昨日書いた駅前大橋線に関する記事の続報です。
2012/12/21 駅ビル建て替え協議!高架案では具体的な補強法も
コメントで教えていただきました。ありがとうございます。今日の日本経済新聞です。
【日本経済新聞】:広島駅ビルの建て替え検討 JR西・広島支社長が表明 (以下転載)
JR広島駅に直結する広島電鉄の新線計画に関連し、西日本旅客鉄道(JR西日本)は高架方式での乗り入れを条件に、駅ビル「アッセ」の建て替えを検討する方針を明らかにした。乗り入れ方式は広島市が中心に検討中で、高架は地下式とともに候補の一つ。乗り換えの利便性の向上を通じたターミナル機能の強化を狙う。
JR西日本の杉木孝行広島支社長が日本経済新聞のインタビューで明らかにした。高架方式の新線の場合、既存ビルの壁をくりぬくといった補修工事ではビルの強度などの面で対応できないとして「(新しい設計の)柱などがいるため新しいビルが必要になる」と話した。
JR線の乗り換え通路がアッセの3階にある。新しい駅ビルに高架方式で広電の駅ができれば利便性が高まる。建て替え中の鉄道運行については影響が少ないという。
広電の新線計画は広電の広島駅をJR側に寄せると同時に、駅周辺のルートを直線に近づける。新線を導入することができれば、市中心部からの所要時間は現在の15分程度から約5分短縮できるとみている。
広島市は2010年に駅前南口の再整備を話し合う検討委員会を設置し、広島駅への乗り入れの方式を検討中だ。平面案を含めて3案あったが、20日の委員会で「平面案は交通渋滞が生じる可能性が高い」として、地下案と高架案から12年度中に絞り込むことが決まった。新線の事業費は地下案が250億~300億円、高架案が70億~100億円とされる。
杉木支社長は「新幹線やJRから路面電車に乗り換える人が圧倒的に多い」と指摘。広電が地下に下りた場合、乗り換えに時間がかかるとして、高架案の利便性が高いとしている。
アッセは1965年に完成し、99年に耐震補強工事を終えている。地下1階地上7階建て、延べ床面積は約8800平方メートル。建て替えることになれば、通勤帰りに買い物や飲食を楽しむ駅ビルとしての魅力が増すことが期待される。
JR西日本は今夏、広島駅を2階部分で南北につなぐ「橋上駅舎」の工事に着手した。5年後の17年度の完成を目指している。橋上駅舎には飲食店や専門店などが入居する予定だ。
市や広島電鉄が検討している広島電鉄の駅前大橋線の、広島駅乗り入れ方法について
高架乗り入れを採用することを条件に、駅ビルを建て替える検討をする方針を表明しました。
高架方式となった場合には既存の駅ビルをくりぬいてターミナルを作る必要があります。
このような補修工事ではビルの強度が保てないことから、新しくビルを建設する必要があるということのようです。
高架構造のイメージ
※詳細設計に基づくものではありません。
(広島駅南口広場再整備に係る基本方針検討委員会(第2回)資料より)
個人的には大賛成!大歓迎!ですね。
駅ビルは文中にもあるとおり50年近く前となる1965年に完成した相当古い建物です。
99年に耐震化工事はなされているものの、コンコースとの行き来等不自由さは否めない状態でした。
今回広島電鉄の駅前大橋線というものがスイッチとなって、この駅ビル建て替えの検討まで話が進んだことは正直申しまして驚きでした。
今回のJR側の大胆な提案でますます高架以外の選択肢が(対案は地下のみになりましたが)かすんだように思います。
建設費の問題はありますが、市・JR・広電がすべてWin-Winの状態ではないでしょうか。
カナデさんにコメントで教えていただいた話ですが、
広島電鉄が地下案にこだわる理由の一つとして
駅前通りの車線減少に伴うバス事業への影響を懸念しているようです。
(また新しい理由が出てきたか、という感じですが(笑))
これはそのコメント内でもおっしゃっているように、稲荷町交差点ではどちらにしろ車線は減るんですよね。
そもそも、仮にも広島の基幹となる交通機関を経営する社長なら、
「環境に優しく大量輸送できる(いわゆるLRT)路面電車を通し、渋滞を解消させる!」位の事を言っていただきたかったですが。。
“路面電車では限界がある”という考えは、その先の議論としてですね。
加えて駅ビルを新しくすることが出来れば、周辺再開発地区への連携も一気に視野が広がります。
駅から直接デッキでCブロックに行く事も、予算次第ではBブロックへのペデストリアンデッキもです。
路面電車が南北自由通路とフラットにつながる「結節点」から直接B,Cブロックへ。
そして長い目で見ればフタバ図書(イズミ所有)や西側の東郵便局の建て替え時にもデッキで接続できる可能性が広がるんです。
とてつもなく大きなメリットではないかと思います。
懸念を一つ挙げるなら”工期”ですかね。
仮に今年度中に高架に決まり、駅ビル建替えが動き出したとしても設計や認可等で着手まで早くても2年くらいはかかるのではないでしょうか。
2017年度開通予定の駅前大橋線本体とはなんとか連携できるでしょうが、
広島駅を橋上化する事業はすでに設計図を元に着工しています。
もしそれを変更して一体的なものにするのなら、橋上化工事の完成予定(2017年度)がズレこむ可能性もありますね。
しかし施設の一体性を重視しなければ結局今と同じようなチグハグなものになりますから、
そのようなシナリオになった場合は工期の延長については気持よく目をつぶることはできると思います。
ともあれそういう見立ては高架案に決まってから考えればいいんです(笑)
今一番心配しなければならないのは、検討委員会が高架案と結論を出し、広電がそちらへ向かってくれるかどうかです。
広島電鉄は2012年の今年、電車事業開業から100年を迎えました。
私自身も幼い頃から広電に親しみを持って育ってきた人間です。
だからこそこれからも便利で広島の発展に貢献していっていただくためにも、高架案での検討を心からお願いしたいです。
現在その100周年記念の一環として「サービス向上計画」というものを打ち出しています。
その参考としてアンケートサイトが今年7月に開設されいました。
【広島電鉄】:「サービス向上計画」へのご意見を募集します。
路線、超底床車両、電停など細かい分類で意見を書くことができるようになっています。
高架案に賛成する方々、電車部門だけでもいいのでご意見を書いてみませんか?
募集期間が今年いっぱい12月31日までと迫っております!お早めにどうぞ。