2024年2月にサンフレッチェの新たな本拠地となるサッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」が開業しました。
建設地の広島市中央公園内で引き続き整備が行われていた多目的ひろば、
「ひろしまスタジアムパーク」が2024年8月1日に完成・開業しました。
Park-PFI制度を活用し、NTT都市開発を代表とし芝生広場と商業施設「HiroPa!(ヒロパ)」を整備。
スタジアムと一体となった憩いの空間の誕生で、
広島市サッカースタジアム等整備事業が完了しました。
1日木曜日の開業後、初の週末を迎えたパークを取材しました。
前回の状況です。
計画の概要
【公式】:ひろしまスタジアムパーク | HIROSHIMA STADIUM PARK
完成イメージ
(NTT都市開発『広島市中央公園「広場エリア(新サッカースタジアム隣地)」の整備着工、
商業施設名称を「HiroPa(ヒロパ)」に決定~広島市都心部にさらなる賑わいと憩いを生む”都会のオアシス”へ~』(https://www.nttud.co.jp/news/detail/id/n26581.html)より)
都心の緑、いよいよ市民に開放!
エディオンピースウイング広島の東側一帯に広がる芝生ひろばです。
スタジアム整備前の中央公園を思い出す空間。
青々とした芝生ひろばが再び現れました。
ひろばを南北に通る「平和の軸線」には、ミスト噴水の仕掛けも。
芝生で体を動かす人のほか、スタジアム横ではキッチンカーやイベントステージが並び、
うだる暑さの中でも賑わいがありました。
スタジアムはイベントや試合がなければ「フィールドビューテラス」として、パークコンコースからスタンドの一部に自由に入ることができます。
ひろばに向いた大階段やスタジアムのシートで人々がくつろぐ光景は、試合がない日の活用のお手本のよう。本当に広島でこうした施設が実現しましたね。
ひろばで過ごす時間を彩るテナント
8月1日にオープンしたテナントを見て回りました。
先行開業していたサッカーミュージアムの隣に、汁なし担々麺のお店が。
ひろばの南側、ひろしまゲートパーク方面からのペデストリアンデッキやスタジアムと接続した「ニューパークライフゾーン」。
中四国初進出の「ぐるなびフードホールワイ カフェ 広島 HiroPa」、「kiondひろしま」を始め、
ベーカリーやケンタッキーなどスタジアムに持ち込むのにも適した飲食店が入ります。
東側の棟には、サウナ・フィットネス・コワーキングスペースが揃い、”コト消費”を売りにした「ベネトレ広島店」が出店しました。
こちらはひろば東側、国道54号が面する「広島カルチャーゾーン」。
こちらは飲食店がメインです。
どちらも首都圏以外では初出店の「GARDEN HOUSEひろしま」、「ノースリンク ヒロシマリンクス」のほか、
「OBSCURA COFFEE ROASTERS」、「DOUBLE FLAT」が出店しています。
従来からこの場所にあった噴水はそのまま活用。周囲が歩きやすくなりました。
噴水の隣には子どもが楽しめる大型遊具が新たに設けられました。
子どもの発育や障がいの有無、国籍などによらず、誰もが楽しめる「インクルーシブ遊具」との説明がありました。
遊具に隣接して、ビオトープが新たに整備されています。
ビオトープ付近から見る芝生ひろばとスタジアム。
日が落ちて少し涼しくなってきた19時頃、
写真の横ではキャンドルヨガをしている方たちの姿がありました。
都心でなんと良い雰囲気なのでしょうか。
開業した公園を歩いて
この日はスタジアムでの試合開催やひろばでの大規模イベントはありませんでしたが、
注目度はそれなりに高く多くの来場者で賑わっており一安心でした。
公園で「遊ぶ」ためのアイテムが有料・無料で貸出を行っており、
手ぶらで楽しめるという点は広島の都心においては新しいですね。
巨大なスタジアムやビル群をバックに、
子供連れがアイテムを使って遊んでいたり、ボール遊びをしている光景は印象的でした。
【ひろしまスタジアムパーク】:パークアイテムレンタル
イベント開催による賑わい創出の色が濃いひろしまゲートパークとは対照的でした。
人で賑わう環境づくりに特化した公園の「ゲートパーク」、
親しい人同士で憩い楽しめる空間づくりに特化した「スタジアムパーク」として、
うまく棲み分けができているのではないかと思います。
あとはしっかり市民に認知されて、こうした楽しみ方が広島に根付くことを願うばかりです。
都市の中心部に隣接して、これだけ広く美しい芝生ひろばやスタジアムがあるのは、相当恵まれたものだと思います。
打って変わって「HiroPa!」のフロアガイドを見ると
そこそこ「Comming Soom」=空きテナントが点在しているのが分かります。
スタジアム開業に至る前まで、ここは国有地の公園であり、商売は基本的にできない場所でした。
都心とはいえ、紙屋町からだとゲートパークを超えて更に北に位置する「都心のフチ」のような場所であり、二の足を踏む事業者も少なくなかったのかもしれません。
あったら便利そうなコンビニが出店しないのは意外でした。
多様なテナントの誘致を促すために、小売業は一定の制限を設けたのかもしれません。
先ほども書いた通り、都心にこれだけの空間があるのは本当に贅沢なことなので、
多くの市民に訪れていただきたいです。今後の伸びしろとして期待です。