JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました。
新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2020年から建て替えを進めてきました。
地下1階から9階に、カフェやコスメ・雑貨、中四国最大の飲食店街やシネマコンプレックスなど、およそ220テナントが集積する商業施設です。
9~20階を占める「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」も同時開業しています。
中央アトリウム空間に乗り入れる路面電車は引き続き工事が行われており、
2025年8月3日に開業する予定です。
前回の状況です。
事業の概要
【広島電鉄】:広島駅「駅前大橋ルート」
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
駅前大橋線計画図(上記HPより)
複数の車両で連日続く試運転
駅前大橋ルートの開業まで半月を切りました!
広島駅2階のアトリウム空間です。
7月中旬ごろから、このように3本の編成が入線している光景が見えられるようになりました。
こうして列車が並んで停車する光景は圧巻ですね。
単車、連接車、超低床車両それぞれで、運転士の習熟を兼ねた試運転が続けられているようです。
7月18日には、開業を待つこの新しい広島駅が報道陣に公開されました。
新しい路線図や複数の液晶ディスプレイを用いた発車案内装置が公開されています。
【広島電鉄】:新・広島駅ホーム部の報道公開を行いました!
【NHK】:「駅前大橋ルート」広島駅の新しい電停を報道陣に初公開 広電
私が取材した際、LCDは稼働していなかったものの、新しい路線図は通路上から見えるようになっていました。
黒を基調とする新しいコンセプトの案内です。
1号線(紙屋町経由広島港行き)の路線カラーが水色に変更されたほか、
2026年春から既存ルートを活用して運行を始める循環ルート(路線記号:L)も確認することができます。
新旧の広島駅。
あと半月足らずで新しい高架ホームが使用を始めるとともに、
従来の地上ホームもその歴史に幕を閉じます。
改めて見ても、本当に建築限界スレスレなのがよく分かりますね。
広島電鉄は既存ホームからの最後の終電と、新しいホームからの最初の始発を記念するセレモニーを行う予定です。
【Yahoo!ニュース】:広島電鉄が8月3日早朝に駅前大橋線出発式典、新広島駅電停 廃止電停は2日深夜に(中国新聞デジタル)
試運転車両に注目集まる駅前通り
ここからは、駅前大橋ルート上から実際の試運転の状況をご紹介します。
私自身、初めてルート上で動いている姿を見ることができました。
広島駅を稲荷町方面に向けて滑り出していく車両。
電車同士が上下で立体交差している光景も今しか見られない貴重な光景です。
エールエールA館、ビッグフロントひろしまの前から。
運転士の習熟運転が行われる新路線。 pic.twitter.com/CAosHkIIvr
— 鯉党α(アンドビルド広島) (@abhiroshima) July 19, 2025
目線よりも高い位置を動いている車両に感動を覚えます。
道行く方々往来する電車を見上げており、写真を撮る人の姿も見られました。
従来なら交通量の多い駅前交差点の信号に左右されるところですが、
それに影響されることなく広島駅とを出入りします。
広島駅構内に入るための信号機が設けられている場所で、必ず停車を行っているようでした。
4%の勾配を下る駅前大橋区間です。
車道部分は駅前大橋中央に向かって逆に上り坂になっていることもあり、
以前から数字以上に勾配を感じていましたが、
電車が通るとその違和感がさらに増しますね。
駅前大橋南詰交差点から。
ここからは地上区間です。
交差点からは、どちらの方向を見ても高低差を感じます。
そういえば、ここから稲荷町方面の軌道はまだ舗装されておらず枕木やバラストがまだむき出しの状態となっています。
どうやら開業後もしばらくはこの状態が続くようですね。
広島駅から約400m。稲荷町交差点及び稲荷町電停です。
日中の試運転はこの広島駅~稲荷町間を往復する形で行われており、本線や南側の比治山下方面に向かう様子はありません。
広電の運転士が電停を出入りする光景が見られました。
こちらは既存の本線上り側の稲荷町電停です。
電停長を延長し上屋もすべて一新されました。
案内装置や放送等は未稼働ですが、供用を待つ下りの稲荷町電停と同じ構造の電停を一足先に味わうことができます。
比治山方面の駅前大橋ルート
稲荷町交差点から南側、駅前大橋ルートの比治山線部分です。
5号線(比治山下経由広島港行き)が使用するルートです。
本線(来年度から循環ルート)とのダイヤモンドクロッシングを通過して南に向かいます。
既存のルートとの合流地点の中間に設けられた松川町電停。
稲荷町電停と同じ全面ガラスの背板ですが、庇の構造や照明が少し異なります。
稲荷町電停がハイグレードタイプ、松川町電停がスタンダードタイプといって良いでしょうね。
ちなみに、このあたりの軌道部分の舗装も未施工です。
ほかの設備がほぼ完成していながら、舗装のタイミングを遅らせる意図が気になります。
軌道敷に自動車が入ることを抑制するという意味ではおおいに歓迎なのですが。
駅前大橋ルートはさらに南へ。
比治山下交差点で、既存ルートと合流します。
片側1車線の通りに軌道が設けられたので、”より近くを街の移動装置が走っている感”が強いです。
車両が走行している光景を早く見たいですね。
リアルでもネットでも、この比治山線区間の駅前大橋ルートを試運転している情報をほとんど見ないのですが、どのくらいの頻度で行われているのでしょうか。
今回のレポートは以上です。
路面電車駅前大橋ルートは、2025年8月3日に開業する予定です。