広島駅南口では、広島市・JR西日本・広島電鉄の3者が一体となり、大規模な再整備を進めています。
2025年3月に広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」がオープン、8月には路面電車「駅前大橋ルート」が開業しました。
駅前大橋ルート開業で休止している電停を活用した循環線の運行を、広島電鉄が始めます。
地上のバスのりばやマイカー乗降場の再整備、周辺施設までのペデストリアンデッキや大屋根の整備なども2029年春頃にかけて段階的に行われていく予定です。
前回の状況です。
広島電鉄『循環線』の事業概要
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
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駅前大橋線計画図(上記HPより)
【広島電鉄】:路面電車 循環線について
循環線開業キービジュアル
(広島電鉄『路面電車 循環線について』(https://www.hiroden.co.jp/topics/2026/0328-loopline_toppage.html)より)
広電の新系統「循環線」が、2026年3月28日に開業しました。
2025年8月3日の駅前大橋ルート開業により使用されなくなった旧本線の的場町、5号線の段原一丁目の両電停を活用したルートで、
紙屋町・八丁堀地区と比治山、皆実町エリアを巡回するルートです。
既存ルートを活用したものですが、電停の刷新や軌道の改良が行われた地区を中心に現地をレポートします。
駅前通り。
広島駅から稲荷町までを短絡する、この「駅前大橋ルート」が昨年8月に開業しました。
稲荷町交差点です。
ここは、28日に開業した循環線専用電停(旧本線下り電停)を含めて、東西南北4方向に列車が発着する乗り換え拠点となりました。
それぞれの電停にA~Dの4つのホーム記号が割り当てられています。
こちらは本線上り電停「Aホーム」。
以前までは駅前大橋ルートを経由する広島駅方面の列車のみの運用でしたが、ここに循環線が加わりました。
紫のラインカラーの循環線の案内が追加されています。
少し待っていると循環線の外回りの列車が到着。
交差点を左折し広島駅に向かう他の列車と違い、循環線は直進して的場町方面に向かいます。
この車両は広電の被爆電車です。
乗車率が高く大型車両で実需に対応する他の系統とは異なり、循環線はこうしたレトロ車両やイベント列車を定期的に走らせる役割も担います。
先程のAホームと対面するCホームです。
かつての本線下り電停でしたが、駅前大橋ルートの開業により休止。循環線専用電停としてリニューアルされました。
電停のデザインはA~D全てで統一されています。
Cホームから見る稲荷町交差点。
広島駅方面と紙屋町・八丁堀、比治山方面とひっきりなしに列車が往来し、運行密度の高さがひしひしと伝わってきます。
循環線は平日25分間隔、休日45分間隔での運行です。
的場町方面。
駅前大橋ルートで休止されていた区間です。
内回り列車。
これは旧京都市電ですね。
循環線には専用のヘッドマークが付きます。
やはり紫が路線カラーです。
バリアフリー化と電停の整理が行われた的場町電停
先程見ていた的場町電停に移動しました。
電停の拡幅など、バリアフリー化が完了したホームが、路線の開業とともに供用を開始しました。
全面ガラス背板は稲荷町と同様ですが、上屋や照明の仕様は異なります。
駅前大橋ルートの松川町電停と同じ仕上げです。
広電宮島口を皮切りに、広島駅や稲荷町等で導入されたモノトーンのサインが的場町にも採用。
今後のスタンダードですね。
以前は直進し猿猴橋町、広島駅に向かっていた路線はここで右折して比治山方面に向かいます。
ホーム上の様子。
電車の接近のみを知らせる簡易的な案内装置が取り付けられています。
また床面には元からあったレトロ車両に加え、新型車両のレリーフタイルも設置されました。
以上、3月28日に開業した循環線部分の状況でした。
格子柄の軌道部コンクリート舗装進む
稲荷町交差点から南、5号線の松川町電停に至るルートです。
軌道部のコンクリート舗装がまさに行われているところでした。
先月、完成した松川町付近の状況を確認しましたが、格子状に施工しているのが興味深い。
広電は時間をかけてバラストを含めた路盤を安定させるため、未舗装の状態が続きました。
駅前大橋ルートの広島駅側や、開業したばかりの循環線の的場町付近などもまだ未舗装となっているので、今後完成が待たれますね。
あとがき
駅前大橋ルートの整備にあたり、当初は的場町、段原一丁目の両電停は廃止され、松川町電停の新設でカバーする計画でしたが、
地元からの反発を受け、事実上の救済措置として設定されたのがこの循環線です。
相生通りを始め既存路線の運行密度は現状でも従来から極めて高い状態にある上、乗務員不足も深刻。
既存の系統で大半のOD需要に対応できているなかで、広島駅を経由しない系統の新設は、既存の系統の運行に影響を与えかねません。
広電も当然そのあたりの事情は十分に理解しており、運行本数は朝夕のピーク時を避け、平日15本、休日8本のみという限定的な運行本数にとどめました。
また、被爆電車や移籍車両などのレトロ電車の定期運行と運行ダイヤの公開も発表しています。
過密な広島駅に乗り入れない系統で、路面電車ファンに向けた観光路線として上手く棲み分けを図るのであれば、それほど悪くない試みなのかもしれません。
【広島電鉄】:循環線の開業に伴う広電電車ダイヤ改正に関する詳細はこちら
まずは当面、この限定的な運行形態で様子を見る必要がありますね。
実際の利用状況や周辺交通への影響を定期的にしっかりとモニタリングし、必要であれば路線の存廃を含めた柔軟な検討を今後も継続して行ってほしいと願います。






























