そごう広島店 『建て替え』を見据えた改装進める方針! 第一弾は観光案内所を設置へ

昨日の中国新聞にビックリするような見出しの記事がありました。

広島市中区の百貨店「広島そごう」は、将来の店舗建て替えを見据え
利用者ニーズを把握するための小規模な改良を進めていく方針を明らかにしました。

まずは本館1階西側の入口をリニューアルし、
英語と中国語が話せるスタッフが常駐する観光案内所を12月7日に開設するとのこと。

【中国新聞】:建て替え見据え改装 そごう広島店、要望把握へ


(上記中国新聞HPより一部使用)

 


広島そごう本館に新設される観光案内所イメージ(上記中国新聞HPより)

 

まとめると

  • 「広島そごう」は将来の建て替えを見据え、小規模な改装を進める方針を明らかに。(吉田店長)
  • まず12月7日、本館西側入口を改装し、英語・中国語を話せるスタッフが常駐する観光案内所を開設。店内や観光地の紹介、宿泊施設の手配も行う。
  • 外国人の要望を把握し将来の店舗づくりに生かす。
  • 各地のケーキやパンを店内で楽しめる催し物が人気。地下の食品売り場をそうした体験の要素を取り入れた改装を検討。
  • 紙屋町八丁堀地区は都市再生緊急整備地域に指定され、「何年か先には建て替えの話が出る。平和公園やバスセンターなどと連携を含め、未来像を描きながら実験や検証を進める」(吉田店長)

 

そごう広島店(本館)

「そごう広島店」は本館と新館の2館体制。
新館が1994年に再開発により「リーガロイヤルホテル広島」や商業施設の「パセーラ」とともに開業していますが、
本館は1974年に完成・開業し築40年以上が経過しています。

老朽化はおそらく誰もが感じていることだろうとは思いますが、
郊外の大規模小売店に押され続けている「百貨店」業界、ましてや都心のど真ん中でバスセンターも3階に内包する複雑に影響しあうそごう広島店(本館)。
建て替えなぞ途方もない先の話と思っていましたが、
店長の口から”建て替えに向けたニーズ把握(市場調査)のための改装を進める”という、
非常に前向きなコメントが出たことに驚きました。

中国新聞には”紙屋町地区が国の都市再生緊急整備地域に指定され、再開発の機運が高まっている。”と書かれています。
もし緊急整備地域指定が、今回の「建て替えを見据えた改装」を進めるきっかけの一つとなったのだとしたら恐るべしです。

とはいえ規模が大きく、セブン&アイグループの投資計画にも関わってくることなので、
どちらにしろまだまだ長い年月はかかるでしょう。
(あまり期待が先行し独り歩きしないようにしましょう^^;)

広島の広域交通の拠点「広島バスセンター」を工事の期間中どのように維持するのか、という点は非常に大きな課題になると思われます。

個人的には活用方法の選択は別にして、あれだけの本数を捌くことができるまとまった土地というのは、
旧広島市民球場しかないのではないかと思います。

どれも単独では進められない都心ならではの難しさがありますね。

 

 

一方、広島を代表するもう一つの老舗百貨店である「広島三越」について先日このような報道がありました。

【日本経済新聞 】:三越伊勢丹、広島など地方店の改装加速 閉店は一巡

三越伊勢丹ホールディングスは、この数年で行ってた不採算店舗の閉鎖は一段落し、
広島や松山といった地方店については、周辺の観光地に合わせた飲食サービスや住民の需要にあった専門店を誘致するなど、積極的な投資によるリニューアルを行っていく方針を明らかにしました。

すでに今年の春以降から、三越伊勢丹本体から人材を送り込み生き残りへの新たなモデルを模索しているようです。

百貨店は繁華街の象徴であり、郊外にはない都心ならではの気品を持ち合わせた商業施設。
撤退するような事態になれば、都心の求心力の低下は免れずますます客が離れる悪循環に陥ることは避けられません。

近年開業した「LECT」や「THE OUTLETS HIROSHIMA」といったSCでは、”時間消費”、”コト消費”が一つのテーマになっています。
都心の百貨店でも、いやむしろ都心の百貨店こそ、そうした体験型サービスを充実させ一つのステイタスを作るのが再生のカギである気がします。
今後の巻き返しに期待するばかりです。

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