広島県の港湾計画で、広島電鉄の宇品線を延伸し終点に車庫を整備する計画の続報です。
広島電鉄の椋田社長は、本社に隣接する千田車庫を出島に建設する新しい車庫に移転させた後、
跡地をマンションやクリニック等の開発を構想していることが分かりました。
2020年東京オリンピック・パラリンピック以降に具体化させるとのことです。
【中国新聞】:広電がマンション構想 本社隣、千田車庫を移転
(上記中国新聞HPより一部使用)
紙屋町や八丁堀と程よく距離があり、両地区や広島駅とも交通の利便性が良いため、住宅用地としては優れている立地です。
広電本社とそれに隣接する千田車庫の北側、広島大学本部跡地ではトータテの「Garden Garden」ノース・サウスタワー、そして建設が進められている「hitoto 広島 The Tower」といったタワーマンションが立ち並ぶエリアになりました。
広島電鉄にとっては、駅前大橋線や車両の更新に加え、老朽化している千田車庫の機能を出島の埋立地に移すなど、投資が重なる時期で、
跡地開発により確実に収益を確保しなければなりません。
大型のタワーマンションの可能性は十分ありますね。
合わせて、戦前から運用されてきた広電で最も古い車庫として、なにかそれを後世に残すようなものがあれば、観光資源にもなり得ます。
個人的には、車庫の一部を活用した「路面電車博物館」を作ってもらいたいです。
全国各地の退役した路面電車の車両が走っていることから、広島はたびたび「動く路面電車の博物館」などと言われますが、
裏を返せば車両更新が追いつかずバリアフリーも十分進んでいないことを表しています。
「胸を張って路面電車の歴史を内外に伝え残す事のできる博物館を是非!
さて、余談になりますが、先日これを発見しました。
広島電鉄1000形のトップナンバー、1001号です。
2013年のデビュー当初は、広島電鉄の電車開業100周年を記念した「アニバーサリーレッド」をまとい、「ピッコロ・ピッコラ」の愛称で市内を走り始めました。
ところがなんと、この春に1000形の1003号以降で用いられているカラーリングに塗り替えられ、名称も同様に「グリーンムーバーLEX」に統一されてしまったようです。
しかも車両の片側側面と片方の先頭車両は、見覚えのある模様のラッピングがなされています。「広電バス」のカラーリングですね。
これはデザインの話なので、個人的感想として流してもらって結構なのですが、
電車には電車、バスにはバスに似合うデザインがある。
以前までの「アニバーサリーレッド」が非常に上品で気に入っていただけに、この緑のカラーリングになってしまった車両を見て、愕然としました。。。
緑にされる以前も、まるでこの「アニバーサリーレッド」を隠すように、白を貴重とした花柄のラッピングが長期間続いていました。
デビューした2013年は、越智前社長時代でした。
もし、あの「アニバーサリーレッド」が、前社長が残した「残滓」的な意味で、このように塗り替えられたのだとすれば、それは非常に残念なことです。
広電駅前大橋線の広島駅乗り入れ方法が議論されていた頃、地下乗り入れを強く推進していた前社長は、「経営が独断的」との理由で当時の役員のクーデターにより解任されており、現在の椋田社長に至ります。
良いものは良い。ましてや自社の電車開業を記念したカラーリングを、こうもあっけなく上書きしてもいいのか…?