広島市は広島駅南口広場一帯の再整備の一環として、周辺施設へのペデストリアンデッキの整備を進めています。
広島駅を中心とした歩行者ネットワークを充実させ、商業施設等との回遊性を高める狙いです。
2025年3月24日の駅ビル「ミナモア」の完成と合わせ、西側の「広島JPビルディング」、東側の「EKI CITY HIROSHIMA」とを結ぶデッキが既に供用を開始しました。
引き続き、エールエールA館やビッグフロントひろしまへのデッキの整備が進められています。
併せて、エールエールA館を運営する広島駅南口開発株式会社は、
まちなかウォーカブル推進事業を活用し、南側の猿猴川護岸に至るまでの館内通路及び歩行者通路の建設も進んでいます。
2026年春には供用開始となる予定です。
前回の状況です。
下部工の工事が進むAブロックペデストリアンデッキ
広島市が主体となり整備が進められる整備スケジュールです。
【広島市】:広島駅南口広場の再整備等 事業概要
▼今後のスケジュール
2025年3月 | ・広島駅新駅ビル開業 ・広島JPビルディング接続デッキ、Cブロック接続デッキ供用開始 |
2025年夏頃 | ・路面電車駅前大橋ルート営業運転開始 |
2026年春 | ・路面電車循環ルート営業運転開始 ・Aブロック接続デッキ供用開始 |
2028年春 | ・2階にぎわい広場供用開始 |
2029年春 | ・南口交通広場(バスエリア・マイカーエリア)の供用開始 (利用可能なエリアから順次オープン) ・Bブロック接続デッキ供用開始 |
(広島市『広島駅南口広場の再整備等 事業概要』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/doro-kotsu-kasen/1021408/1005978/1016970.html)より加工して使用)
Aブロック接続デッキイメージ
(広島駅南口開発㈱(https://yaleyale.jp/archives/magazines/magazine-vol1)より)
広島駅南口広場の状況です。
広島駅のレポートでもお伝えした通り、すでに駅ビルからエールエールA館に至るデッキ部分の橋脚が建てられています。
デッキ自体は幅4mの橋桁ですが、路面電車のりば横にあたる駅ビル側は広い範囲歩行者空間(賑わい広場)となるので、橋脚はさらに増える可能性があります。
エールエールA館から猿猴川に至るデッキが架設!
駅ビルからのデッキが繋がる場所はすでに改修が完了しており、新たな出入口が口を開けています。
(2025年3月撮影)
入口から先は猿猴川に向けて新たな歩行者空間を整備しており、通路に面した店舗も設けられる予定です。
これらはの事業主体はエールエールA館を運営する広島駅南口開発㈱となっており、
まちなかウォーカブル推進事業を活用し、国の補助(1/2)を得て賑わいある都市空間を形成するものです。
全体事業費12億7,000万円の内、同社が6億3,500万円を負担します。
【公式】:広島駅南口開発株式会社
館内通路イメージ(広島駅南口開発株式会社(https://yaleyale.co.jp/)より)
目に見える変化があったのはこの先。
猿猴川ペデストリアンデッキイメージ(広島駅南口開発株式会社(https://yaleyale.co.jp/)より)
エールエールA館の2階に、猿猴川への歩道橋となるデッキの橋桁が架設されました!
こちら側にも出入口が新設され口を開けています。
こちらにも出入口が新たに整備されています。
参考までに4月に撮影した時の状況です。
デッキをわたった先の階段も姿を現しました。
地下広場から市道の下を潜り護岸に上がる動線もありますが、
やはりこれからは基本の動線が2階に移り、中央図書館を始めとする機能の集約も行われるので、面的に人々の賑わいを波及させるにはこうした整備の必要性も理解できます。
開業以来の大規模リニューアルが進むエールエールA館
エールエールA館は、駅ビルの建て替えと時期を同じくして、開業以来の大規模リニューアルが進行中です。
フロアを分けて順次進めており、これまでに貸会議室(6階)やクリニック(7階)、大型スポーツ販売店(5階)などがオープンしました。
【エールエールA館】:季刊誌「えーるえーる」2025 春号
リニューアルの中でも中心的な存在なのが、8~10階に移転開業する「広島市中央図書館」、「広島市映像文化ライブラリー」です。
中央図書館が入居する8~10階の壁面は、眺望を確保するためPCカーテンウォールをガラス窓に取り替える工事が行われました。
壁面を窓ガラスに取り替える工事は完了し、足場等もなくなり見えるようになりましたね。
(上下のフロアと幅が違うのが非常に残念。室内の用途や構造、コスト等でこうするしかなかったのか。)
エールエールA館のリニューアルも終盤に差し掛かっています。
今後は、グローバルファッションブランドを扱う1階で、今春から来年春にかけて順次新規・改装オープンする予定。
11階のレストランフロアは、”さまざまなシーンに対応したお店”2025年中に順次オープンすることが伝えられています。
先日11階のフードコートを訪れましたが、
大部分が閉鎖され改装工事が行われていました。
仮囲いの壁面より、ファミレスの「ガスト」が2025年夏にオープンする予定であることが分かりました!
下記のフロアガイドの赤丸で示す閉鎖区画です。
現在はマクドナルドとちからのみが営業し、非常に狭くなっています。
気軽に立ち寄れてパノラマの景色が楽しめるフードコートでしたが、テナントスペース化は確定のようですね。
(福屋 広島駅前店『フロアガイド』(https://www.fukuya-dept.co.jp/ekimae/floor/?p=11f)より)
エスカレーター周辺をフードコート化してもよいかと。
入れ替えのため閉店している区画も複数あるので、今後どのようなレストラン街となるか注目です。
広島駅自由通路からアトリウム空間を通り、デッキを介してエールエールA館の2階に直接繋がることで、
地下を経由するこれまでの動線に比べ、心理的に非常に広島駅に近くなることが予想されます。
エールエールA館は、流行やこだわりを追求するミナモアに対し、
より気軽にショッピングや飲食が楽しめる”第二の駅ビル”としての役割を確立することを期待しています。
地下1階「TAVELT(タベルト)」
【広島経済新聞】:広島駅前「福屋」の食品売り場がリニューアル タベルトが中四国初出店