PASPYエリアでの全国交通系ICカード、18年3月から利用可能に

広島県内のJRを除く交通機関で使用できるICカード「PASPY」は、2008年にサービスを開始し、広島電鉄やアストラムライン、各種路線バスなどで利用されています。

これまでPASPYのエリアでは、PASPY以外のカードはJR西日本が発行する「ICOCA」のみ使用可能となっていましたが、
本日の中国新聞で、ICOCAを含む「交通系ICカード全国相互利用サービス」のカードが
2017年度末から利用できるようになると報じられました。

【中国新聞】:広島県内のIC乗車券11種に拡充

 

2013年3月から始まった全国相互利用サービスのICカード、いわゆる「10カード」が、広島のJR以外の公共交通機関で利用できるようになります。

これらのカードがPASPYエリアで利用可能になります。
【国土交通省】:交通系 IC カードの普及・利便性拡大に向けた検討会 とりまとめ

全国から多くの観光客が訪れる広島にとって、かねてから10カードが利用できるようにしてほしいという声が多くありました。
記事を読んだ時は今年3月かと読み間違えましたが、2017年度末、つまり2018年3月から対応とのこと。
PASPYが広島に導入されて10年を迎える年です。

これまでに観光客やビジネスマンが路面電車などで使えずに困っている姿を何度も見ました。
待ちに待った10カード対応は歓迎ですが、あまりにも遅すぎる対応だったと言わざるを得ませんね。

 

上に貼った国土交通省の資料にある、「地域独自カードの導入状況」を見ると、
PASPYは他地区に比べて圧倒的に多い27社が導入しています。
PASPYの色を見てもお分かりの通り、カードの発行は8つもの事業者が別々に発行し、
その事業者が発行したカードでないと定期券にすることができないといった制約もあります。
参画事業者が多いほど、10カードへの対応といったような大規模な変更を進めにくかったという背景もありそうです。

10カード対応後、全国相互利用ICカードによるPASPYエリアでの利用は可能になりますが、
逆にPASPYカードでそれ以外の地区の交通を利用することはできません。(片利用)上記の様な背景がある以上、今後対応する可能性は低いのではないかと思います。
仙台でサービスが始まった「icsca(イクスカ)」は仙台エリア限定で、JRも乗れるのですがね。
(あちらは仙台市交通局単一の発行)

 

PASPYは発行枚数110万枚を超える、地方独自のICカードとしてはかなり利用者の多いカードです。
今回広島県民にそれほどメリットはありませんが、県外から広島を訪れる人々にとってはかなり大きな恩恵のある変化です。

また、これを機に、将来的にPASPYのクレジットチャージや物販での対応などサービスの拡大が検討されることを期待したいです。

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