目線の高さの案内板が設けられるようです!
ここも広島駅のテーマである「折り鶴」をモチーフにした三角形の造形が取り入れられています。
今回広がったスペースから。
今まで見られなかった角度で新鮮です!
大階段時代からある天窓からしっかり光を取り込みます。
拡張する通路に沿って、店舗スペースも整備中です。JRの改札サイドになるので供用すればかなりの人通りになるはず。
何になりますかね。
1階からエールエールA館方面にかけての変化
先程の階段から1階に降りました。
薄暗い工事中の雰囲気が残っていた場所ですが、化粧板が取り付けられ照明も点灯を始め、完成がうかがえるようになってきました。
通路右側では他のエリアに遅れて、店舗スペースの整備が進みます。
店舗周り。
本設のサインも確認できるようになってきましたね。
そこから大州通り方面へ。
駅ビルの壁面はここですが、人工地盤を設け大屋根のかかる歩行者賑わい広場になる予定です。その先はエールエールA館までペデストリアンデッキが繋がります。
人工地盤の柱が既に建てられており、周囲は掘り下げられています。
このあたりはバスのりば拡大にあたって地下広場の拡張を行う部分です。
下図の丸で囲んだあたりの掘削現場と思われます。
(広島市『広島駅南口広場のレイアウト図(地下)』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/doro-kotsu-kasen/1021408/1005978/1016970.html)より)
大州通り側でも橋脚周りで工事が行われています。
デッキへのエレベーター付近を構築していると思われます。
旧バスのりば。
エールエールA館へのデッキとなる橋桁が構築され、一括架設の時を待っています。
今回は以上です。
▼今後のスケジュール
2025年3月 | ・広島駅新駅ビル開業(3/24) ・広島JPビルディング接続デッキ、Cブロック接続デッキ供用開始(3/24) |
2025年8月 | ・路面電車駅前大橋ルート営業運転開始(8/3) |
2026年春 | ・路面電車循環ルート営業運転開始 ・Aブロック接続デッキ供用開始 |
2028年春 | ・2階にぎわい広場供用開始 |
2029年春 | ・南口交通広場(バスエリア・マイカーエリア)の供用開始 (利用可能なエリアから順次オープン) ・Bブロック接続デッキ供用開始 |
初夏の広島駅ビル屋上広場。
大階段の木々も青さとボリュームを増しましたね。
気持ちのいいくらい真っすぐに抜ける都会的な駅前通りとの対比が美しいです。もう少し成長すれば本当に公園のようになりそうですね。
とはいえ影がないので、これからの真夏の楽しみ方も考えなければならないかもしれない…
大階段の踊り場です。一般人が入れる8階はこの部分だけです。
ここから見る北口の景色も好きです。
ミナモア内で、目に触れるこうしたフェンスには
このように水滴をモチーフとした鳥よけが設置されています。
オーダーメイドかな?細部へのこだわりを感じますね。