昨日中国財務局で行われた一般競争入札で、
二葉の里5街区の約1.5haの土地を大和ハウス工業ら3社が共同で落札しました。
地上23階の複合棟など合わせて3棟のビルを建設する計画が明らかになっています。
広島テレビなど3社、広島駅北へ複合施設建設。イメージ図など
丸一日経ちまして、新たに分かった情報などを紹介していきます。
(多くの方に教えて頂いていました。ありがとうございます。)
中国財務局による公式資料です。
【中国財務局】:二葉の里地区国有地の二段階一般競争入札の結果について(PDF形式:681KB)
完成イメージ ※
完成配置図 ※
(※ 画像出典:上記PDF資料より)
広テレの本社ビルの屋上には少し高さのある電波塔が飛び出る形になるのですね。
昨日気になっていた”3棟の間の賑わいのための大通り”は、売却される土地のちょうど中心辺りを南北に貫く形になるようで、
北側の高精度放射線治療センターなどを利用する人の動線にもなりそうです。
このニュースは中国新聞以外でも取り上げられました。その中には非常に興味深い情報も…
【読売新聞】:「広島駅前」ビジネス拠点に…二葉の里5街区
【日本経済新聞】:広島駅北口「5街区」、オフィス中心にビル3棟開発 (以下一部転載)
開発の中心は3棟のビルだ。エネコムが2016年の竣工をめどに、企業向けサービスのためのデータセンタービルを検討中。19年には広テレが本社ビルを建設する。同年には大和ハウスが商業施設やオフィス、ホテルを核とする複合施設を完成させる計画だ。
3棟のビルにはそれぞれ多目的ホールを組み込み、大規模会議に対応する。大和ハウスの複合施設の1階にはバスターミナルも設ける。ホテルは「ダイワロイネットホテル」の方針。区画中央に南北を貫く遊歩道を設け、イベントに生かす。
広島市の松井一実市長は落札結果を「広域的ビジネス拠点という、目指すまちづくりの実現に向けた大きな推進力になる」と歓迎。広島県の湯崎英彦知事は「(入居施設が)コロコロ変わるようなことがないように、落ち着いて安定的なものになってほしい」と求めた。中国財務局の河野一郎局長は「南口の再開発と合わせ、都市再生が加速度的に進むことを期待している」と語った。
同地区は戦前、旧帝国陸軍が使用していた。戦後は国有地となり、旧国鉄が借りて事務所や宿舎に利用。国鉄民営化後はJR西が使用し、05年までに更地にして国に返還された。12年度から順次売却が進み、これまで警察署やマンション、商業施設の立地が決まった。
5街区については落札額だけでなく、事前に施設の中身や運用をチェックする2段階の手続きを踏んだ。第1段階では2グループが応募し、点数が規定に届かなかった1グループは脱落した。
もともと広島市や地元経済界は5街区を「ビジネスの拠点」と位置付けてきた。ところが一時、流通大手が商業施設を核に出るとの噂が流れ、危機感を持った松井市長が今年1月、地元経済3団体のトップを休日にもかかわらず呼び出し、本社移転など異例の協力を要請した経緯もある。
結果的に流通大手は計画を出さず、商業施設の建設が見え隠れした残り1者も第1次審査で消えた。地元の提言などが盛り込まれた開発要項に沿った1グループが最終的に残った格好だ。
(ここまで)
なんと、“大型商業施設を運営する流通大手”が出店を画策していた模様。
この街区をビジネスや人材育成の拠点と位置づけていた広島市は、松井市長が本社移転などの協力を要請したようです。
おっそろしい・・・
断定はできませんが、おそらく今度岡山駅前に出店する所でしょう。
結局この流通大手は手を上げることは無かったようです。
施設単体を見ればバリエーションに富んだお店が何百と入っていて、そこだけで一日中楽しめる魅力ある施設なのでしょうが
広島には中心部を取り囲むように幾つもの大型SCが出店しており明らかに過剰供給です。
ビジネス拠点も確保できないまま、中心部の商業ゾーンが大ダメージを受けるところでした。本当に助かりました。
このような流れもあり昨年11月の入札公示から今に至るまで、調整や検討は慌ただしく行われたことが想像できます。
広島テレビの新本社となる「メディア棟」のデザインが古臭いと言われていますが(笑)、パースは急ごしらえで作成されたものなのかもしれません。
今日報道された地元ニュースも含めて、この他明らかになったことをまとめます。
日経によると、多目的ホールは広テレ本社が入るメディア棟だけでなく3棟それぞれに組み込まれるようです。
大規模な会議などに使用されます。
これは想定されていた「メッセ・コンベンション機能」を一部取り入れたということなのでしょうね。
複合棟に関して。
大和ハウス工業が建設する地上23階・地下1階のビルのホテル部分には、
グループ会社が運営する「ダイワロイネットホテル」が入ることが分かりました。
200室程度のホテルになるとのことです。
(ホテルグランビア広島が403室、シェラトンホテル広島が238室)
複合棟のオフィス部分は紙屋町交差点に建設された広島トランヴェールビルディング(オフィス部分)とほぼ同規模の約5000坪=約1万6000平方メートルを想定しているとのこと!
駅周辺、特に二葉の里5街区は「ビジネスの拠点に」という意向が強く反映された形になります。
2010年に若草町再開発で完成したアクティブインターシティ広島のオフィスビルは、
開業時こそ3割の空室を抱えていたものの現在は満室だそうです。
中心部のオフィスビルには老朽化している物が多く、やはり新しい設備を備えたオフィスビルへの需要が蓄積されているとのこと。
八丁堀ではありますが、今年2月にはこのような計画も明らかになりました。
相生通りに大規模オフィスビル! 広島八丁堀共同プロジェクトが始動
今回の発表は、おぉ!とビックリ感激するものではなかったのかもしれません。(広テレの移転はそれはそれで驚きましたが…)
しかし流通大手による大型SCの出店話があった背景や、それぞれの施設の将来性を考えると及第点には達していると思います。
広島の拠点性向上に向けてスケジュール通りに事が進むことを願いたいですね。
テレビでは「最後の一等地」という取り上げ方が多かったですが、同じ二葉の里5街区の東側、JR西日本広島支社のビルの今後の動向も注目すべき点です。
思い起こせば、JR西日本は“用途を限定しない、商業施設や文化施設を組み合わせた複合オフィスビル”
を二葉の里の自社所有地へ検討中であることを明らかにしています。
JR西、二葉の里で複合ビル開発を検討!
当時とは支社長が代わってしまいましたが、ビルの老朽化も進んでいますし基本的な方針は変わらないでしょう。
オフィス供給は不足気味。この周辺が第二のビジネス複合拠点として生まれ変わることに期待したいです。