地元ベーカリー企業のアンデルセンは、広島の商業の中心軸、中区本通商店街の中で営業を続けていた、
「広島アンデルセン」の建て替え工事に着手しました。
地上5階で、営業していた頃と同様に1階のベーカリーの他、2階より上はレストランやパーティーが開ける開場などが設けられます。
被爆建築だった従来の建物の外壁の一部が、新しい建物の2階の外壁に継承されることになりました。2020年8月のオープンを目指します。
【アンデルセン・パン生活文化研究所】:広島アンデルセン 2020年8月オープンに向けて建て替え工事着工
前回の状況です。
今回は南側の様子から。
前回の更新時、8月頃から地上部分の工事が本格化しました。
早くもRCの鉄筋や型枠が2階部分にまで達しています。
このアンデルセン新本店に関して、先日ニュースがありましたね。
【日本経済新聞】:被爆旧店舗の壁、新店に取り付け 広島のアンデルセン
アンデルセン・パン生活文化研究所(広島市)は3日、建て替えを進めている主力店「広島アンデルセン」で、被爆した旧店舗の外壁を新店舗に取り付ける工事を実施した。新店は2020年8月開業予定。同社は「被爆建物としての歴史的意義を次世代につなぎたい」としている。(一部引用)
元の被爆建物から引き継がれる一部の外壁が、新店舗に取り付けられたようです。
「帝国銀行広島支店」として使用されていた元の建物は、1945年8月6日の原爆により爆心地側の北西の壁は崩れ落ちたものの、反対の南東側の壁は解体されるまで保存されそのまま活用されてきました。
それらは新店舗にも引き継がれ、東側の壁面の一部に外壁が取り付けられる事になっていました。
南側の「ユアーズ」が入るグランドパーキング本通から少しだけ見ることができました。
足場の一つ内側にある板が、被爆外壁ですね。
これまで広島では、被爆建物がそのまま保存されているものはよくありますが、
こうして新ビルの一部として活用される事例はほとんど無かったのではないかと思います。
広島を代表する企業によりこうして次の世代に引き継がれることは非常にありがたいですね。
南側の路地から見上げてみました。
大きなクローラークレーンがいるので、この付近の躯体構築は最後になるかもしれません。
商店街内から。
分かりにくいですが、足場越しに見えた外壁も。
工事の真っ只中である今は、仮囲いの前をただ人々が通過するだけですが、
完成して再び憩いと賑わいを生む場所になるのが待ち遠しいです。
1階はガラス張りになるので、通りからの見え方というものもかなりこだわってくるのではないかと思います。
広島アンデルセンは2020年7月竣工、2020年8月オープンの予定です。