広島県と広島市は、2017年4月に策定した「広島西飛行場跡地利用計画」に基づき、
広島西飛行場跡地の有効活用を勧めています。
計画では地区内道路等の基盤整備に加え、跡地を広域防災、新たな産業(雇用)、スポーツ・レクリエーション、新たな産業(にぎわい)の4つに分けて、それぞれ開発を行います。
前回の状況です。
跡地利用計画の概要
【広島市】:広島西飛行場跡地利用計画[PDFファイル/1.8MB]
竣工したDPL広島観音、モルテン本社など
広島ヘリポートから南下していきます。
トラックが走行できる大型のスロープが目を引く大和ハウス工業のマルチテナント型物流施設、
「DPL広島観音」は2021年10月に竣工しました。
【大和ハウス工業】:DPL広島観音|マルチテナント型物流施設
名称 | DPL広島観音 |
所在地 | 広島県広島市西区観音新町4丁目2874番165 他4筆工業団地「広島イノベーション・テクノ・ポート」内 |
交通 | 山陽自動車道路「五日市インターチェンジ」および「廿日市インターチェンジ」から約10km |
敷地面積 | 39,551.75㎡ |
延床面積 | 96,558.52㎡ |
構造・規模 | 鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造 5階建て |
設計・施工 | 株式会社フジタ |
着工日 | 2020年6月1日 |
竣工日 | 2021年10月 |
総事業費 | 約180億円 |
最初の画像にも少し写っていますが、北側には同じく大和ハウス工業の大型倉庫が完成していました。
それらに挟まれる敷地には、スポーツ用品、自動車部品等を開発する世界的企業のモルテンが
新しい本社を完成させ、2022年11月1日から業務を開始しました。
【モルテン】:molten[the Box]
【モルテン】:テクニカルセンター molten [the Box] 完成
the Boxという名称の通り、ガラスとアルミのパネルで覆われた美しい直方体をしています。
広島出身の谷尻氏らが率いる「サポーズデザインオフィス」が建築デザインを監修しました。
公式サイトによると、内部はオールジェンダートイレやフリーアドレスデスクの採用、製品開発をスムーズにするためのバスケットコートなど、
広島市内のオフィスとして見ても最先端のコンセプトが盛り込まれた空間となっているようです。
建物の南側には「Hakoniwa」と名付けられた空間が広がります。
無機物を相手に仕事をするエンジニアに、自然の有機物に触れてもらい創造性を刺激する目的で、
3匹の羊が飼われていたり、300種類を超える植物や野菜畑を設けているとのこと。
凄いな…。クリエイティビティが加速しそうです。
北西側から。
先程のカットにも写りましたが、跡地の西側を南北に貫く新しい道路が供用を開始しています。
元は滑走路だった場所にこうして立ち入れるのは不思議な気分です。
すべては紹介しきれませんが、この背後も企業立地が進んでおり輸入車販売店を展開するコンクエストの整備工場等が完成していました。
産業エリアⅡ期の分譲・整備も進む
南側のマリーナホップ近くまで移動しました。
「広島イノベーションテクノポート」と位置づけられ整備された「DPL広島観音」等がの南側一帯。
ここにも同じく大和ハウス工業により「広島イノベーションテクノポートⅡ」として分譲が進められています。
Ⅱ期の分譲エリアから。
先程の図では13区画ある内の6区画が現時点で売約済みとなっているようです。
西側の新しい道路はまだ整備の途中で完全に開通してはいません。
太田川放水路の堤防は高潮対策の補強工事が行われているようです。
完成すれば堤防の上も歩けるようになりそうです。
ここまでが、産業エリアの状況でした。
西飛行場跡地は広島南道路に接した広域アクセスに非常に有利な立地にあります。
また今年度中には南道路からそのまま繋がる東広島・安芸バイパスが全線開通、
さらに将来的には西側の廿日市木材港~山陽道廿日市ICの接続も予定され、
物流・産業にとって一気に利便性の高いエリアとなりました。
分譲中のⅡ期エリアの注目も非常に高さそうです。
さらに南側のフットサルパーク等があるあたり。
広島市により多目的スポーツ広場を整備するための造成工事が2022年7月から行われています。
この場所については、プロ野球・広島カープ球団が、
少年野球やソフトボールができるスポーツ広場の整備費として4億円の寄付を行いました。
少年野球・ソフトボール4面、またはサッカーコート2面分利用できる人工芝のグラウンドとなります。
(広島市『広島西飛行場跡地に多目的スポーツ広場を整備します。』より)
2023年度中の供用開始を予定していましたが、今年行われるG7広島サミットに係る警備用ヘリの臨時発着拠点として使用される事となったため、
1年遅れて2024年度の供用開始を目指します。