広島県庁舎敷地有効活用事業 2025.05(Vol.5) 店舗と芝生広場がオープン!

広島県は、中区基町の県庁敷地内を民間企業に貸し付け、「新たな魅力拠点」とすることを目指す「広島県庁舎敷地有効活用事業」を進めています。

選定されたNTT都市開発を代表とする企業グループが2024年度から事業を進めており、既存の「県庁の森」と繋がる芝生広場と2棟の木造商業施設が2025年3月27日(木)に開業しました。

 

前回の状況です。

広島県は、中区基町の県庁敷地内を民間企業に貸し付け、「新たな魅力拠点」とすることを目指す、「広島県庁舎敷地有効活用事業」を進めています。 プロポーザルの結果、事業者は近隣の基

 

 

計画の概要

【公式】:広島県庁前ショップ&カフェ

【NTT都市開発】:広島県庁敷地で新たに商業施設および芝生広場の工事に着手

【広島県】:広島県庁舎敷地有効活用事業について

 

▼店舗概要

A Merci life organics 広島県庁前本店
(メルシーライフオーガニクス)
ベーカリーカフェ
B OMNIBUS ROASTERS MOTOMACHI HUB STATION
(オムニバスロースタリー基町ハブステーション)
カフェ
C ローソン広島県庁前店 コンビニエンスストア

(NTT都市開発『広島県庁前に新スポットが3/27(⽊)にグランドオープン 〜県内初出店を含む3店舗や開業イベントの開催も決定〜』(https://www.nttud.co.jp/news/detail/id/n26845.html)より)

 

NTTクレド基町の商業施設「パセーラ」から見下ろしました。

 

県庁敷地のかつて駐車場だった場所に、木造建築物と芝生広場が誕生しました。
背後には、オフィス・ホテル等を建設する「基町相生通地区第一種市街地再開発事業」の現場が確認できます。

広島市中区の旧朝日会館跡地、旧市営基町駐車場一帯で進める 「基町相生通地区第一種市街地再開発事業」が、2024年10月に着工しました。 2027年度から2029年度にかけ段階的

 

 

オープンした店舗はバス待ちしながら飲食も

鯉城通り上から。

 

敷地が面する鯉城通りには紙屋町バス停が位置しており、気軽に立ち寄ることができる配置となっています。
ベーカリー、カフェ、コンビニというテイクアウトしやすい店舗が揃っており、植栽の周りにベンチも設けられているので、
バスを待つ間に小腹を満たすこともできますね。

 

最も西側、鯉城通りに近いベーカリー。

「Merci life organics(メルシーライフオーガニクス)広島県庁前本店」。ここと広島駅駅ビルの「ミナモア」に立て続けにオープンしました。
休日は行列が絶えないですね。

 

県庁本館側にはカフェとコンビニがオープンしました。

 

 

店舗前にはシンボルツリーが植えられています。
もともと敷地内にあった樹木ですかね。
「MORI no KI TERRACE」とのサインがありますが、施設全体の名称にしてしまえば良かったのにと…。

 

東側の端は「ローソン」。ポプラのブランドも残す店舗です。

 

 

中央には自家焙煎のコーヒーやワッフルなどが楽しめる「オムニバスロースタリー基町ハブステーション」。

 

 

県庁敷地を東西に貫く『もとはちこみち』

芝生広場とは反対の、南側「県庁の森」が接する部分です。

 

店舗の間を通り、芝生広場と往来できます。

 

県庁の森に沿ってっ設けられたのが「もとはちこみち」。
県庁の敷地を横断するように東側に通り抜けることができる道が整備されました。
基町と八丁堀をつなぐ動線です。

 

 

県庁南東の敷地内にあった旧税務庁舎は、本事業の一環で解体され県庁利用者向けの平面駐車場となる予定です。
さらにその向こうには、現在建設が進む基町相生通地区再開発の高層棟が見えました。

 

 

高い利便性と『県庁敷地内』としてのこだわり

鯉城通り側の目立つ場所には、シェアサイクル「ドコモバイクシェア」。

 

芝生広場内にはこのようなベンチも新設されました。

 

木造商業施設の壁面には、施設のPRや広島県の工芸品などが木箱のショーケースで展示されています。

 

また、通行部分のインターロッキングブロックは県内で廃棄される牡蠣殻を再利用したものとなっています。
外壁のルーバーに使用されている木材は県産材が採用されており、広島県庁の敷地内の施設として来訪者に産業をPRする使命も持った施設です。
なおこの木造建物は、商業施設として全国初となる延焼防止建築物を実現した、環境面での先進性も併せ持つ建物でもあります。

以上、県庁の敷地内にオープンした新たな施設のレポートでした。

県庁敷地内という特殊な条件下で整備した本事業は、商業施設としての機能はミニマムながらも、「都心のオアシス」として、ゆとりと賑わいのバランスが取れた好事例と言えるのではないでしょうか。
今後、基町相生通再開発や八丁堀3・7地区再開発といった相生通り北側のさらなる発展が進む中で、この施設が基町・紙屋町と八丁堀を結びつける「ハブ」として重要な役割を果たす可能性も秘めています。

庁舎は耐震補強され延命されましたが、いずれ更新時期は来ます。長期的には今回のスペースが建て替え時のバッファとして機能することにもなり得ますね。

周辺の発展と共に県民に長く愛される空間に定着することを願います。

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