一昨日の中国新聞に掲載されていた情報です。
コメントでもいただいておりました。ありがとうございます。
広島県の湯崎知事は、築60年を越え老朽化している広島県庁舎の将来の在り方について、
紙屋町・八丁堀地区が国の都市再生緊急整備地域に指定された背景を踏まえ、
「できる限り早い時点で検討に着手する」との考えを重ねて示しました。
庁舎については1990年代から建て替えが議論されそのための積立金も準備されてきましたが、
財政難から2011年に耐震化工事(延命)を行うことを決定、来年度から3年がかりの耐震工事を始めることが決まっています。
今年、紙屋町・八丁堀地区が国の都市再生緊急整備地域に指定されました。
都心部の長年の課題の一つだった県庁の将来の在り方についても、今後動向の変化があるのでしょうか。
【中国新聞】:広島県庁舎「早期に検討着手」
都市再生緊急整備地域に紙屋町・八丁堀地区が指定された背景を踏まえた、
湯崎知事が述べた内容は以下の通りです。(中国新聞に記載されている限り)
- 県庁敷地を含む両地区は、中四国地方全体の発展を引っ張る核の一つで、広島の顔のエリア
- 都心部には古くなった建物が多く、民間による再開発や高度化が重要
- 建て替えを含む県庁舎の将来的な在り方では、都心部の機能配置との関係や県庁舎として備えるべき機能などを検討していく必要がある
県議会のHPに議事録か録画があれば正確な発言の内容が判ったのですが、公開されていなかったので中国新聞の記事ベースの話になります。
知事としてはあくまで”これまでの経緯を踏まえ、望ましい県庁の将来的な在り方について検討を続けていく”という意図での発言かと思います。
(緊急整備地域に指定されたから、急いで建て替えの検討を進めるという意図ではない)
ただ、当面は耐震補強工事により、地震発生時の倒壊という危機は凌ぎますが、
中長期的には知事が述べているように、都心部の機能配置や備える機能の検討を踏まえ、中四国地方全体の発展を引っ張る核として、検討を続けるのは重要かと思います。
県庁のある中区基町は紙屋町、八丁堀に隣接した都心部の中でも特に利便性の高い地域です。
新白島駅の開業により、JR線からもスピーディーかつ安定的なアクセス性が確保されるエリアとなりました。
再開発を促す都市再生緊急整備地域にも指定され、様々なメニューが考えられるようになっていると思います。
・現在地での建て替え。民間の再開発事業者を募り建設した共同ビルに入居。
・現在地での建て替え。広大な敷地を切り分け、民間に売却。売却益で残った敷地に高層化した県庁を新築。
・全く別の敷地に県庁を移転させ、敷地をすべて売却、または市やDMOと連携し再開発。
いずれにしろ、この敷地だけを将来的にも県庁だけで使うことは考えづらいと思います。
望ましいのはやはりこうした立地を活かしたビジネスパーク的な施設、
もしくは数千人収容できるホールなどでしょうか。
1972年に完成し築46年が経つ「広島県立文化芸術ホール」(上野学園ホール)の更新と合わせ、
ホールを県庁敷地に新築移転させ、元の土地は売却するというのはどうでしょう。
また旧広島市民球場跡地とは地下で繋がっているので、NTTクレド基町とも一体となったMICE拠点として整えるのもありだと思います。
もちろん格式高いシティホテルを誘致するのも一つの案ですが、老舗のリーガロイヤルホテルが目の前にあるので、敬遠いろいろな面で色々な所から敬遠されそうな気がします。
とはいえ、これから耐震補強工事が行われるので、
本当に具体的なことが検討されるようになるのは10年20年先と考えておいた方がいいでしょう。
都心の一等地で非常にもったいない使われ方をされているのは事実なので、早くビジョンを決めてそれに向けて検討を進めていってほしいです。
現在の県庁舎の状況を見てきました。