JR呉駅の改札口がリニューアルされ、供用を開始しました。
JR西日本と広島県などが行う「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」の一環で、新しい定期観光列車「etSETOra(エトセトラ)」もデビューしました。
呉駅は「etSETOra(エトセトラ)」が立ち寄る停車駅となっており、
訪れる観光客に呉らしさをアピールしようと、レンガ調の内装に一新されました。
先日、この列車には乗れなかったものの、普通に呉を街歩きしてきたので、
まずはこの呉駅の変化からご紹介します。
レトロに生まれ変わった呉駅改札口
改札を出た駅ビル内のコンコースからです。
ご覧のとおり、改札周りの壁面がレンガ調のタイルで覆われ、雰囲気が一新されています!
暖色系の間接照明も組み合わされ、呉らしいレトロモダンな印象になりました。
改札上部のLED発車標。
数年前来たときにはここに発車標はなかったと思います。運行情報を知らせるLCDモニターも設置されましたね。(今回のリニューアルで設置されたものではないかもしれません。)
改札横には、縦型のLCDデジタルサイネージも。
観光地にふさわしい設えになったと思います。
大和ミュージアムなどがある方へアクセスする「みなと口」付近。
横に呉市の観光案内コーナーが設けられていました!
ここは以前、有名なアイスモナカの「巴屋」があった場所ですね。無くなってしまったんですね。。
みなと口から駅舎の外に出ました。
レンガ調の内装はここまで続いていました。
先程も書いたように、このルートは呉を代表する観光地の一つ「大和ミュージアム」に行くための経路にもなっているので、
このように統一感のあるリニューアルが行えて非常に良かったですね。
改札の中からも。
暖色系の照明で、一味違った雰囲気になっています。
ですが、上屋部分に少し古さが残るのが惜しい。。
古いなりに、鉄骨を黒に塗装し倉庫のような雰囲気にすればもっと良くなると思います。
大阪環状線の駅で実績があるので、もう一歩検討をお願いしたいです。
【JRおでかけネット】:大阪環状線改造プロジェクト/駅美装化改良
あり方が議論される呉駅前
呉駅の外、大和ミュージアムとは反対側、北側の駅前広場に移動しました。
呉駅前を取り巻く動きとして、今年度の国土交通省の予算に、
「呉駅の交通結節機能の強化に向けた調査」が含まれました。
東京都の新宿駅に、国道事業の一環で官民が一体となったバスターミナルを整備した施設「バスタ新宿」の実績を活用し、
地方のターミナルにも展開していくプロジェクトが動いており、呉駅はその中の検討対象の一つに選定されました。
さらに、この動きと合わせて、呉市でも今年
「呉駅周辺地域総合開発基本計画」がまとめられ、呉駅の開発方針などが明らかにされました。
【呉市】:呉駅周辺地域総合開発基本計画 (PDF, 14.7MB 注意)
短期、中期、長期的な視点に分け、この呉駅を歩行者を含めた様々な交通モードが交わる賑わいにあふれた大きな交通結節点にしようという基本計画です。
これまであまり注目できていませんでしたが、基本計画にはかなり大きなことが書かれております。
■旧そごう呉店の跡地活用
最大のトピックはこちらではないでしょうか。
閉店から年月が経ちもぬけの殻となっている旧「そごう呉店」については、
民間と協力し複合施設に建て替えることとしています。
面白いのが、現在自動車送迎スペースが広場内になく手狭であるということから、
そごう跡地の一部の敷地を交通ターミナルとして拡張し、施設と立体的な相互の交流を想定していること。
このあたりの官民連携の計画が、国のバスタプロジェクトに選定された大きな要素ですね。
現在の旧「そごう呉店」。
店舗が面する国道31号。(広島方面を望む)
建物はこうしてまだ残っています。
建て替え後の施設は、居住機能、宿泊機能、商業・賑わい機能、公益機能、交通結節機能と、
多様な用途を想定しており、それぞれがどの程度の割合・規模とするかは現在検討が続けられているようです。
資料を見ていただくと分かりますが、1階はそごう呉店の跡地も一部活用した、バス、タクシー、一般車が乗り入れる交通広場、
2階はこの広場をほぼ全て覆う広大なデッキを設け、歩行者のみならず小型の次世代モビリティや緊急車両が乗り入れ、防災力の強化を目論んでいるようです。
将来の導入を見据え、昨年トヨタの水素燃料電池バスが呉市内を走りましたね。
【呉市】:「次世代モビリティ導入に向けた交通社会実験」を実施しました
これらを含め、呉市では大きく3期に分けて、
呉駅周辺の総合的な開発に関する基本計画をまとめています。
(上記資料より)
ということで、そごう呉店の跡地を活用した複合施設の整備や大規模デッキの整備による駅前広場の整備、
そして呉駅の南北一体の玄関口形成に向けたJR呉駅の橋上駅化などといった大胆なハード整備は、今後5年間(~2025年度)の第1期中に行われることになります。
第2期(5~15年後)は、どちらかというとそれらのハードを活用・拡張した、周辺施設との連携強化、賑わいの波及(面的に拠点性を強化する)を計画。
第3期(15年後以降)は呉市全域、また周辺自治体と連携強化を目的とし、
ITを活用し目的や個々人に応じた様々な交通モードの提供を行い、移動の円滑化、スマートシティの実現を目指すこととしています。(抽象的な説明ですみません。)
これまであまり紹介しておりませんでしたが、今後の動きには注目していきます。
おまけ。そごう呉店跡と駅前広場を挟んで対面する「呉 阪急ホテル」。