熊本市中心部で進む『桜町再開発』 延16万平米超えのビッグプロジェクト!

熊本市の中心的な繁華街をなす中央区の桜町では、
延床面積約16万平方メートルにも及ぶ「桜町地区第一種市街地再開発事業」が進行しています。

既存機能だったバスターミナルに加え、商業施設、シネマコンプレックス、ホテル、公益施設(ホール、会議場・展示場)といったMICE機能まであらゆる施設がまとまった、
総事業費755億円の巨大再開発プロジェクトです。

九州地方で高速バスなどを運行する九州産交HDと九州産交ランドマークといった民間会社が共同で出資した「熊本桜町再開発株式会社」が再開発の主体となっています。

文字や数字で見ただけでも、地方都市(ましてや100万人以下の都市)にしては異例の大規模な事業であり、以前から注目はしていました。
念願叶い現地の状況をこの目で見ることができましたので、レポートします。

本当は熊本駅改札内の状況のあとにこの記事を更新する予定にしていましたが、
コメント欄で思いの外この再開発の話題が上がっていたので、こちらを先に更新することにしました。

【熊本桜町再開発株式会社】:熊本都市計画 桜町地区第一種市街地再開発事業


完成イメージ(上記HPより)

【桜町地区第一種市街地再開発事業】
高さ59.88m、地上15階・地下1階
建築面積:2万7,000平方メートル
延床面積:16万400平方メートル

■用途
・バスターミナル
・共同住宅(マリモ「ザ・熊本ガーデンズ」、159戸)
・商業施設(約140店)
・シネマコンプレックス(TOHOシネマズ熊本)
・ホテル(リゾートトラスト「ホテルトラスティ プレミア 熊本」、205室)
・公益施設(熊本市「熊本城ホール」、2,300席 会議場・展示場)
・保育所
・事務所
・駐車場


(上記HPより)

分譲マンションにショッピングモール並の店舗数を備える商業施設、そして2,300席のホールやホテルを始めとするMICE(マイス)機能まで、ありとあらゆる集客施設を集めた施設です。

広島駅南口Bブロックの再開発ビル「ビッグフロント広島」ですら延面積は12.5万平方メートルですから、
”本当にこれが熊本にできるの!?”と驚いてしまうほど、モンスター級の規模を誇る再開発です。

各層にオープンテラスがある構造も、”コンセプトに留めず、よく実際に作った(作る)な”と感心しますね。

 

熊本駅から路面電車で移動し、辛島町で下車しました。
東側から望む、再開発ビルです。

鉄骨の躯体にたくさんのクレーンが生えています。地上の工事が始まって既に6~7階あたりにまで到達しています。
この距離でもかなりの規模感を感じます。

 

北西側から仮バスターミナル越しに見る再開発ビルです。

元々はビルを建てている敷地に九州産交が運営するバスターミナルがありましたが、工事のため、隣接する敷地のビルを解体し暫定的なバスセンターとして運用しています。

完成時は、敷地東側(こちら側)に隣接する南北の車道を「シンボルプロムナード」とし、
撮影場所の花畑公園と合わせて歩行者主体のオープンスペースが整備される予定となっています。

ヒトが創る賑わいといった面でも注目なポイントです。

 

もう一度、南東側から。

南側の路地を東から西に向かって進んでいきます。
しかし、引きで見ると本当に巨大です。

 

南東の角に整備されるのは地上15階の分譲マンション、「ザ・熊本ガーデンズ」(145戸)です。

 

このマンションは、我らが地元不動産のマリモが分譲しました。公式サイトでも大きく紹介されています。
【株式会社マリモ】:ザ・熊本ガーデンズ

既に全戸完売しているようですね。

 

マンション(+ホテル)が入る15階建ての建物は、南西側の公益施設と直結します。

 

 

 

南西側に立つ「熊本城ホール」です。

 

【公式】:熊本城ホール

公式サイトも既にできております。

メインホールは2,300席と大きなものです。
広島文化学園HBGホールでやっと2,000人ですから、このクラスのハコが街の中心にできる熊本は羨ましいです。

 

本当側から見る熊本城ホールです。

このクレーンの数には圧倒されました。

熊本城ホール2019年12月の開業予定
マンションや商業施設など、ホール以外の施設2019年夏の完成予定となっています。

 

商店街の「サンロード新市街」から見る再開発ビル。

熊本の最も賑わう繁華街は、まさにこの再開発を起点として北東側に広がります。
立派な駅舎に対し利用客が少なく感じた熊本駅とは対象的に、こちらの繁華街の方は多くの人で賑わっていたのが印象的でした。

そこに誕生しようとしている桜町再開発。
繁華街と相乗効果が生まれればいいですが、あまりにもてんこ盛りな施設でここで用事が完結してしまう可能性もあり、古くからある商店や百貨店の高島屋、鶴屋、それからパルコなどの小売大手もかなり警戒を強めているでしょうね。
バスターミナルを内包しており交通結節点であることも大きな強みです。

 

もう一つの交通結節点である熊本駅でも、前回ご紹介したように駅ビルを建て替える大きなプロジェクトが進行中です。

先日、といっても7月になりますが、休みを使って九州の方に行ってきました。 旅のメインは、火の国 熊本です。 福岡・博多は何度も行ったことがありますが、そこから先はほとん

こちらもファッションや雑貨、飲食の専門店街に、シネコン、ホテルと、内容は桜町再開発とほぼ同等の機能を備えます。JR九州も必死ですからね。
桜町再開発の完成から2年弱遅れた2021年春の開業予定です。

都市内の2つの核でそれぞれ大型施設を建設し、お客の引っ張り合いが始まります。熊本凄いな…。

70万という人口を考えてもかなり攻めたまちづくりであり、勢いを維持したまま共存共栄を図るのは結構大変なことでは無いかと思います。
回遊性を高める意味では、広島と同様に駅前と中心部のシームレスな連絡は重要です。

熊本駅ではこの繁華街や熊本城方面へ行くための、もっと明確で分かりやすい案内があってもいいのになと思いました。

 

ともあれ、マリモも参画する再開発は1年後の2019年夏には完了します。
その頃また訪れてみたいと思いました。

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