広島市への出店の意向を明らかにしていたスウェーデン家具大手のIKEA(イケア)は、
広島駅北口に取得していた新店予定地用地をすでに売却していたことが分かりました。
予定地は広島駅北口に隣接する二葉の里地区。
従来は旧国鉄の社宅などがあった国有地で、広島駅周辺エリアの賑わい創出を目的とした土地区画整理を行い誕生した区画の一つです。
2013年6月、一般競争入札により「2街区」と呼ばれるエリアを取得し、出店の意向を表明していたイケアですが、
その後具体的なスケジュールなどは聞かれず、現在に至るまでコインパーキングとして使われていました。
【IKEA】:広島における出店用地取得のお知らせ
【Yahoo! ニュース】:イケア、広島駅北の新店予定地を売却 「出店戦略を見直した」(中国新聞デジタル)
- ”スウェーデン家具大手イケアグループの日本法人イケア・ジャパン(千葉県船橋市)が、JR広島駅北口の二葉の里地区(広島市東区)の新店予定地を売却したことが5日、分かった。”
- ”イケアは中国新聞の取材に「出店戦略を見直した結果」と説明。一方で「広島での出店の希望は現在も変わりない。最適な形態、方法を引き続き検討する」とした。”
- ”国土交通省の公示地価(毎年1月1日時点)によると、東区二葉の里は今年、1平方メートル当たり74万2千円。調査対象となった17年から上昇を続け、約1・5倍となった。”
(上記HPより抜粋)
【中国新聞】:イケア、広島駅北の予定地売却 地元に募る怒り・不信
土地の取得と出店表明から8年。
結局出店することはなく、すでに売却したとのことです。
出店予定地だった場所は都市再生緊急整備地域に指定された広島駅周辺の活性化を目指し、
未利用地だった国有地を市が区画整理して基盤を整えた地区です。
地区ごとに配置する機能も検討を重ね、「業務・商業等の機能が複合した土地利用」との地区計画を前提に中国財務局の一般競争入札により、イケアが取得していました。
開発期限などの要件は設けていないため、特にペナルティがあるわけではありませんが、
開発が進む広島駅周辺を8年間も放置した損失は大きく、非常に残念です。
中国新聞の記事にもあるように、地元もかなり失望されているようです。
報道によると、イケア・ジャパンは「広島での出店希望は変わらない」とコメントしているようです。
自社の意向の前に、まずは広島駅周辺の重要なエリアを放置し続けたことに対するコメントを表明するのが先でしょう…。
「出店して”あげる”」と言える立場ではないことに気づくべきです。
とは言っても、過ぎたことに執着しても仕方ありません。
すでに売却して他の企業の手に渡っている現実があります。
公表はされていませんが、非常に気になりますね。
ホテルやオフィス用途でこれだけ広い土地を使うのは難しいでしょうし、広島駅とのアクセスを考えても南口の開発と比べて不利です。
ということで、マンション業者が取得に動いたことも覚悟しておいた方がいいと思っています。
駅チカのマンション自体を否定するわけではありませんが、
鉄道と道路の広域的なアクセスに優れた広大な土地をただのマンションとして開発するのはもったいないです。
遠方からでもわざわざこの場所に訪れる価値のある施設、または価値を提供するコンテンツを呼び込める器が望ましいです。
理想だけを言うなら広い屋内空間を持った展示場としても利用できるドラゴンフライズのアリーナが個人的には望ましいと思いますが、
運営だけならまだしも、大きなハコを整備して管理してくれる民間企業などいないに等しいと思われ、厳しいですよね。。
ここの開発は、JR西日本広島支社跡地の二葉の里5街区の開発内容にも大きく影響を与えることが考えられます。
類似施設を2つ作っても需要を食い合うだけで共倒れです。
今後も注目していきたいです。