西広島駅北口地区土地区画整理事業 2025.06 新公民館や幹線道路着々と

JR西広島駅の北口で、広島市による大規模な土地区画整理事業「西広島駅北口地区土地区画整理事業」が進んでいます。
都市の「西の玄関口」であるJR西広島駅の機能強化を目指し、
2030年度の完了を目標に、狭い道路や古い住宅が密集する市街地を再編しています。

未整備だった北口の交通広場とともに、地区の幹線となる都市計画道路「己斐中央線」や公園、宅地を整備します。
「己斐中央線」には、延伸し西広島駅に乗り入れるアストラムラインが高架で通る予定です。

都市に相応しいインフラ整備を行うことで、広島市西部の交通結節点としての利便性・安全性の向上を図ります。

 

 

駅の橋上化や南口駅前広場など都市整備進む西広島駅

JR西広島駅は、都市の西の玄関口的存在でありながら、バリアフリー対応への遅れや設備の老朽化など、都市整備の遅れが目立っていました。
利便性・快適性を高めるべく、広島市とJR西日本は南北自由通路と橋上駅舎の整備工事を2019年度から始め、全面的にリニューアルされた新しい駅舎が2022年11月から供用を始めました。(2021年12月に暫定供用開始)

 

祝暫定開業!JR西広島駅自由通路等整備 橋上化工事 2021.12(Vol.18)<自由通路編>

広島市とJR西日本が改良工事を行っていた山陽本線の西広島駅が一部完成し、 2021年12月19日(日)に暫定開業しました。 長さ約110mの自由通路により、駅の南北をいつで
2021年12月に暫定開業したJR西広島駅の橋上駅舎・自由通路について、 その後続けられていた残りの階段・エスカレーターの設置が完了し、 2022年11月20日に全面的に開業し

 

広島市は続けて、南口の駅前広場(ロータリー)の再整備も実施。
南口西地区では、地上45階建てのタワーマンションを含む「西広島駅南口西地区第一種市街地再開発事業」も実施に向けた手続きが進められています。

広島市は、JR西広島駅南口で計画される「西広島駅南口西地区第一種市街地再開発事業」について、 再開発事業の決定に係る都市計画の縦覧を開始しました。 これに伴い、広島市HPで

 

未整備だった北口についても、己斐地区から西広島駅とのアクセス改善のため、
一帯の土地区画整理事業が続けられています。
2030年度に延伸整備されるアストラムラインの終点となることも追い風に、駅前広場や宅地、公園等の整備を行います。

 

【広島市】:新交通西風新都線(アストラムライン延伸)に係る計画案の説明会を開催しました。

新交通西風新都線(アストラムライン延伸)に係る計画案の説明会資料(上記サイトより)

 

西広島駅北口地区土地区画整理事業

【広島市】:西広島駅北口地区

事業名称 西広島駅北口地区土地区画整理事業
施行者 広島市
施行面積 約2.9ha
施行期間 2018年度~2030年度(清算期間5年を含む)
総事業費 約67億円
主な整備内容 ・交通広場(駅前広場):約3,900㎡
・都市計画道路 己斐中央線(アクセス道路)の整備
・公園の整備
・宅地の再編
目的 ・JR、広島電鉄、バス、アストラムライン(将来)の円滑な乗り換えを可能にする交通結節機能の強化
・駅北側からのアクセス向上による利便性の向上
・商業施設等の立地を誘導し、にぎわいを創出
・道路拡幅や公園整備による防災性の向上と快適な市街地の形成

 

事業計画図(広島市『[西広島駅北口地区]事業の概要』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/business/toshiseibi/1006108/1026809/1026811/1014370.html)より)

 

 

区画整理進行 新しい己斐公民館は5月に完成

事業は2018年度に着手し、現在は2030年度の完了に向けて折り返しを過ぎたあたりです。
橋上駅舎の整備レポートで定期的に訪れていましたが、久々に現地の状況を確認しに行きました。

南北自由通路から見下ろす、西広島駅北口。

 

地権者の方々の協力で、開けた景色に一変しました。
もともとは簡易的な改札口しかなく、すぐそばまで民家が並ぶ昔ながらの町並みでしたが、駅前広場やその先の都市計画道路「己斐中央線」の輪郭が確認できるようになっています。

 

北口駅前広場の計画平面図です。

西広島駅北口駅前広場 計画平面図
(広島市『まちづくりニュース 第56号(審議会13) (PDF 859.2KB)』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/982/250616.pdf)より))

将来的にアストラムラインの橋脚は、中央分離帯や広場内のアイランドに設け、
南口まで橋梁を伸ばしていくようです。

 

将来の駅前広場を想像し、駅舎を振り返ります。

 

西広島駅北口駅前広場 イメージ
(広島市『まちづくりニュース 第56号(審議会13) (PDF 859.2KB)』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/982/250616.pdf)より))

 

区画整理に伴い、対象地に含まれていた己斐公民館が建て替えられました。
新しい公民館は2025年5月から利用開始しています。

 

計画平面図で示されるとおり、公民館の前は今後整備される駅前広場と一体的に運用する公園になる予定です。

 

駅舎自由通路の真正面にあった旧公民館は、区画整理に伴い解体されました。

 

 

 

己斐方面へ見えてきた都市計画道路の輪郭

北口駅前広場から、緩やかに左にカーブしながら、将来の都市計画道路「己斐中央線」が伸びていきます。

 

 

電気や水道などのインフラの整備はまだでしょうが、都計道の輪郭はしっかりと確認できるようになっています。
この道路に沿って、アストラムラインの高架橋が整備されます。

 

途中、県道265号伴広島線につながるアクセス道路も合わせて整備されています。

 

現在のボン・バスのルートですね。

 

 

ロータリー、シェルターが完成した西広島駅南口広場

ここからは少しだけ南口の様子を。

橋上駅舎の完成後も整備を続けていた南口駅前広場は、2023年10月に供用を開始しました。

【広島市】:西広島駅南口広場が新しく生まれ変わりました

 

ロータリー内の島にあったバスのりばは駅舎に近い歩道に移され、大部分が幕製のバスシェルターで覆われました。

 

 

 

2階自由通路から。

当面はこれが完成形の西広島駅南口です。

最終的には、冒頭に紹介したように2030年度の開業を目指すアストラムラインの高架駅が芝生広場「コイプレイス」の横のあたりに建設されます。

2033年頃の完成を目指す再開発事業は画像右側です。

都市圏内「JR広島シティネットワーク」エリアの中では最後発と言ってもいいほど整備が遅れていた西広島駅ですが、今後「広島の西の玄関口」として一気に開発が進みます。

これらに触発された新たな開発についてもこれから期待したいです。

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