Jリーグサンフレッチェ広島の新たな本拠地となるスタジアムが、2022年2月に広島市中区中央公園で着工しました。
広島市が主体となり整備するこのスタジアムは3万人収容で、マツダスタジアムのように多種多様なバラエティシート、VIPルーム等が設けられます。
広場および西側の河川敷エリアと、スタジアム内それぞれの回遊性を高める2層のコンコースも特徴の一つです。
広場と一体となり、旧広島市民球場跡地エリア、広島城エリアともデッキで接続し、
「まちなか」に開かれた新たなシンボルとなります。
2023年末に竣工し、2024年のJリーグ開幕から使用される予定です。
前回の状況です。
今回は4月初旬と下旬に2回撮影しています。
この記事でまとめてご紹介します。
事業概要
【広島市公式ホームページ】:サッカースタジアム等整備事業の基本設計
- サッカースタジアム等整備事業の基本設計の概要 [PDFファイル/7MB]
- (参考)用語の解説 [PDFファイル/296KB]
- サッカースタジアム等整備事業 基本設計説明書【概要版】 [PDFファイル/29.23MB]
【大成建設】:広島市サッカースタジアム等整備事業
(上記HPより)
【サンフレッチェ広島】:HIROSHIMAスタジアムパークPROJECT
流線型の大屋根と西側メインスタンドの状況
今回は桜の季節ということで、北西側に当たる横川からスタートです。
横川橋付近から見るスタジアム。
かなり近く感じます。
新スタジアム開業後も広電やバスあるいは徒歩などで、
スタジアムアクセスの一端を担うことが予想されます。
北側に流れ落ちる屋根が、面としてはっきり確認できるようになってきましたね。
南下して、寺町付近から。
なんと文化的で素晴らしい光景だろうか。
スタジアムができる以前から、本川では水上タクシーや水上アクティビティが、
基町環境護岸ではピクニックなど、都心における市民の憩いの空間として活用されています。
ここにスタジアムが完成することで、人々の交流はさらに加速することになります。
空鞘橋から。
とてつもない建設中の迫力ある姿です。
メインスタンドの南端には、ケーブルが巻かれたドラムが仮足場にセットされています。
これが、スタンド全体を覆う大屋根の要、張弦梁(キールガーダー)の部材ですね。
大屋根の梁となるトラス状のアーチの荷重を、ピッチと平行に渡したケーブルが受け持ちます。
スタジアム内観イメージ(広島市HP『サッカースタジアム等整備事業 基本設計説明書【概要版】 [PDFファイル/29.23MB]』より)
まちに開かれたスタンドコーナー部の構築
ここからは4月下旬に撮影した画像がメインです。
もう一度、西側メインスタンドの状況を空鞘橋付近から。
”まちに開かれたスタジアム”を体現する、コーナー部分の開口となる箇所の構築が進んでいます。
特徴は美しい三角形の斜め柱。
南西側角の構築状況です。
もはや言葉では表せないほどダイナミックで美しいです。
2枚目はスタンドの断面形状がはっきりわかりますね。
この三角形の斜め柱は、開放されているコーナー部分から見える構造。
翼を広げたような形状の大屋根とともに、このスタジアムのチャームポイントの一つになりそうです。
東側から。
南サイドスタンドの構築はこれからといった状態では、
連なる2つの三角形がよく目立ちます。美しい。
東側バックスタンドの状況です。
ちょうどこの時、ケーブルの据付が行われているところでした。
上記の場所から振り返ると、ファミリープールの敷地に沿って、南方向にペデストリアンデッキとなる大型スロープが新設されます。
基礎工事が完了していました。
まちとスタジアム、人とスタジアム
おりづるタワーから。
屋根の工事に目を奪われます。
手前の南サイドスタンドの構築も進み、高さを増してきていますね。
再び、桜咲く4月上旬の状況です。
満開の桜と、お花見を楽しむ人々、そしてスタジアムの姿がこの上なく印象的でした。
一帯は市民によるパブリックスペースを活用した賑わい創出の場所として、
2021年度から地元関係者らでつくるコンソーシアムにより、管理運営が行われています。
【公式】:RIVER DO HOW – 川辺は広島の「縁側」みんながつどい、つなげる空間へ。 – River Do!基町川辺コンソーシアム
隣接地に開業した「ひろしまゲートパーク」と合わせて、
近年に無いほどの賑わいを見せていました。
まちなかへのスタジアム建設は英断だと思います。
祝開業!HIROSHIMA GATE PARK PLAZA(ひろしまゲートパークプラザ)2023.04(Vol.6) 球場跡地が蘇る
原爆ドーム付近からもスタジアム本体を望むことができます。
これほど世界的知名度が高い場所かつ宿泊やご当地グルメ、アクセスなど利便性の高い場所に立地するサッカースタジアムは、国内でもここだけですね。
広島市サッカースタジアムは2023年12月末の完成予定で、2024年シーズンから使用を開始します。
東側の広場エリアも並行して整備を進め、2024年8月の全面開業を見込みます。